「30代だけど保険の見直しは必要?」「見直しにデメリットはある?」と気になっている人もいるのではないでしょうか。
30代は結婚や出産など、ライフステージが変化しやすい年代です。
ライフステージが変わると保険で備えておくべき保障も変化するため、それまで加入していた保険では不十分なケースもあります。
今回は、30代で保険を見直すときの注意点や、見直しのデメリットについてご紹介します。
後悔しない保険選びのために、ぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
30代はライフステージが変化しやすい年代。それに合わせて保険の見直しも必要になる
30代の約8割以上が何らかの生命保険に加入している
家族構成や住宅ローンの契約有無、経済状況に合わせて保険の見直しをしましょう
目次
30代で生命保険の見直しをするべき3つの理由
保険は加入してからも定期的な点検が必要です。
まずは、30代で生命保険を見直すべき理由について見ていきましょう。
ライフステージが変わる年代
30代は結婚や出産、住宅購入、転職などのライフイベントが多い年代です。
ライフステージが変化すると、家庭の経済状況や保障のニーズも大きく変わり、生命保険見直しの必要性が高くなります。
特に子どもが誕生すると、万が一のための死亡保障や教育費の準備などが必要になるため、これまで加入していた保険では不十分な可能性があります。
また、住宅ローンを組む場合、団信(団体信用生命保険)の保障内容を加味して生命保険を検討することが大切です。
団信でカバーしきれないリスクや、反対に団信と保障が重複する部分に関しては、保険の見直しが必要になるでしょう。
ライフステージの変化に伴って、自分と家族の状況に合った保険に見直すことが大切です。
生命保険は早く加入するメリットが大きい
生命保険は基本的に、加入時の年齢によって保険料が決まります。
若く健康なうちに加入することで、月々の保険料が抑えられるメリットがあります。
例えば、30代で生命保険に加入すると、40代や50代になってから新たに加入する場合よりも、月々の保険料を安く抑えることができる可能性があります。
一般的に、早く加入しておいた方が累計での保険料負担額も抑えられる傾向にあります。
特に貯蓄が少ない人は保険の必要性が高くなるため、経済的に不安がある場合は早めに保険で備えておくことが大切です。
年齢が上がると健康に不安を抱える人も増え、生命保険への加入自体が難しくなることもあります。
健康なうちに、自分に合った保険へ見直しを行うことがおすすめです。
最新の保障を取り入れられる
生命保険の商品内容は、医療技術の進歩に合わせて年々進化を遂げています。
近年では、公的医療保険制度対象の治療だけでなく、自由診療や患者申出療養などの全額自己負担が必要になる治療を受けた場合に給付金が支払われる商品もあります。
また、古い医療保険では「入院5日目から保障」などの条件がついていることもありますが、最新の医療保険では「日帰り入院から保障」されることが一般的です。
加入中の保険が古い保障内容のままになっている場合、見直しを行うことで最新の保障内容を取り入れることが可能です。また、重複している保障を整理することで、保険料を抑えられるケースもあります。
30代の場合、健康状態にも問題なく保険の見直しに制限がかからない人も多いでしょう。
将来のリスクに備えるため、若いうちに最新の保障内容にアップデートしておくのがおすすめです。
あなたの年齢で医療保険の保険料はいくら?

30代の生命保険の加入率
30代はライフステージの変化が多い年代であり、それに伴って生命保険の加入率が高いことが特徴です。
生命保険文化センターの調査によると、30代前半の生命保険加入率は80.3%、30代後半では88.3%となっています。
30代の8割以上の人が、何らかの生命保険に加入していることになります。
では、保険種類ごとの加入率を見ていきましょう。
30代の医療保険の加入率
30代で医療保障を生命保険で準備している人の割合は、男性で68.4%、女性で72.4%となっています。
医療保険とは、病気やケガで入院した際の医療費負担を軽減するためのものです。
30代では入院のリスクをあまり感じない人も多いかもしれませんが、実際には7割前後の人が医療保険に加入しています。
特に女性は30代以降に女性疾病や女性特有のがんのリスクが高まるため、男性と比較しても高い加入率となっていることが考えられます。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2025年5月1日-2025年5月31日)
30代のがん保険の加入率
30代のがん保険・がん特約の加入率は、男性で42.9%、女性で46.4%となっています。
がん保険に加入率が最も高いのは男女ともに40代です。
がんは年齢が上がるにつれて罹患率が高まる病気です。そのため、30代のうちから加入する必要性を感じない人もいるでしょう。
しかし、がん保険は罹患リスクが高まる年齢になると毎月の保険料も高くなる傾向にあります。
また女性は30代以降乳がんや子宮がんなどの罹患リスクが高まるとされているため、注意が必要です。いつかがん保険に入りたいと考えているのであれば、若くて健康なうちに備えておくことをおすすめします。
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30代の特定疾病保険の加入率
特定疾病保障保険とは、がん・心疾患・脳血管疾患などの生活習慣病に備える保険を指します。
30代の特定疾病保障保険の加入率は、男性で38.9%、女性で36.6%です。
30代で生活習慣病のリスクを感じている人は少ないかもしれませんが、将来のリスクに備えて若いうちから保険に加入しておく人も一定数います。
特に、家族や親戚で三大疾病などの大きな病気に罹患した人がいると、不安を感じるかもしれません。
検査で異常を指摘されてからでは加入できないケースもあるので、心配な人は早めに検討を進めておくのがよいでしょう。
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30代の就業不能保険の加入率
就業不能保険は、病気やケガで一定期間働けなくなってしまったときのために備える保険です。
30代の加入率は、男性で11.3%、女性で6%とその他の保険と比較すると加入率はまだまだ低い状況です。
理由として、就業不能保険はまだ歴史が浅く商品としての知名度が低いことが挙げられます。
30代は働きざかりの年代であり、万が一働けなくなった場合の生活費を補うために就業不能保険は重要な保障です。
特に住宅ローンを抱えている場合、働けなくなることで収入が減少し、ローン返済に影響が出るリスクもあります。
家族構成や経済状況によっては、就業不能保険の必要性が高いケースもあるため注意が必要です。
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30代の介護保険の加入率
30代で介護保険に加入している人の割合は、男性で12%、女性で9.6%となっています。
医療保険やがん保険と比較すると加入率は低いですが、若いうちから介護への備えに関心を持っている人が一定数いることがわかります。
高齢化が進む現在、健康寿命の問題にも注目が集まっています。介護費用のために若いうちから資産形成しておくことも大切です。なかなか自分で貯蓄するのが難しい人は、民間の介護保険を利用するのもひとつの選択肢でしょう。
30代は生命保険料を毎月いくら払っている
30代はライフステージの変化が多く、生命保険の加入や見直しを考えるタイミングといえます。
それでは、実際に30代が毎月どれくらい生命保険料を支払っているのかを確認してみましょう。
生命保険文化センターのデータによると、30代の平均払込保険料は、男性が1カ月あたり1万6583円、女性が1カ月あたり1万1666円という結果が出ており、男女間で約5000円の開きがあります。
男性は女性と比較すると年収が高い傾向にあり、一家の大黒柱として家計を支えている人も多いかもしれません。
そのため、万が一の保障の必要性も高く、結果として毎月の保険料額が女性と比較し高くなっていることが考えられます。
30代は結婚や住宅購入、子どもの誕生など、家族構成や収支が大きく変化しやすい時期です。そのため、支払過多にならないよう、収入に合わせた無理のない保険の選択や見直しをすることが大切です。
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30代の生命保険の見直し方【ライフステージ別】
保険の見直しはライフステージに合わせて行う必要があります。
ここからは、ライフステージ別に30代が生命保険を見直すときのポイントをお伝えします。
結婚
結婚は人生の大きな転機といえます。このタイミングで生命保険の見直しを検討することはとても大切です。
独身時代は比較的必要性が低かった死亡保障も、結婚後はパートナーのためにある程度用意しておく必要性が出てくるでしょう。
医療保障やがん保障も、加入中の内容で十分か再度検討しておくことをおすすめします。
まずはパートナーと話し合い、お互いの保険の内容で過不足が無いかを確認するようにしましょう。
共働きの場合でも、どちらかが病気やケガで働けなくなると医療費負担に加え収入が減少することで家計に大きな影響を与えるリスクがあります。
夫婦ともに、予期しない事態に直面した際の生活費をカバーできる保険を検討する必要があるでしょう。
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子どもの誕生
子どもが誕生すると、両親に万が一のことがあったときの死亡保障の必要性が高くなります。
加えて、将来必要になる教育費も計画的に準備していかなければなりません。
教育費や生活費など、将来的にかかるコストを見据えた上で、生命保険の保障額や保障内容を見直す必要があるでしょう。
特に、一家の大黒柱が亡くなったり、働けない状態になったりした場合でも、子どもが不自由なく成長できるよう備えておくことが重要です。
また、病気やケガで医療費が必要になり、子どもの貯蓄を崩すような事態は避けたいものです。医療保険やがん保険の保障内容が十分か、子どもの誕生を機に確認しておくようにしましょう。
住宅購入
30代で憧れのマイホームを購入する人もいるでしょう。
住宅ローンを組むときには併せて団信(団体信用生命保険)に加入することが一般的です。
ローン契約者に万が一のことがあった場合、のこされた家族は住居費用の負担なくそのまま住み続けることができます。
そのため、生命保険で用意する死亡保障は、「のこされた家族の生活費」と「子どもの教育費」をまかなえる金額に設定しておけば安心です。
死亡保障額が適正かどうか、再度確認しましょう。
また、団信の種類によっては、がんや生活習慣病が保障対象となっているものもあります。
加入中の保険の保障内容を削減し、保険料を節約できないか検討してみるのも良いでしょう。
ただし、団信ではローンが免除になりますが、病気の治療にかかる医療費は自分で負担する必要があります。
十分に貯蓄がないなど経済的に不安がある人は、医療保険やがん保険の保障内容も手厚くしておくことをおすすめします。
また、ローンを組んだ時に必要性が高まるのが「就業不能への備え」です。
一般的な団信では、死亡や高度障害が保障対象となりますが、病気やケガで一定期間仕事を休むような状況であれば保障されない可能性があります。
働けないことで収入が減少してもローンの支払は免除されないため、家計のバランスが崩れるリスクがあります。
不測の事態に備えられるよう、加入している保険の内容を見直ししましょう。
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30代が特に見直すべき生命保険の種類とポイント
ここからは、保険種類別に見直す際のポイントをお伝えします。
30代で保険の見直しを検討している人はぜひ参考にしてください。
死亡保険
死亡保険の必要性は、家族構成や住宅ローンの加入状況によって異なります。
小さい子どもがいる場合、子どもが独立するまでは比較的大きな死亡保障が必要になります。
ただし、団信に加入していれば万が一のときにのこされた家族は住居費を負担せずに済みます。
死亡保障額を削減できる場合もあるため、一度見直ししてみると良いでしょう。
独身の人や夫婦2人世帯の場合、大きな死亡保障の必要性は低くなります。
万が一のときの葬儀費用がまかなえる程度の死亡保障を用意しておくと安心です。
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医療保険
病気やケガのリスクは誰もが抱えているものです。自分がいつ入院することになるかはわかりません。
不測の事態に対応できるよう、医療保険の保障内容が十分か確認しておきましょう。
生命保険文化センターの調査によると、入院1日あたりの自己負担額は平均2万700円です。
入院が長引くとその分負担額も大きくなるため、注意が必要です。
特に子どもがいる家庭では、子どもの将来のための貯蓄を取り崩すことがないように気を付けましょう。
一方、十分な貯蓄があり医療費の負担が発生しても家計に影響がない人は、医療保険の必要性は低いといえるでしょう。
ただし、先進医療等の公的医療保険が適用されない治療を希望する場合は、保険で備えておくことを検討しましょう。
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がん保険
年齢を重ねるにつれて、がんの罹患リスクは高まります。
健康なうちにがんへの備えを検討しておくようにしましょう。
近年、がん治療は通院がメインとなり入院日数は短期化の傾向にあります。
古くから加入しているがん保険の場合、通院治療が保障対象外となっているケースもあります。
自分が加入しているがん保険の保障内容が、現在の治療方針に合っているかどうか確認しておきましょう。
最新のがん保険であれば、通院治療はもちろん、公的医療保険が適用されない自由診療の保障を用意できるものもあります。
がんと診断されたときに一時金を受け取れるタイプのがん保険であれば、治療方法や長さに関係なくまとまったお金を受け取れるため便利です。
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就業不能保険
就業不能保険とは、病気やケガで働けなくなった場合の生活費を補う保険です。
30代は働き盛りの年代であり、住宅ローンや子どもの教育費といった経済負担が増える時期でもあります。
そのため、万が一の際に収入源が断たれた場合の保険を見直すことが必要です。
特に共働きではない家庭では、収入の減少が家計に直接的な影響を与える可能性があります。
また、家事を担っている側にもしものことがあると、1人で働きながら家事をこなす必要があり、負担が大きくなります。
夫婦それぞれの就業不能への備えを検討しておくと、もしものときも安心です。
また、自営業やフリーランスで働いている場合、傷病手当金などの公的保障が受け取れないため、働けなくなったときに収入が途絶えてしまうリスクがあります。
働けなくなるリスクに備えていない人は、いま一度必要性を検討するようにしてください。
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生命保険の見直しにデメリットはある?見直す際の3つの注意点
生命保険を見直すときには、注意しておくべきポイントがいくつかあります。
将来後悔しないためにも、保険見直しのデメリットや注意点について知っておきましょう。
定期型の保険では更新のたびに保険料が上がる
定期型の生命保険は、一定の保障期間を迎えると「更新」が必要になり、その際に保険料が高くなることが一般的です。
特に、年齢が高くなると更新時の保険料の上がり幅も大きくなる傾向にあり、将来的に保険の継続が難しくなる可能性もあります。
一方、一定期間の保障を比較的お手頃な保険料で準備できるというメリットもあります。
医療保障やがん保障など、年齢を重ねて必要性が高まるものに関しては、一生涯保険料が変わらない終身タイプで備えておくのがおすすめです。
子どもが小さい間の死亡保障など、一定期間のみ必要な保障に関しては定期型の保険で備えておくのが効率的といえるでしょう。
保険を見直すときは、保険期間が目的と合致しているかを確認するようにしましょう。
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生命保険に加入できない可能性がある
生命保険を見直して新しい保険に加入する場合、健康状態に関する告知が必要になります。
健康診断結果や持病の状況によっては、新しい保険に加入できないケースもあります。
そのため、保険を見直すときは新しい保険の審査結果がわかるまで、加入中の保険を解約しないようにしましょう。
万が一新しい保険に加入できなかった場合は、他の保険会社で再度検討する必要があります。
その間に無保険の状態にならないよう、加入中の保険の解約タイミングには注意しましょう。
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Q.持病があっても生命保険に加入できる?
A.持病の種類や治療状況、また保険会社によっても異なります。通常の保険への加入が難しい場合、引受基準緩和型の保険を検討しましょう。
持病があるからといって必ずしも保険に加入できないわけではなく、持病の種類や治療状況によっては問題なく加入できるケースもあります。
また、保険会社によって診査基準は異なるため、「A社では加入を断られたがB社では加入できた」ということもあり得ます。
通常の保険への加入が難しかった場合は、引受基準緩和型の保険を検討するのがおすすめです。
通常の保険と比べ告知事項が緩和されており、持病があっても入りやすい保険です。
ただし、加入しやすい分保険料も割高に設定されているため、保障内容と保険料のバランスを確認して比較することが大切です。
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保障内容が重複する可能性がある
複数の保険契約を見直しした場合、保障内容が重複してしまう可能性があるため注意が必要です。
例えば、医療保険は入院保障が基本ですが、がん保険に入院保障を付加した場合、がんで入院した際には医療保険とがん保険の両方から入院給付金が支払われます。
もちろん、どちらも受け取れるのは良いかもしれませんが、その分毎月の保険料も多く支払っていることになります。
また、医療保険とがん保険の両方に「先進医療特約」を付加すると保障が重複することになります。
がん保険は、医療保険で保障されていない通院治療や一時金保障を重視すると良いでしょう。
同様の保障内容でも保険会社によって保険料が異なる
保険会社によって、同じような保障内容であっても保険料が異なる場合があります。
特に、30代は出産や住宅購入といったライフイベントが多く、固定費になる保険料はできるだけ抑えたいと考える人が多いでしょう。
手続きの手間を惜しむことなく、複数社のプランを比較しておくことをおすすめします。
場合によっては、医療保険とがん保険はA社、死亡保険はB社、といったように保険料が抑えられる保険商品同士を組み合わせることによって、より負担額が少なくなることもあります。
あなたの年齢で医療保険の保険料はいくら?

まとめ
30代は人生で最もライフステージが変化しやすい時期であり、生命保険の見直しを行う絶好のタイミングです。結婚や子どもの誕生、住宅の購入など、大きなライフイベントに伴い、必要な保障内容は変化します。
保険に加入したあとも定期的な見直しを行い、その都度自分にあった保障を用意するように心がけましょう。
ほけんのコスパでは、簡単な質問に答えるだけで自分に必要な保険が診断できる「ほけん必要度診断」をおすすめしています。
保険の見直しの進め方に迷っている人や、どんな保険が必要かわからない人はぜひ活用してみてはいかがでしょうか。