「突発性難聴で入院を勧められたけど、費用はいくらかかる?」「医療保険で給付金はもらえる?」
突然の診断に不安を抱えていませんか。
突発性難聴の治療は時間との勝負です。
経済的な理由で治療を躊躇することがないよう、早い段階で不安を解消しておくことが大切です。
本記事では、突発性難聴の入院で利用できる公的制度や民間保険の給付金について詳しく解説します。
この記事を読んでわかること
突発性難聴での入院は民間の医療保険や共済の保障対象になる可能性が高い
入院費用の目安は10~20万円程度。高額療養費制度でさらに自己負担を抑えられるケースもある
突発性難聴の治療では絶対安静が最も大切
目次
3-1.民間の医療保険の場合
3-2.県民共済の場合
3-3.民間の通院給付金は支払われる?
4-1.傷病手当金の対象者と支給条件
4-2.もらえる金額の目安(計算方法)
5-2.障害手当金(一時金)とは
5-3.補助金・助成金
6-1.部位不担保条件が付く可能性が高い
6-2.直近に入院歴がある場合は要注意
8.まとめ
突発性難聴で「入院」が必要な理由と基準
突発性難聴の治療では、集中的な薬物治療を行うために入院が必要となる場合があります。
まずは、入院が必要なケースや入院日数の目安について解説します。
「そもそも入院しないといけない?」「他の治療法はない?」と疑問に思っている人は、参考にしてください。
突発性難聴で入院が必要になる理由と入院日数の目安
突発性難聴は、発症から48時間~遅くとも1週間以内の早期治療がカギとされています。
少なくとも発症から2週間以内の受診が必要で、それ以上経過してからでは症状が固定されてしまう可能性が高くなります。
また、1週間以内に治療を開始したとしても、完治する確率は約40%とされており、残念ながら100%回復する治療法は現時点で確立されていません。
突発性難聴で入院が勧められる理由は、治療効果を高めるために心身の安静を確保し、ステロイド薬の点滴といった集中的な治療を24時間体制で行うためです。
聴力は一度失うともとに戻らないため、発症から早い段階で集中的に治療をすることが大切になります。
入院期間の目安は、症状の程度や治療の経過によって異なりますが、一般的には1週間から2週間程度です。
医師から入院を勧められた場合は、早期回復に向けてできるだけ前向きに検討しましょう。
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入院しなくていいケースは?
突発性難聴と診断されたすべての人に入院が必要なわけではありません。
聴力低下の度合いが比較的軽い場合や、自宅で安静にしながらステロイドの内服薬や点滴による通院治療が可能な場合は、入院が必要ないこともあります。
仕事や家庭の事情で入院が難しい場合、通院治療が選択肢になることも考えられます。
最終的には医師が症状や患者の状況を総合的に判断するため、自身の状況を伝えたうえで最適な治療方針を相談することが大切です。
「入院したい」と希望できる?
「自宅では小さな子どもがいて安静にできない」など、患者側の事情で入院を希望したい場合もあるかもしれません。
医師に現状と希望を伝えることは大切ですが、最終的には症状の重さや治療計画に基づき医学的な必要性から判断されます。
まずは入院を希望する理由について、家庭環境や職場の状況などを含め具体的に医師に相談しましょう。
症状によっては入院許可が出るケースもありますが、医学的な入院の必要性が低いと判断された場合は、希望が通らない可能性もあることを理解しておく必要があります。
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入院費用の目安と自己負担を減らす工夫
突発性難聴の入院費用は、治療内容や入院期間によって変動します。
ここからは、費用の目安と、公的制度である「高額療養費制度」を活用して自己負担を抑える方法について解説します。
突発性難聴の入院費用
入院時にかかる費用は、主に公的医療保険が適用される医療費(入院基本料、治療費、検査費など)と、保険適用外の費用(差額ベッド代、食事代など)の2つからなります。
1~2週間程度の入院であれば、3割負担で約10~20万円前後が目安です。
治療費は症状の程度や入院日数によって多少変動があります。
加えて、個室療養を希望した場合は差額ベッド代と、毎日の食事代(1食当たり510円)が別途必要になるため注意が必要です。
保険適用の医療費に関しては、後述する「高額療養費制度」を利用することで、実際の自己負担額をさらに抑えることが可能です。
詳しく見ていきましょう。
高額療養費制度を利用して自己負担を軽減
高額療養費制度とは、1カ月にかかった医療費の自己負担額が年齢や所得に応じた上限額を超えた場合に、その超えた金額が払い戻される制度です。
3割負担とはいえ、突発性難聴の入院には十数万円以上の費用が必要です。
高額療養費制度を利用すれば、3割負担の額からさらに自己負担を抑えることができる可能性があります。
注意点として、自己負担上限額は月単位で計算されるため、入院が月をまたぐと自己負担額が増える点が挙げられます。
例えば、4月と5月にまたがって入院すると、それぞれの月で自己負担限度額が計算されるため、1カ月にまとめた場合より支払額が多くなることがあります。
実際にこの「月またぎ」で数万円損をしたという体験談もあり、入院日が月末に近い場合は注意が必要です。
また、差額ベッド代や食事代など、公的医療保険が適用されない費用に関しては別途負担が必要になります。
実際の自己負担の合計は、高額療養費の自己負担上限よりも多くなることが多いため、余裕をもって予算を確保しておくことが大切です。
参考)自己負担額の目安
現役世代の場合、1カ月の自己負担上限額は次のように定められています。
年収約370~約770万円の人であれば、1カ月の自己負担は約8~9万円前後になる計算です。
たとえ突発性難聴の入院で20万円ほどかかったとしても、差額は後から返還されることになります。
ただし、個室療養の際の差額ベッド代や食事代は別途必要になるため、注意しましょう。
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高額療養費制度の利用方法(限度額適用認定証・マイナ保険証)
高額療養費制度の利用方法には、「事前申請」と「事後申請」の2種類あります。
事前申請をするためには、加入している健康保険(協会けんぽ、組合健保など)に書類を提出し、「限度額適用認定証」の交付を受ける必要があります。
入院の予定が事前に決まっていれば対応できますが、突然入院が決まった場合は難しいでしょう。
事後申請の場合、いったんは3割負担分の医療費を医療機関の窓口で立て替える必要があります。
申請は退院後に自宅に送付される書類を使って行いますが、実際にお金が振り込まれるまでには数カ月を要します。
そのため、突発性難聴で突然入院が必要になった場合には、マイナ保険証による受診がおすすめです。
マイナンバーカードを保険証として利用登録していれば、限度額適用認定証がなくても、医療機関窓口での支払いを自己負担限度額までに抑えることができます。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年3月1日―2026年3月31日)
民間の医療保険や共済から給付金はもらえる?
民間の医療保険や県民共済に加入している場合、突発性難聴による入院で給付金を受け取れる可能性があります。
ここからは、医療保険で給付金を受け取るための条件や請求手続きについて解説します。
民間の医療保険の場合
民間の医療保険に加入している場合、契約内容に応じて給付金が支払われます。
医療保険で支払われる可能性がある給付金
- 入院日額給付金:入院1日ごとに支払われる。日帰り入院から対象となる商品も多い。
- 入院一時金:入院1回ごとに受け取れる一時金。
- 手術給付金:突発性難聴の治療で手術を行うことは稀だが、万が一受けた場合は対象になる可能性。
基本的には入院1日ごとに支払われる入院日額給付金がメインですが、新しい医療保険では入院1回に対してまとめて一時金が支払われるものもあります。
まずは、自身の保険証券や設計書を確認し、保障内容と保障額を正しく把握しておくことが大切です。
また、突発性難聴の治療で手術を行うことは稀ですが、症状が重く人工内耳が検討されるケースでは手術が必要になることもあります。
手術を受ければ医療保険の手術給付金が支払われる可能性があるため、請求漏れがないよう確認しておきましょう。
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県民共済の場合
県民共済の場合でも、突発性難聴での入院は保障対象になることが一般的です。
多くのプランで日帰り入院から保障され、契約しているコースに応じた入院共済金が支払われます。
保障額は加入している口数によって異なります。
まずは、共済のパンフレットや証券等で自身の契約内容を確認しておきましょう。
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Q. 民間の通院給付金は支払われる?
A. 特約が付加されている場合は通院も保障されますが、「入院後」や「入院前後」の通院であることが条件です。
通院特約の対象となる通院は、あくまでも「入院」を伴う通院に限られます。
そのため、突発性難聴で入院し、退院後も継続して治療のために通院した場合に給付金が支払われる可能性があります。
入院を伴わない通院のみの場合や、そもそも通院保障特約を付けていない場合は支払われません。

Q1
性別をお伺いします
診断書は必須?保険請求での費用を抑える方法
医療保険の給付金請求をする際には、通常医師の診断書が必要です。
しかし、診断書の取得には5000円前後の手数料がかかり、費用は自己負担しなければなりません。
近年、短期の入院であれば診断書を省略し、入院日や治療内容がわかる領収書や診療明細書のコピーで代用できる「簡易請求」を取り入れる保険会社が増えています。
給付金請求する際は、必ず保険会社のコールセンターに連絡し、必要書類と診断書の省略が可能かどうかを確認することをおすすめします。
仕事を休む時の強い味方「傷病手当金」
突発性難聴の治療で仕事を休む場合、収入減少を心配する人も多いでしょう。
会社員や公務員の場合、有給消化後は「傷病手当金」を受給できるため、収入が完全に途絶えることはありません。
詳しく見ていきましょう。
傷病手当金の対象者と支給条件
傷病手当金は、勤務先の健康保険に加入している被保険者本人が対象です。
そのため、自営業やフリーランスで国民健康保険に加入している人は原則対象外です。
傷病手当金の支給には、次の4つの条件をすべて満たす必要があります。
- 業務外の病気やケガによる療養であること
- 療養のために仕事に就けない状態であること
- 連続する3日間(待期期間)を含み、4日以上仕事を休んでいること
- 休んだ期間について、給与の支払いがないこと(有給休暇期間は対象外)
もらえる金額の目安(計算方法)
傷病手当金の1日当たりの支給額は、次のように計算されます。
【支給開始日以前の継続した12カ月間の各月の標準報酬月額を平均した額】÷ 30日 × (2/3)
簡単にいうと、おおよそ月給の3分の2程度が目安です。
例えば、標準報酬月額が30万円の人の場合、1日あたりの支給額は約6667円となります。
10日間休業すれば、6万6670円受け取れる計算です。
傷病手当金は休業時の強い味方ですが、給与の満額が保障されるわけではありません。
急な休養に備えて、ある程度現金預金を確保しておき、医療費に関しては医療保険の給付金でまかなえるようにしておくことが大切です。
退院後の自宅療養期間も対象になる?
傷病手当金は、入院期間だけでなく、医師が「労務不能」と判断した自宅療養期間も支給対象となります。
例えば、2週間入院し、その後医師の指示で1週間自宅で療養した場合、待期期間の3日間を除いた合計3週間分が支給の対象です。
申請書には医師が労務不能と認めた期間を記入する欄があるため、退院後の療養についても医師に相談し、証明してもらう必要があります。
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万が一、治らなかった時や後遺症への備え
残念ながら、突発性難聴は100%完治する病気ではありません。
治療を尽くしても聴力が回復しなかったり、耳鳴りなどの後遺症が残ることもあります。
ここからは、万が一の場合に利用できる公的制度を紹介します。
「病気が治らない」不安への向き合い方
聴力が戻らなかったり、後遺症が残ったりした場合、事実を受け止めるのに時間がかかるかもしれません。
耳鳴りやめまいなどの後遺症で、その後の生活に影響が出ることもあるでしょう。
大切なのは、一人で抱え込まないことです。
主治医やカウンセラー、家族など信頼できる人に相談したり、同じ悩みを持つ患者会などで情報を交換したりすることが支えになります。
また、後遺症に対してはTRT(耳鳴り再訓練療法)などの付き合い方もあります。
不安なことはまず主治医に話してみて、解決策がないかを考えてみましょう。
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障害手当金(一時金)とは
聴力が一定のレベルまで回復しなかった場合、公的年金制度から「障害手当金」を受け取れる可能性があります。
障害手当金は、厚生年金加入者が対象になる制度です。
厚生年金に加入中に初診日がある病気やケガが原因で、障害等級3級に満たない程度の障害が残った場合に支給されます。
聴力障害の場合、「一耳の聴力が、耳殻に接しなければ大声による話を解することができない程度(80デシベル以上)になったもの」といった基準があります。症状が固定したら、年金事務所に相談してみましょう。
(参考:障害年金ガイド|日本年金機構)
補助金・助成金
一定以上の聴力障害が残った場合、身体障害者手帳の交付対象となり、補聴器購入費用の補助などを利用できる場合があります。
ただし、身体障害者手帳(聴覚障害)の認定基準は原則として「両耳」の聴力が低下していることです。
突発性難聴は片耳に発症することが多いため、発症した耳の聴力を完全に失ったとしても、もう片方の健康な耳が正常に聞こえていれば手帳の対象とはなりません。
もともと反対の耳にも難聴がある場合など、対象になるかどうか不安な場合は、主治医やお住まいの市区町村の福祉担当窓口に相談してみましょう。
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突発性難聴になったら新しく保険には加入できない?
突発性難聴を経験した後に、新しく医療保険や生命保険への加入を検討する場合、審査に影響が出る可能性があります。
ここからは、保険加入時の注意点について解説します。
部位不担保条件が付く可能性が高い
過去に突発性難聴の罹患歴があると、「部位不担保」という特別条件が付く可能性が高くなります。
耳とその付属器官が一定期間保障から外れ、期間中に耳の病気で入院や手術を受けた場合は給付金を受け取れない条件が付いた契約です。
不担保期間が過ぎれば、耳の病気も含めてすべて保障対象となります。
突発性難聴は再発しないとされていますが、メニエール病など他の耳の疾患との関連も考慮され、耳に関する保障が制限されることが多くなっています。
加入自体は可能なケースが一般的ですが、特別条件が付くことを理解した上で申し込みましょう。
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直近に入院歴がある場合は要注意
保険加入時の告知では、過去数年以内の入院歴が問われます。
突発性難聴の発症から半年経過しておらず、入院歴がある場合、加入自体を断られるケースがあります。
保険会社によって判断基準は異なりますが、診断から間もない場合は注意が必要です。
保険加入を検討している場合は、退院後に症状が安定し、治療が完了してから申し込む方が審査に通りやすくなります。
持病がある方向けの「引受基準緩和型医療保険」であれば加入しやすいのでは?と考える人もいるかもしれませんが、緩和型保険でも過去1~2年以内の入院歴があると加入を断られることが一般的です。
診断から一定期間経過してから保険加入を検討するのが現実的でしょう。
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みんなが一番知りたかった「入院生活のQ&A」
突発性難聴での入院生活は、初めての経験で戸惑うことも多いかもしれません。
ここからは、入院生活に関するよくある質問にお答えします。
Q. 子どもが突発性難聴になった際、付き添い入院は必要?
A. 子どもが突発性難聴で入院する場合、病院の方針や年齢によっては、付き添い入院を求められる可能性があります。
子どもの精神的な安定を確保するためや、点滴中の見守り、身の回りのお世話などのために親の付き添いが必要になることがあります。
入院が決まった時点で、病院の看護師やソーシャルワーカーに付き添いのルールを詳しく確認しておきましょう。
あなたに必要な1日の入院給付金は?
入院日額シミュレーター
入院時の費用と想定の入院日数で算出できます
公的保障=高額療養費制度が適用される金額
公的保障の高額療養費制度を利用する場合の1カ月の医療費負担上限額は、年齢と年収によって算出することができます
あなたの年齢を教えてください
あなたの年収帯を教えてください
100万円の医療費がかかった場合
自己負担額
0円
※百円単位で四捨五入
Q. 入院中の応急処置や過ごし方は?
A. 入院中の治療は医師の管理下で行われるため、自己判断での応急処置は不要です。
入院生活で最も重要なのは絶対安静です。
ストレスや疲労を避け、心身ともにリラックスして過ごしましょう。
聴覚や視覚への過度な刺激を避けるため、スマートフォンやテレビの視聴が制限されることもあります。
医師や看護師の指示に従い、静かな環境で読書をするなど穏やかに過ごすことを意識しましょう。
Q. 「ステロイドパルス」って怖い?
A. 副作用を心配する人もいますが、治療は短期間で終了するため、長期使用でみられるような重い副作用が起こる可能性は低いとされています。
「ステロイドパルス療法」は、短期間に大量のステロイド薬を点滴する、突発性難聴の標準的な治療法です。
主な副作用としては、不眠、一時的な血糖値や血圧の上昇、血栓症、むくみなどが挙げられますが、多くは治療終了後に改善します。
不安な点や体調の変化があれば、遠慮なく医師や看護師に伝えましょう。
まとめ
突発性難聴での入院は、身体的、精神的、そして経済的にも大きな負担となります。
しかし、利用できる制度を正しく知っておくことで、経済的な負担を軽減できます。
まずは高額療養費制度の上限額を把握し、1カ月の医療費負担がどれくらいになるかを確認しておきましょう。
そのうえで、医療保険など民間の保険に加入している場合は給付金の支払対象になるか問い合わせておくと良いでしょう。
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