「葬儀費用程度の死亡保障が欲しい」「お守り代わりに手頃な保険に入りたい」と、保険金額500万円の死亡保険を検討している人は多いでしょう。
気になる保険料ですが、加入時の年齢や性別、保険期間によって大きく異なります。
この記事では、具体的な月額保険料から、500万円という保障額があなたの目的に本当に合っているのかまで、保険のプロがわかりやすく解説します。
この記事を読んでわかること
掛け捨ての定期保険であれば、年齢によっては月々1000円以下で加入できる場合もある
一生涯保障の終身保険の場合、貯蓄性も兼ねているため保険料は割高になる
500万円の保険金額は死亡整理資金をまかなうには十分
目次
死亡保険500万円の月額保険料は数百円から
結論から言うと、加入年齢によっては月々1000円以下から備えることが可能です。
ただし、掛け捨ての定期保険で、かつ保険期間も比較的短く設定した場合に限られます。
年代別に、保険料の目安を見ていきましょう。
年代別|死亡保険500万円の保険料
※当記事に記載の保険料は、2025年10月時点における主要な保険会社数社の公開情報をもとに算出した、あくまで一般的な目安です。実際の保険料は、ご契約時の年齢、性別、健康状態、特約の有無などによって異なります。
【定期保険】
- 死亡保険金額500万円
- 保険期間10年
加入年齢25歳
男性:約566円
女性:約434円
加入年齢35歳
男性:約772円
女性:約635円
加入年齢45歳
男性:約1477円
女性:約1098円
女性は男性と比べて平均寿命が長いため、保険料は安くなる傾向にあります。
定期保険の場合、保険期間を10年にすればお手頃な保険料で保障を確保することができます。
ただし、保険期間満了後は更新が必要で、その都度保険料が上がる点には注意が必要です。また、更新できる年齢にも限度があるため、一生涯保障を継続することはできません。
【終身保険】
- 死亡保険金額500万円
- 65歳払済の場合(保障は一生涯、保険料の払込を65歳で終了する)
加入年齢25歳
男性:約8685円
女性:約8343円
加入年齢35歳
男性:約1万2158円
女性:約1万1680円
加入年齢45歳
男性:約1万9205円
女性:約1万8423円
定期保険と比較すると、毎月の保険料がかなり高くなっていることがわかります。
しかし、終身保険は一生涯保障が続くため、保険を継続している限り必ず保険金を家族にのこすことができるメリットがあります。
また、終身保険は掛け捨てではないため、解約時は解約返戻金を受け取ることができます。
そのため、定期保険よりも毎月の保険料負担は高くなる傾向にあります。
上記のプランでは65歳で支払いを終える設定になっているため、老後は保険料を支払わず保障を継続することができます。
注意点として、終身保険の保険料は保険会社の予定利率によって大きく異なる点が挙げられます。
上記はあくまでも複数の保険会社の公開情報をもとに算出した、概算額です。
終身保険は定期保険と比べて、保険会社ごとの保険料差が大きくなる傾向にあるため、複数の商品で見積もりを取るようにしましょう。
あなたの年齢で死亡保険の保険料はいくら?
死亡保険の種類
死亡保険にはいくつかの種類がありますが、大きく分けると次の3つになります。
- 定期保険:一定期間のみの保障。掛け捨て型。
- 終身保険:一生涯の保障。解約時には解約返戻金を受け取ることができる。
- 養老保険:一定期間のみの保障。満期時には満期保険金を受け取ることができる。
定期保険はあらかじめ保険期間を定めた死亡保険です。解約時や満期時に受け取れるお金がない、掛け捨て型が一般的です。
終身保険や養老保険は貯蓄性も兼ね備えた保険です。定期保険と比べて保険料は割高になりますが、終身保険の場合は一生涯保障が続くメリットもあります。
保険料を抑えたい人は定期保険
毎月の保険料を抑えられるのは、掛け捨て型の定期保険です。
保険期間を短くするほど保険料は安くなりますが、更新時には保険料が上がるため注意が必要です。
定期保険は、保険期間が限られており、かつ掛け捨てであるため保険料が割安になる傾向にあります。
保険期間中に亡くなる人は少数であるため、保険会社としても保険金を支払うリスクが低いことが理由に挙げられます。
加入時の年齢や保険期間によっても異なりますが、30歳で500万円の死亡保険であれば月払保険料600円~700円※で検討も可能です。
保険期間を60歳など長めに設定した場合でも、月払保険料1000円前後で加入できるものもあります。
「一定期間のみで良いので、とにかく保険料を抑えて保障を持ちたい」という人には定期保険が適しています。
※2025年10月22日時点
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一生涯の死亡保障を持ちたい人は終身保険
終身保険は死亡保障が一生涯続き、かつ掛け捨て型ではないため、定期保険と比べて保険料は割高になります。
また、保険会社が運用する利率には違いがあるため、各社ごとの保険料の違いも大きくなる傾向にあります。
加入年齢が若いほど、総額で支払う保険料よりも大きな死亡保障を確保できるため、一生涯の保障を持ちたい人には終身保険がおすすめです。
また、掛け捨て型の保険に抵抗がある人や、将来解約して解約返戻金を受け取る可能性がある人にも適しています。
例えば30歳で加入した場合、65歳払済のプランでも1万円~1万3000円程度で加入を検討できます。
毎月の貯蓄を兼ねていると思えば、支払える範囲と感じる人もいるかもしれません。
また、65歳以降は保険料を支払わなくて良くなるため、老後への負担もなくなるメリットがあります。
一方、加入時の年齢が高くなるにつれて毎月の保険料や支払う総額も大きくなってしまうため、終身保険のメリットを感じにくくなります。
終身保険を検討する際は、毎月の保険料や総払込額と保険金額のバランスが取れているかを確認することが大切です。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2025年10月1日―2025年10月31日))
死亡保険で「500万円」が選ばれる2つの理由
そもそも死亡保険は500万円で足りる?と疑問に思っている人もいるかもしれません。
結論から言うと、死亡保険500万円は最低限の備えとして合理的な金額です。
理由①葬儀費用やお墓代など万が一の整理資金を十分にまかなえる
500万円の死亡保険金額は、葬儀費用やお墓代など、万が一の際に必要な資金をまかなうのに十分な金額です。
2024年の株式会社鎌倉新書による調査では、葬儀費用の平均は一般葬で161.3万円、家族葬で105.7万円となっています。
その他、墓石費用や墓地代、遺品整理などにかかる費用を含めても、500万円あれば最低限の必要資金を十分まかなうことができます。
遺族の生活保障としての大きな死亡保険は必要ないけど、最低限葬儀などにかかる費用を保険でのこしたいと考える人は、500万円の死亡保障で十分といえるでしょう。
(参考:【第6回】お葬式に関する全国調査(2024年)|株式会社鎌倉新書)
理由②相続税の「非課税枠」を有効活用できる
生命保険の死亡保険金は、相続税法上、一定額までが非課税となる優遇措置が設けられています。
非課税限度額は「500万円✕法定相続人の数」です。
法定相続人とは、民法で定められた遺産を相続する権利がある人のことです。
例えば、配偶者と子ども2人が法定相続人となる場合、非課税枠は「500万円 × 3人 = 1500万円」となります。
もし法定相続人が配偶者1人のみであれば、非課税枠は500万円です。
500万円という金額は、相続税の非課税枠を考慮したときにもひとつの基準となります。
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保険料を抑えたいなら!掛け捨ての定期保険がおすすめ
毎月の保険料を抑えることを最優先に考えるなら、掛け捨て型の定期保険がおすすめです。
定期保険は保険期間が一定期間に限定されており、解約返戻金もないため、保険料は比較的割安です。
ただし、更新の度に保険料が上がり、最終的には更新限度年齢を迎え保障が無くなる点には注意しましょう。
更新限度は80歳~85歳に定められていることが一般的です。
近年日本人の平均寿命は長くなっており、85歳以降も死亡保障を準備しておきたいと考える人も少なくありません。
今現在の保険料を抑えることも大切ですが、将来保障がどうなるか、いつまで保障があれば安心か、事前に考えておくようにしましょう。
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定期保険で長生きのリスクに備えるには?
定期保険は、保険期間満了時もしくは更新限度年齢に達した時点で保障が終了します。
そのため、一生涯の死亡保障を確保することはできません。
「保険料は抑えたいけど、できるだけ長く保障を持ちたい」人は、定期保険の保険期間をあらかじめできるだけ長く設定しておくと良いでしょう。
中には、90歳や99歳まで保険期間を設定できるものもあります。
また、医療保険に死亡保障の特約(終身特約)を付加したプランもおすすめです。
終身保険を別途契約するよりも、保険料を抑えて一生涯の死亡保障を準備できる可能性があります。
ただし、医療保険に死亡保障を付加する場合、保険金額の限度が設けられているため、500万円の保障は付加できない可能性があります。概ね、100万円~300万円の保障が限度となることが多いようです。

Q1
性別をお伺いします
葬儀費用に備えるなら!一生涯保障の終身保険がおすすめ
将来必ず必要となる葬儀費用のように、いつ発生するかわからない支出に備えるには、保障が一生涯続く終身保険が適しています。
終身保険は解約しない限り保障が続くため、確実に家族へ死亡保険金をのこすことができます。
また、保険料が加入時から変わらないため、長期的な資金計画を立てやすいのもメリットといえるでしょう。
ただし、保険料は定期保険と比べて割高になります。
加入時の年齢が若ければトータルで支払う保険料は保険金額よりも少なくて済むため、保険のメリットを感じるでしょう。
一方、加入時の年齢が高いと場合によっては加入後十数年で総払込保険料が死亡保険金額を超えてしまうこともあります。
毎月の支払いや総払込保険料を把握したうえで、保障とバランスが取れているかを確認しておくことが大切です。
貯蓄目的の場合は解約後の死亡保障に注意
終身保険は貯蓄性があるため、老後資金や教育資金の準備として活用することも可能です。
しかし、貯蓄目的で加入する際には、早期解約時の元本割れリスクと、解約後の死亡保障の準備に注意が必要です。
終身保険はほとんどの場合、早期で解約すると元本割れする恐れがあります。
貯蓄目的で終身保険を検討する人は、長期の資産形成であると意識しておくことが大切です。
また、解約して解約返戻金を受け取る場合、契約はその時点で終了します。
死亡保障が必要な場合、終身保険解約後の保障をどのように準備しておくか考えておかなければなりません。
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参考)保険と投資の違い
保険と投資は、どちらも将来のためにお金を準備する手段ですが、目的と性質は根本的に異なります。
保険の最も重要な目的は「保障」です。
終身保険のように貯蓄機能を備えた商品もありますが、それはあくまで二次的な機能です。
予期せぬ出来事で発生する経済的負担をカバーすることが、保険の最も大切な役割といえます。
終身保険などの貯蓄性がある保険でも、支払った保険料の一部は「保険関係費用」として差し引かれ、残りの金額が運用に回されます。
一方、投資の目的は「利益を出すこと」です。
株式や投資信託などを利用して、支払った資金(元本)を増やすことを目指します。
そのため、将来的にはより大きな資産形成効果が期待できますが、加入した直後に亡くなってしまったとしても、それまで支払ったお金しか戻ってきません。
時期によっては、運用がうまくいっておらず元本割れしていた、といった事態も起こり得ます。
保険の場合、加入してすぐに万が一のことがあっても遺族に保険金をのこすことができます。
どちらが良いというわけではなく、目的に応じて保険と投資を使い分けることが大切です。
【ケース別】死亡保険500万円がおすすめの人
500万円の死亡保険が適しているかどうかは、ライフステージや家族構成によって異なります。
ここからは、どんな人に死亡保険500万円がおすすめか、詳しく解説します。
夫婦二人暮らしで、配偶者に死亡整理資金をのこしたい人
子どもがいない夫婦の場合、のこされた配偶者の生活費や葬儀費用などを目的として死亡保険に加入するケースが一般的です。
特に共働きで、それぞれに安定した収入がある場合は、高額な死亡保障は必要ないことが多いでしょう。
500万円の死亡保険があれば、葬儀費用など当面の資金をまかない、配偶者が生活を立て直すことができます。
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子どもが独立し、大きな保障は不要になった人
子育て期間中は、万が一の際の教育費や生活費を確保するために手厚い死亡保障が必要ですが、子どもが独立するとその必要性は低くなります。
2024年の調査によると、末子が就学を終了した世帯の平均死亡保険金額は約1000万円、60歳以上の無職高齢夫婦世帯では約550万円となっており、多くの人がこのタイミングで保障額を見直していることが見て取れます。
これまで加入していた死亡保険を見直し、保険金額を減額することで、毎月の保険料負担も抑えることができます。
(参考:2024(令和6)年度 生命保険に関する全国実態調査|生命保険文化センター)
相続対策の第一歩として保険を活用したい人
生命保険の死亡保険金は、相続対策としても有効です。
現金や不動産などの遺産は、相続人全員による遺産分割協議を経て分割されますが、死亡保険金は受取人固有の財産とみなされるためスムーズにお金をのこすことができます。
死亡保険金には「500万円 × 法定相続人の数」の非課税枠が設けられています。
一定の資産を保有している人は、非課税枠を利用し死亡保険で相続対策をしておきましょう。
独身で、両親などに金銭的な負担をかけたくない人
独身の場合は扶養している家族がいないため、高額な死亡保障の必要性は低くなります。
万が一のとき、両親や兄弟に最低限の必要資金をのこしたい人は、200~500万円程度の死亡保険に加入しておくと安心です。
保険加入後は、死亡保険金受取人に契約内容や保険証券の保管場所を伝えておきましょう。
もしものときにスムーズに保険金請求をしてもらえるよう、健康なうちに準備しておくことが大切です。
最適な保険選びは、将来の安心に繋がります。
あなたに必要な保障を『ほけん必要度診断』で診断してみましょう。
まとめ
今回は、死亡保険500万円の月額保険料や、保険選びのポイントについて詳しく解説してきました。
加入時の年齢や保険の種類によって、毎月の保険料は大きく異なります。
掛け捨ての定期保険であれば月々数百円から1000円台で検討することも可能です。
終身保険の場合は貯蓄性も兼ねているため、年齢によっては1万円以上の保険料になる可能性もありますが、一生涯の保障を確保したい人には選択肢のひとつになるでしょう。
ほけんのコスパでは、定期保険と終身保険の保険料をそれぞれ一括で比較することが可能です。
年齢と性別を入力するだけで簡単に見積もりができるので、保険選びに悩んでいる人はぜひ参考にしてください。
あなたの年齢で死亡保険の保険料はいくら?





































