「老後資金は貯蓄と年金があれば安心」「保険なんて入らなくても、公的制度があればなんとかなる」。
しかし、いざ70代を迎えてみると、予想外の現実に直面しているシニアも少なくありません。昨今の物価高と医療費の負担増によるダブルパンチが、高齢者の家計に影響を与え始めています。
ほけんのコスパでは、外部のインターネット調査会社を通じて70代の男女500名を対象に「高齢者の医療費負担と資産防衛に関する意識調査」を実施しました。
【調査概要】
調査名:高齢者の医療費負担と資産防衛に関するアンケート
調査主体:株式会社モニクルフィナンシャル
調査対象:過去3年以内に医療・介護を受けた70歳以上の男女500名
調査期間:2026年1月9日から2026年1月15日
調査方法:クロス・マーケティング QiQUMOを利用した調査
目次
インフレが家計に影響し、医療費の負担感も増している
現在の家計状況について聞いたところ、全体の33.4%にあたる167人が、「物価高(食費や光熱費)と相まって、医療費の負担が以前よりも重く感じるようになった」と回答しました。
また、「金額は小さいが、毎月必ず出ていくので精神的な負担になっている」「通院のための交通費(タクシー・バス代)が、医療費以上に負担となっている」と回答した人と合わせると、全体の約52%を占めます。
半数以上が、多かれ少なかれ経済的な負担を感じていることが分かりました。
「物価高による医療費負担の増加を感じている層」に対処法を尋ねると、52.6%が「生活費(食費・光熱費)をできるだけ切り詰めて捻出した」と回答しました。
まず最初に抑えやすい日々の食事や冷暖房などの生活水準を切り詰めて、医療費や薬代を支払っていることがわかります。
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「受診控え」のリスクも…。節約が招く負のスパイラル
さらに、「インフレに伴い生活費を切り詰めて医療費を捻出している層(インフレ負担層)」と「影響を受けていない層(余裕層)」で、普段どのような医療費の節約を行っているかを比較したところ、病院の受診の有無で差が見られました。
「少しの体調不良なら、受診せずに市販薬や自然治癒で済ませている」
- インフレ負担層:38.6%
- 余裕層:12.8%
インフレ負担層では約4割が、少しの体調不良であれば受診を控えている実態が浮き彫りになりました。医療費の節約のために病院に行かない、その結果、体調不良が長引いたり、重症化してさらに医療費がかかる……。そんな「負のスパイラル」にはまってしまうリスクも考えられます。
しかし、我慢はそれだけではありません。いざ病院に行ったとしても、インフレ負担層はさらなる「選択」を迫られています。
インプラントやセラミック素材などの差し歯(歯科の自費治療)
- インフレ負担層:34.1%
- 余裕層:10.1%
個室の利用(大部屋でのストレスを我慢した)
- インフレ負担層:33.0%
- 余裕層:7.8%
「歯」は食生活と健康の要であり、「病室の環境」は闘病の精神状態を左右します。 インフレ負担層の3人に1人が、お金のためにこれらを諦め、痛みやストレスを抱えながら治療を受けているのです。
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「負担層」と「余裕層」を分けるリスクへの備えの違い
余裕がある層は、33.5%が「加入しており、十分な保障があるので安心」と回答しています。これはインフレ負担層(9.1%)の3倍以上です。そして、インフレ負担層の約半数が、「古い保険なので今の医療実態に合うか不安」と回答しています。
さらに保険料負担に関しても、インフレ負担層の19.3%が「保険料が高くて家計を圧迫している」と回答。余裕層(2.2%)の約4倍となっています。
医療費の負担を感じている人ほど、現在の割高な保険料や古い保障で不安を感じていて、適切な見直しができていない状況にあります。
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なぜ保険が必要なのか? 想定外の痛手となる「見えない出費」
「入院中の生活雑貨(パジャマ・オムツなど)」
- インフレ負担層:43.2%
- 余裕層:5.0%
「食事代(自己負担分)」
- インフレ負担層:29.5%
- 余裕層:3.9%
高額療養費制度があるから医療費そのものは抑えられても、食事代や雑費といった「公的制度外の出費」まではカバーされません。医療費負担が増えていると感じるインフレ負担層にとって、この「見えない出費」が、今の医療保険の保障でしっかりとカバーできるのかが不安になる要因なのかもしれません。
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現役世代にアドバイスするなら「公的制度を頼りにしすぎるな」
生活が苦しくなってから「保険に入り直したい」と思っても、70代では年齢や健康状態によって加入が難しくなってきます。
「もし、『40代〜50代の現役時代の自分』に会えるとしたら、老後のお金と医療について何とアドバイスしますか?」という質問の回答は以下のとおりです。
- 「健康維持が最大の節約だ。酒・タバコ・食事にもっと気をつかえ(35.8%)」
- 「国の制度は今後悪くなる一方だ。『公的保険があるから大丈夫』と絶対に油断するな(28.0%)」
- 「高額療養費制度があるから大丈夫だと思っていたが、食事代や差額ベッド代などの『制度外の出費』が意外と負担になるぞ(23.6%)」
「現金があればなんとかなる」というのは、あくまで物価や医療費が安定していたときの考えなのかもしれません。
インフレ時代においては、医療費という「突発的な支出」を保険でカバーし、生活費という「日常の支出」を自分で守る役割分担ができていないと、想定外の支出に家計が振り回されるリスクが考えられます。
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保険のプロからのコメント
近年、SNSなどで「保険不要論」をよく見かけるようになりました。日本の公的制度が充実していることを前提に、目先の固定費を減らそうと安易に保険を解約してしまいたくなるかもしれません。しかし、公的制度を頼りにすべてを「貯蓄」で持とうとするのは、インフレ時代にはリスクになりかねません。
また、「健康に自信があるし、老後も働くから大丈夫」と考えていても、思いがけず病気やケガに見舞われる可能性は誰にでも起こり得ます。
70代になって「こんなはずじゃなかった」と生活費を削ったり、希望する治療や療養環境を我慢したりすることがないよう、現役世代のうちに医療保険の検討・見直しを考えておきましょう。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年2月1日―2026年2月28日)


















