70代を迎え、自身の健康や将来について考える機会が増えた人も多いのではないでしょうか。
特に「もし自分が認知症になったら…」という不安から、認知症保険への加入を検討する人も増えています。
しかし70代から新規で加入すると、毎月の保険料負担が大きく、本当に保険で備える必要があるのか疑問に思うかもしれません。
本記事では、資産状況や家族構成に合わせて、認知症保険が必要かどうかを客観的に判断するポイントを紹介します。
保険選びで迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
貯蓄に不安がある人や家族に経済的な負担をかけたくない人には認知症保険の検討がおすすめ
公的介護保険はあくまでも「現物支給」。民間保険で介護にかかる費用に備えよう
給付金の支払条件や免責期間は商品によって異なる。複数社で比較することが大切
目次
6.まとめ
70代でも認知症保険が「必要な人」と「不要な人」
認知症保険の必要性は、個人個人の置かれた状況によって大きく異なります。
資産額や家族構成などから冷静に判断することが大切です。
では、70代で認知症保険が「必要な人」と「不要な人」の特徴をそれぞれ見ていきましょう。
介護だけに使える預貯金が500万円以上あるなら「不要」の可能性が大きい
認知症保険の必要性を判断するひとつの目安は、介護費用としてすぐに使える預貯金が500万円以上あるかどうかです。
生命保険文化センターの調査によると、介護にかかる費用は、住宅改修や介護用ベッド購入などの一時費用が平均で47.2万円、月々の費用が平均9万円となっています。
介護期間の平均は4年7カ月ですので、単純計算で総額約542万円が必要になります。
47.2万円+9万円✕55カ月=542万2000円
認知症になったときの介護費用として使える貯蓄が500万円以上あるのであれば、敢えて民間の認知症保険に加入する必要性は低いでしょう。
ただし、施設介護を希望する人は入居費用や毎月の費用がかさむ恐れがあるため、別途資金準備をしておく必要があります。
(参考:介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?|生命保険文化センター)
保険が必要なのは「現金を残したい」または「子どもに頼れない」人
十分な資産があっても不動産などすぐに現金化できない場合や、預貯金を取り崩さずに介護費用を賄いたい人は、認知症保険を検討する必要があるでしょう。
認知症保険は現金で給付されるため、介護施設の入居一時金や当座の生活費など、急な出費に柔軟に対応できます。
また、子どもに経済的な負担をかけたくない、あるいは頼れる親族がいない場合にも、保険は有効です。
認知症の介護は長期化しやすく、家族にとって精神的・経済的な負担が大きくなる可能性があります。
保険でまとまった一時金を受け取ることができれば、有料の介護サービスを利用する選択肢も広がり、家族の負担を軽減することにつながります。
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最大のメリットは「口座凍結」対策としての即効性
認知症と診断され判断能力が不十分とみなされると、本人の預金口座は凍結され、たとえ家族であっても預金の引き出しや定期預金の解約、不動産の売却などができなくなります。
介護費に充てるための資産はあるのに、誰も手を出せない状態に陥る可能性があるのです。
その点、民間の認知症保険であれば口座が凍結されても保険金請求ができ、すぐに現金を確保することができます。
認知症保険には「指定代理請求人」を指定できることが多く、本人が請求手続きを行えない状態でも、あらかじめ指定した家族が手続きを代理で行うことが可能です。
家族信託などの本格的な資産凍結対策には時間と費用がかかりますが、認知症保険は緊急資金を確保する手段として即効性があります。
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月々の負担は適正?保険料と「リスクカバー」のバランス
70代から認知症保険に加入する場合、毎月の保険料が負担にならないかを心配する人は多いでしょう。
支払う保険料の総額と保障内容のバランスが取れているか、慎重に判断することが大切です。
「早期発症」と「長生き」どちらのリスクに備えるべきか
認知症のリスクは年齢とともに高くなります。
厚生労働省の調査によると、70代前半の認知症有病率は男性で3.4%、女性で3.8%であるのに対し、80代後半の有病率は男性で35.6%、女性で48.5%と増加します。
割合としては少ないですが「70代で発症するリスク」に備えるか、高齢になって発症し介護が長引くリスクに備えるかで、認知症保険の選び方も変わります。
「早期発症」に備えるなら、診断後すぐにまとまったお金が受け取れる一時金タイプが適しています。
想定よりも早い段階で介護が必要になった際、一時金を受け取ることができれば、住宅リフォーム費用や介護用品の購入、月々の介護費用などに充てることができます。
「長生き」による長期の介護費用に備えるなら、一定期間給付が続く年金タイプがおすすめです。
ただし、年金タイプは受け取れる保険金の総額が大きくなるため、プランによっては保険料が高額になることもあり注意が必要です。
自身の健康状態や経済状況を考慮し、どちらのリスクに優先して備えたいかを決めましょう。
(参考:認知症参考資料|厚生労働省)
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「掛け捨て」にするか「貯蓄型」にするか
認知症保険には、保険料を比較的抑えられる「掛け捨て型」と、解約時や死亡時に支払った保険料の一部が戻ってくる「貯蓄型」があります。
掛け捨て型は、支払った保険料が戻ってこない代わりに、月々の負担を抑えて純粋な保障を確保できるのが特徴です。
日本で販売されている認知症保険の多くは、この掛け捨て型です。
一方、貯蓄型は保険料が割高になりますが、万が一認知症にならなかった場合でも、支払った保険料が完全に無駄にはならない安心感があります。
70代からの加入では保険料が高額になりがちなため、家計への負担を考慮すると掛け捨て型が現実的な選択肢となることが多いです。
認知症など大きなリスクには保険で備えながら、老後の生活費のための貯蓄を増やしていく事を考えるのが良いでしょう。
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失敗しない認知症保険の選び方|70代が重視すべき3つの条件
70代で認知症保険に加入する場合、基本的には見直しをせず契約を継続することが前提となるでしょう。
そのため、保険選びは慎重に行う必要があります。
ここからは、保険選びで後悔しないための3つのポイントをご紹介します。
1. 給付条件は「診断確定」のみで出るものを選ぶ
認知症保険の給付条件には、主に2つのタイプがあります。
- 医師による認知症の「診断確定」のみで給付金が支払われるタイプ
- 「診断確定」に加えて、公的介護保険の「要介護1以上」などの認定が必要なタイプ
70代から認知症保険を検討する場合、医師による診断確定のみで支払われるタイプがおすすめです。
「要介護認定」が必要なタイプは、認知症と診断されても要介護状態と認定されるまで給付金を受け取れません。
認定には時間がかかる場合もあり、その間の医療費や介護費用は自己資金で賄う必要があります。
早期に治療や介護の準備を始めるためにも、給付のハードルが低い「診断確定」のみの条件となっている商品を選ぶのが良いでしょう。
中には、認知症の一歩手前である「軽度認知障害(MCI)」も保障の対象としているものもあります。
保険会社ごとに支払要件は異なるため、複数の商品で比較し、できるだけ早期で給付を受けられるものを選びましょう。
2. 「現金給付(一時金)」タイプを優先する
認知症保険には、まとまった金額が一括で支払われる「一時金タイプ」と、毎年一定額が支払われる「年金タイプ」があります。
介護費用に不安がある場合、「一時金タイプ」を優先して検討するのがおすすめです。
公的介護保険が訪問介護などの「現物給付」であるのに対し、民間保険のメリットは「現金給付」である点です。
特に、診断時点で一時金を受け取れるタイプであれば、介護施設の入居金、自宅のバリアフリー改修費用、介護ベッドの購入費用など、初期段階で必要となるまとまった支出に対応できます。
年金タイプは長期の介護費用を補うのに適していますが、まずは初期費用を確実にカバーできる一時金タイプを確保し、余裕があれば年金タイプを組み合わせる考え方が合理的です。
3. 「指定代理請求特約」は必須条件
70代で認知症保険に加入する場合、「指定代理請求制度(特約)」は絶対に抑えておく必要があります。
指定代理請求人とは、被保険者本人が認知症の進行などにより給付金を請求する意思表示ができない場合に、本人に代わって請求手続きができる家族のことです。
配偶者や3親等内の親族を指定することができ、費用などはかかりません。
もし指定代理請求人を指定していないと、せっかく保険に加入していても本人が請求できないために誰も給付金を受け取れないという最悪の事態になりかねません。
認知症保険は、本人の判断能力が低下した時にこそ必要な保険です。加入時には必ず指定代理請求人の設定を行い、家族にも共有しておくことが大切です。

Q1
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70代からの加入で注意すべき「落とし穴」
70代から認知症保険への加入を検討する際には、年齢が高いからこそ注意すべきポイントがいくつかあります。
契約内容をよく確認せずに加入してしまうと、いざという時に期待した保障が受けられない可能性があります。
ここからは、特に注意すべき3つの落とし穴について解説します。
加入後すぐは保障されない?「免責期間」に注意
認知症保険には、「免責期間(支払対象外期間)」が設けられているのが一般的です。
仮に免責期間中に認知症と診断された場合、給付金は支払われません。
商品によって免責期間の長さは異なりますが、加入から「90日」や「180日」など比較的短いものから、「1年」など長期間におよぶものもあります。
たとえば、免責期間が「180日」の認知症保険に加入した場合、加入から半年以内に認知症と診断されても保障は受けられません。
保険はあくまでも、健康なうちに「もしものリスク」に備えるためのものです。
免責期間も考慮し、できるだけ早いうちに加入を済ませておくのが良いでしょう。
保険会社によってはMCI(軽度認知障害)は保障の対象外
MCI(軽度認知障害)とは、記憶力などに問題が出ているものの日常生活への支障はなく、認知症とは診断されない「前段階」の状態を指します。
最近では、MCIの段階で一時金が支払われる認知症保険も増えていますが、すべての商品が対応しているわけではありません。
MCIは早期に適切な対応をすることで、認知症への進行を遅らせたり健常な状態に回復したりする可能性があるため、この段階で給付金を受け取れるメリットは大きいです。
一方で、MCIを保障対象にすると保険料が割高になる傾向もあります。
保障範囲を広く取りたいのか、保険料を抑えたいのか、自身の希望に合わせて商品選びをすることが大切です。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年3月1日―2026年3月31日)
健康告知のハードル(持病があっても入れるか)
70代になると何らかの持病を抱えているケースも多く、そもそも認知症保険に加入できるのか不安に感じる人もいるでしょう。
保険会社によって健康告知の項目は異なりますが、一般的には次のような内容を問われます。
- 現在入院中か
- 過去に認知症やMCI(軽度認知障害)、またはその疑いで医師の診察・検査・治療を受けたことがあるか
- 過去5年以内にパーキンソン病・脳卒中・脳腫瘍・水頭症・精神疾患等で治療を受けたことがあるか
- 過去1~2年以内に入院や手術をしたことがあるか
- 公的介護保険の要介護・要支援認定を受けたことがあるか、または申請中か
上記のような質問に「いいえ」と回答できれば、申込が可能です。告知項目は保険会社によって違いがあるため、複数の商品で見比べながら加入できるものがあるか探してみるのがおすすめです。
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認知症保険に関するよくある質問
ここからは、認知症保険に関するよくある質問に、保険のプロがわかりやすく回答します。
Q. 80歳を過ぎてからでも入れますか?
A.はい、商品によっては80歳以上でも加入できます。
ただし、70代に比べて選択肢は少なくなり、保険料も高額になる可能性があります。
年齢が高くなるにつれて健康状態の診査に通りにくくなるなど、加入のハードルも高くなるため、できるだけ早めに情報収集を始めておくことをおすすめします。
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Q. 介護保険と認知症保険、どっちを優先すべき?
A.どちらを優先すべきかは、備えたいリスクによって異なります。
民間の介護保険は、病気やケガなど原因を問わず「要介護状態」になった場合に保障されるため、保障範囲が広いのが特徴です。
一方、認知症保険は保障範囲を「認知症」に限定しているため、保険料が比較的割安な傾向があります。
認知症のリスクに特化して備えたい場合は認知症保険、広く介護全般のリスクに備えたい場合は介護保険が適しています。
Q. 親に内緒で子どもが契約できますか?
A.いいえ、できません。
保険契約では、保障の対象となる人(被保険者)本人の同意と、健康状態に関する正確な告知が義務付けられています。
そのため、子どもが保険料を支払う契約者になったとしても、親(被保険者)に内緒で契約することはできません。
必ず本人の同意を得たうえで、親自身が告知事項に回答し署名する必要があります。
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まとめ
70代からの認知症保険の必要性は、個人の資産状況や家族のサポート体制によって大きく異なります。
介護費用として使える資産が十分にあれば民間の保険は不要ですが、貯蓄に不安がある場合や家族に負担をかけたくない場合は、選択肢のひとつになるでしょう。
認知症保険はさまざまな保険会社から販売されていますが、給付金の支払条件や免責期間が異なるため、複数の商品で見比べながら検討を進めるのがおすすめです。
健康なうちに、もしものための備えについて考えておきましょう。
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