「ADHDと診断されたけど、保険には加入できる?」「住宅購入時の団信はどうなる?」と不安を抱えていませんか。
ADHD(注意欠如・多動症)の診断があると、一般的な保険への加入が難しくなるケースは確かに存在します。
しかし、全ての保険に加入できないわけではありません。
本記事では、ADHDでも加入しやすい保険の種類と、自宅購入や車の運転など日常生活での影響について解説します。
この記事を読んでわかること
ADHDの治療を受けている場合、「引受基準緩和型保険」であれば加入を検討できる可能性
公的制度を利用し医療費の自己負担を抑えたうえで、万が一に備える民間保険を探しましょう
住宅ローンを組む際の団信は、「ワイド団信」が選択肢になる可能性
目次
1-2.告知義務違反は絶対NG
8.まとめ
ADHDだと「普通の保険」には入れない?
結論から言うと、ADHD(注意欠如・多動症)の診断を受けている場合、一般的な医療保険や生命保険への加入は、健康な人と比べて難しくなる傾向があります。
ただし、「絶対に加入できない」わけではありません。
保険会社や商品、そして治療の経過によって加入の可否は異なります。
まずは、なぜADHDを抱えていると保険加入が難しくなるのか、理由から見ていきましょう。
なぜ「精神疾患」は診査が厳しいのか
ADHDを含む発達障害が診査で慎重に判断される主な理由は、統計的に他の病気やケガのリスクが高いとみなされるためです。
ADHDを抱える人はうつ病や不安障害など、その他の精神疾患を併発する可能性が指摘されています。
精神疾患は長期の治療や入院につながるリスクがあるため、保険会社の判断も慎重になります。
また、ADHDの特性である不注意や衝動性により、交通事故や日常生活でのケガのリスクが相対的に高いと判断されるケースもあるようです。
その他、治療のための長期服薬がリスクとみなされたり、発達障害のある人が保険に加入した場合の長期的なリスク評価が難しいという側面から、厳しい判断になることもあります。
保険は多くの加入者が保険料を公平に負担し合い、万が一の事態が発生した人に保険金を支払う「相互扶助」の仕組みで成り立っています。
ADHDなどの発達障害がある人の場合、その他の人と比較して総合的にリスクが高いと判断され、保険加入を断られることがあるのです。
告知義務違反は絶対NG
生命保険に加入する際は、一般的に「過去5年間の通院歴や健康状態」を問われます。
もしADHDの治療で服薬治療をしている場合、告知の対象になる可能性が高いでしょう。
中には、「黙っていればバレない」「事実を申告しないほうが良いのでは」と考える人もいるかもしれません。
しかし、告知項目に該当するのに正しく申告しない行為は「告知義務違反」とされ、あとから大きなトラブルにつながる恐れがあるため絶対に避けましょう。
告知義務違反をした場合に考えられるペナルティ
- 保険金・給付金が支払われない
- 契約が解除される
- これまで支払ってきた保険料が返還されない
告知義務違反が発覚すると、いざというときに保険金や給付金を受け取れない可能性があるだけでなく、契約を解除され保険料も返還されないなど大きなペナルティが課される場合もあります。
「バレないだろう」と安易に判断せず、加入時の告知は必ず正しく行いましょう。
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ADHDでも加入しやすい保険
ADHDで治療をしている場合、一般的な保険への加入は断られるケースが多いです。
とはいえ、すべての保険に加入できないわけではありません。
ここからは、ADHDでも加入しやすい保険種類を紹介します。
引受基準緩和型保険
引受基準緩和型保険は、保険会社が契約を引き受ける基準を通常よりも緩やかに設定している保険です。
持病や過去の入院・手術歴がある人でも加入しやすいよう、申込時の告知項目が少なく設定されています。
多くの保険会社から、医療保険や死亡保険などの緩和型商品が販売されており、ADHDなど発達障害を抱えている人にとっての選択肢になります。
告知項目は「はい」か「いいえ」で答えられる2~3個程度の質問のみで、すべてに「いいえ」と回答できれば申込みが可能です。
ADHDで治療中でも、直近1~2年以内に入院歴がなければ検討できる可能性があります。
デメリットは、一般の保険と比べて保険料が割高に設定されている点です。
緩和型の保険を検討する際は、毎月の保険料と保障のバランスに注意が必要です。
参考)引受基準緩和型保険の告知項目
引受基準緩和型保険の告知項目は保険会社や商品によって異なりますが、一般的には次のような内容を問われます。
ADHDの治療で通院・服薬していても、上記の質問にすべて「いいえ」と回答できれば、加入できる可能性があります。
複数の緩和型商品の告知項目を比較しながら、自身の状況で該当するものはないか事前に確認しておくことが大切です。
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無選択型保険
無選択型保険は、健康状態に関する告知や医師の診査が一切不要で、原則として誰でも加入できる保険です。
直近で入院歴があって緩和型の保険も検討が難しい場合に、最後の砦となる保険商品です。
告知不要のためADHDの治療中でも加入可能ですが、その分保険料は緩和型の保険よりも割高に設定されています。
また、加入から一定期間、免責や保険金削減などの条件が設けられていることが一般的です。
無選択型保険はあくまでも緩和型の検討も難しい場合の、最後の選択肢として検討すると良いでしょう。
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がん保険
がん保険は、ADHDと診断された人でも比較的加入しやすい保険のひとつです。
がん保険はその名の通り、がんに特化した保険商品であるため、加入時の診査でもがんに関連のある症状や病気が主に重要視されます。
ADHDなどの発達障害や精神疾患はがんの発症に直接的な因果関係がないため、問題なく加入できる可能性があります。
ただし、診査の基準は保険会社によっても異なります。
必ずどの保険会社でも加入できるわけではないため、複数商品での比較をおすすめします。
万が一加入を断られた場合は、慌てず他の保険会社で再検討すると良いでしょう。
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団体信用生命保険(団信)に通らないときの対策
住宅ローンを組む際に加入を求められる「団体信用生命保険(団信)」は、生命保険の一種であるため、申込時に健康状態について申告する必要があります。
ADHDで治療を受けている場合、治療の内容やその他の精神疾患の有無によっては、団信に加入できないケースもあります。
ここからは、団信に加入できなかった場合の選択肢について紹介します。
ワイド団信
ワイド団信は「引受基準緩和型団体信用生命保険」の通称で、通常の団信よりも加入条件が緩やかに設定されています。
通常の団信の審査に通らなかった場合は、ワイド団信への加入を検討しましょう。
ワイド団信は通常の団信と比べて審査基準がゆるやかで、ADHDや他の精神疾患を抱えている場合でも加入できる可能性があります。
ただし、加入条件が緩やかである分、住宅ローンの金利に年0.2%〜0.3%程度上乗せされるのが一般的です。
総返済額が増加するため、利用する際は資金計画を慎重に立てる必要があるでしょう。
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フラット35
ワイド団信への加入も難しい場合、団信加入が任意の「フラット35」を利用して住宅ローンを組む方法もあります。
一般的な金融機関が提供する住宅ローンは、団信加入が必須と定められていることがほとんどです。
しかし、団信の審査に通らなかったからといって住宅購入を諦める必要はありません。
フラット35は住宅金融支援機構が提供する住宅ローンで、団信に加入しなくてもローンを組むことができます。
ただし、団信に加入しないということは、ローン契約者に万が一のことがあってもローン残高はそのまま残ることを意味します。
のこされた家族が返済に困らないよう、別途、緩和型の生命保険に加入するなどして備えておくことが必要です。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年4月1日―2026年4月30日)
大人ADHDの「車の運転」と「賠償リスク」に備える
ADHDの特性である「不注意」や「衝動性」は、運転中の集中力維持や危険予測に影響を与える可能性があります。
「自分が病気になるリスク」だけでなく、「他人に損害を与えるリスク(加害者になるリスク)」にも備えておく必要があるでしょう。
ここからは、車の運転と賠償リスクについて詳しく解説します。
ADHD特性による事故リスクと自動車保険
ADHDには「不注意」や「衝動性」といった特徴があるため、統計的に交通事故のリスクが高いとされています。
万が一の事故に備えるため、自動車保険(任意保険)への加入は必須です。
対人・対物賠償の補償額を無制限にしておくのはもちろんのこと、自身のケガに備える人身傷害保険や、相手のいない単独事故に備える車両保険など、保障内容を十分に検討する必要があります。
なお、ADHDであることを理由に自動車保険の加入を断られることは基本的にありません。
日々の生活では安全運転を心がけましょう。
日常生活を守る「個人賠償責任保険」
個人賠償責任保険は、日常生活の中で誤って他人にケガをさせたり、他人の物を壊してしまったりして、法律上の損害賠償責任を負った場合に補償を受けられる保険です。
主に次のようなケースで役立ちます。
- 買い物中に商品を落として壊してしまった
- 自転車で走行中に歩行者とぶつかりケガをさせてしまった
- 子どもが友達の家の物を壊してしまった
個人賠償責任保険は、ADHDの不注意や衝動性が原因で起こりうる日常のトラブルに備えるためにも有効な手段です。
特に他人にケガをさせてしまった場合、賠償額が非常に高額になるケースもあります。
自己資金で対応することは難しいため、あらかじめ保険で備えておきましょう。
個人賠償責任保険は単独で加入するよりも、自動車保険や火災保険、傷害保険などの「特約」として付帯するのが一般的です。
月々数百円程度の保険料で家族全員を保障の対象とすることができるため、ぜひ加入を検討しましょう。

Q1
性別をお伺いします
治療費の負担を減らす「公的保険」の活用術
ADHDの治療のために定期的に通院をしていると、毎月の治療費を負担に感じることもあるかもしれません。
ここからは、治療を受ける際や働けなくなったときに活用できる公的保障を紹介します。
自己負担を1割にする「自立支援医療制度」
自立支援医療制度とは、通院で精神疾患の治療を続ける必要がある人の医療費負担を軽減するために設けられている、公的な制度です。
発達障害の治療もこの制度の対象となります。
自立支援医療制度を利用すれば、指定した医療機関や薬局で支払う医療費の自己負担割合が、通常の3割から原則として1割に軽減されます。
さらに、世帯の所得に応じて1カ月あたりの自己負担額に上限が設けられているため、継続的な通院や服薬が必要な場合でも経済的な負担を抑えることができます。
申請はお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口で行います。申請には医師の診断書などが必要になるため、まずはかかりつけの医師に相談しましょう。
入院時に使える「高額療養費制度」
病気やケガで入院が必要になった場合は、「高額療養費制度」を利用して自己負担額を抑えることができます。
高額療養費制度とは、1カ月にかかった医療費の自己負担額が一定の上限を超えた場合、その差額があとから払い戻される制度です。
自己負担の上限額は、年齢や所得水準によって決まっています。
現役世代の場合は次のとおりです。
入院や手術をして医療費が高額になっても、自己負担が青天井になることはありません。
まずは自身の収入と照らし合わせて、1カ月の自己負担がどの程度になるか把握しておくと良いでしょう。
また、マイナ保険証を使って受診することで、窓口での請求額が自己負担上限までになるため、別途払い戻し手続きをする手間を省くことができます。
いざというときに備えて、制度の内容や利用方法を事前に確認しておきましょう。
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働けなくなったときの「傷病手当金」と「障害年金」
ADHDの症状や二次障害によって働くことが難しくなった場合に、生活を支える公的制度として「傷病手当金」と「障害年金」があります。
【傷病手当金】
会社員や公務員が病気やケガで働けなくなった際、健康保険組合から支払われる給付金です。
業務外の病気やケガで連続して3日間会社を休んだ後、4日目以降も仕事に就けない場合に支給されます。
支給額は給与のおおよそ3分の2で、通算1年6カ月までが保障対象となります。
ADHDに伴ううつ症状などで長期療養が必要になった場合に、活用できる可能性がある制度です。
ただし、自営業やフリーランスで働く人が加入する国民健康保険にこの制度はないため、注意が必要です。
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【障害年金】
病気やケガによって生活や仕事などが制限されるようになった場合に受け取れる公的な年金です。
ADHDも対象疾患に含まれており、日常生活や就労への支障の程度に応じて1級から3級(障害厚生年金の場合)に認定されると受給できます。
国民年金加入者は1級または2級のみが受給対象となるため、注意しましょう。
傷病手当金が比較的短期間の収入を保障する制度であるのに対し、障害年金はより長期間にわたる生活保障を目的とした制度です。
(参考:国民年金・厚生年金保険 障害認定基準|日本年金機構)
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家族・パートナーの不安を解消するためにできること
ADHD当事者だけでなく、その家族やパートナーも将来に対する不安を抱えることがあります。
特に経済的な不安は、精神的な負担にもつながりかねません。
家族やパートナーのために今からできることを考えてみましょう。
経済的な安定が精神的な安定につながる
将来起こり得る不測の事態に備えておくことは、本人だけでなく家族の精神的な安定にもつながります。
これまで解説してきたように、ADHDであっても加入できる可能性のある民間保険や、活用できる公的制度は存在します。
特に小さな子どもがいる人の場合、緩和型の死亡保険や収入保障保険を利用して万が一のために備えておくことをおすすめします。また、医療費負担に不安がある場合、緩和型の医療保険で最低限の保障を確保しておくと安心です。
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家族だけで抱え込まないための相談先
発達障害や精神疾患を抱えていると、ときに生活上での大きな悩みや不安に襲われることもあるかもしれません。
家族だけで抱え込まず、自治体が運営している発達障害支援センターなどに相談してみましょう。
公的制度の利用や申請手続きについても、支援センターや福祉担当窓口で相談することができます。
生活を守るためのアクションリスト
ここまで解説してきた内容を踏まえ、ADHD当事者やそのご家族が、生活を守るために具体的に取るべき行動をリストアップしました。
- まずは「自立支援医療制度」で今の出費を抑える
- 民間保険で備えたいリスクを洗い出す
- 自身の健康状態を整理して、民間の緩和型保険に加入できるかを確認する
- 複数の商品で比較して自分に合った民間保険の商品を選ぶ
- 住宅購入予定がある場合、早めにFPや銀行へ「団信」の相談をする
将来の不安を解消するため、一つずつ確認し、実行に移していきましょう。
まとめ
ADHDと診断されたからといって、保険への加入を完全に諦める必要はありません。
一般的な保険への加入は難しい場合が多いですが、引受基準緩和型保険やがん保険など、検討できる選択肢は複数存在します。
また民間の保険だけに頼るのではなく、「自立支援医療制度」や「障害年金」といった公的制度を最大限に活用することで、経済的な負担を大きく軽減することが可能です。
大切なのは、公的制度でまかなえないリスクに対して効率的に民間保険で備えておくことです。
ほけんのコスパでは、持病がある方向けの医療保険を複数掲載しています。
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ぜひ、保険選びの参考に活用してください。
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