「過去にうつ病になったことがあるけれど、住宅ローンは組める?」「もし返済中にうつ病で働けなくなったらどうしよう」
住宅ローンを組むにあたって不安を抱えていませんか?
うつ病の経験が住宅ローンの審査や返済に影響する可能性はありますが、正しい対策をとれば、マイホームの夢をあきらめる必要はありません。
本記事では、うつ病と住宅ローンに関する疑問にFPが分かりやすく答えます。
この記事を読んでわかること
うつ病の治療歴があったり現在通院中でも、住宅ローンを組むことは可能
現在治療中の場合、ワイド団信や団信加入が任意のフラット35の利用が選択肢になる
ローン返済が困難になった場合は、延滞する前にまず銀行に相談を
目次
5.まとめ
うつ病でも住宅ローンは組める
結論から言うと、うつ病の治療歴があったり現在通院中でも、住宅ローンを組むことは可能です。
ただし、いくつかの注意点があります。
最大のポイントは、住宅ローンを組む際に加入が必須となる「団体信用生命保険(団信)」の審査です。
なぜ「うつ病=住宅ローンが難しい」といわれるのか?
住宅ローンの審査でうつ病の経験が影響するのは、ローンそのものの審査ではなく、ほとんどの金融機関で加入が義務付けられている「団体信用生命保険(団信)」の審査です。
団信は生命保険の一種で、住宅ローンの契約者が死亡または高度障害状態に該当した場合、保険金でローン残高が完済される仕組みです。
金融機関は貸し倒れリスクを避けるため、ローンの申込みには団信の加入を必須としているところがほとんどです。
団信の加入には、健康状態の診査があり、うつ病の治療歴は告知対象になる可能性があります。
病状によっては、保険会社がリスクが高いと判断し団信への加入を断られるケースもあり、「うつ病=住宅ローンが厳しい」と思われる要因となっています。
保険料 見積シミュレーション
人気の商品をカンタン比較

あなたの不安はどっち? 2つのケース別・悩み解決チャート
うつ病と住宅ローンに関する悩みは、状況によって大きく2つのケースに分けられます。
自身の状況に近い方を確認し、この記事で重点的に読んでおきたい箇所を見つけましょう。
A:これから住宅ローンを組みたい(うつ病の既往歴・治療中)の場合
団信の審査基準を確認し、ローンを組む方法を探してみましょう。
- うつ病の既往歴・治療中でも団信の審査は通る?
- 団信の「告知義務」とは? うつ病の告知はいつまで必要?
- うつ病でも団信の審査に通る3つの選択肢
- Q.もし団信に加入できなかったら?
B:すでに住宅ローンを組んでおり返済中にうつ病になった、もしくはうつ病になってしまったときが不安
ローンが返済が苦しくなったときの正しい対策を知りましょう。
- うつ病で休職し住宅ローンが返せないときの対応方法
- 「うつ病」は一般的な団信の保障対象(高度障害)にはなりにくい
- 絶対にやってはいけないこと、今すぐやるべきこと
- ステップ1:返済が苦しくなる前に「銀行」に相談
- ステップ2:利用できる「公的制度」を総チェック
- Q.働けないリスクに備える保険とは?
関連記事
うつ病の既往歴・治療中でも団信の審査は通る?
うつ病の経験があるからといって、必ず団信の審査に落ちてしまうわけではありません。
しかし、精神疾患は団信の審査において慎重な判断がされる病気です。
詳しく見ていきましょう。
団信の「告知義務」とは? うつ病の告知はいつまで必要?
そもそも、団信に申込む際になぜうつ病の治療歴を申告しなければならないのでしょうか。
団信申込時には、健康状態に関する申告をする「告知書」への記入が必要です。
告知書の質問事項(告知事項)は主に次のような内容になっています。
- 最近3カ月以内に医師の診察・治療・投薬を受けたことがありますか
- 過去3年以内に手術を受けたこと、または初診から診察終了まで2週間以上にわたり医師の治療や投薬を受けたことがありますか
- 手や足の欠損、または機能障害がありますか
※金融機関によって告知項目は異なります
うつ病の治療歴がある場合、「3カ月以内の治療歴」「過去3カ月以内の治療歴」を尋ねる項目に該当する可能性があり、詳細を申告する必要があります。
ただし、この告知項目の場合、うつ病の治療を終えて3年以上経過している場合は、告知の対象外になります。
金融機関によって過去何年の健康状態を問われるかは異なる可能性があるため、申込時に告知書の内容をしっかり確認しておくことが大切です。
「告知をしなければ問題ないのでは?」といった考えは危険です。
うつ病の治療歴があるのに正しく告知をしていないと、「告知義務違反」としていざというときに保険金が下りない可能性があります。
万が一のことがあったとき、保険会社は告知内容に問題がなかったかを調査することがあり、その際に告知義務違反が発覚すると大きなトラブルになります。そのため、告知は必ず正しく行わなければなりません。
関連記事
うつ病でも団信の審査に通る3つの選択肢
うつ病の経験がある場合、治療歴によっては通常の団信に加入できない可能性があります。
しかし、それだけでマイホームの夢を諦める必要はありません。
うつ病を理由に団信を断られた場合、どうすれば良いかを見ていきましょう。
選択肢1:引受基準緩和型団信(ワイド団信)
ワイド団信
ワイド団信とは、一般的な団信よりも健康状態に関する引受基準が緩和されている団体信用生命保険のこと
健康上の理由で通常の団信への加入が難しい人が検討する商品です。
高血圧症や糖尿病といった持病のほか、うつ病や適応障害などの精神疾患の既往歴がある場合でも加入できる可能性があります。
ただし、保険会社のリスクが高まる分、住宅ローンの適用金利に年0.2%〜0.3%程度上乗せされるのが一般的です。
金利が上乗せされると総返済額は増加しますが、うつ病だからといって住宅購入を諦める必要がなくなるのは大きなメリットと言えるでしょう。
まずはワイド団信を取り扱っている金融機関に相談し、審査を申し込んでみるのが現実的な第一歩です。
関連記事
選択肢2:フラット35(団信の加入が任意)
うつ病が原因で団信に加入できない場合、団信への加入が任意になっている「フラット35」を利用してローンを組むのも選択肢のひとつです。
団信に加入しなくても、ローンで住宅を購入できるのは大きなメリットといえるでしょう。
ただし、デメリットもいくつかあります。
まず、フラット35は固定金利の住宅ローンです。
そのため、変動金利の金融機関ローンと比べて毎月の返済額が高くなる可能性があります。
ローンの返済は長期間に及ぶため固定金利の方が安心と考える人もおり、一概にデメリットとはいえませんが、加入時の返済額はその他の金融機関より高くなることを想定しておく必要があります。
また、団信に加入しないということは、万が一の保障がないことを意味します。
万が一のことがあっても、のこされた家族が引き続きローンを返済していかなければなりません。
パートナーや小さい子どもがいる場合、緩和型の団信に加入するか、別途死亡保険を契約しておくことをおすすめします。
関連記事
選択肢3:完治・寛解から一定期間空ける
団信の告知では、多くの場合「過去3年以内」の治療歴が問われます。
そのため、うつ病の治療が完了(完治)または症状が落ち着いた状態(寛解)になってから3年以上が経過していれば、告知義務の対象外となり、一般団信の審査に通る可能性が高くなります。
告知対象外になるまで待つ場合、医師から「完治」または「治療終了」の診断を受けておくことが望ましいでしょう。
もし「経過観察中」であれば、治療が継続しているとみなされる可能性があるため注意が必要です。
ただし、この方法は現在うつ病で治療をしている人にとっては最低でも3年以上待つ必要があり、住宅購入のタイミングと合わない可能性があります。
また、団信加入を待っている間に住宅ローンの金利が上がったり、物件価格が変動したりするリスクも考慮しなければなりません。
住宅をすぐに購入したい場合は、緩和型の団信やフラット35の利用を検討すると良いでしょう。
Q.もし団信に加入できなかったら?
A.団信加入が任意の「フラット35」でローンを組む方法があります。
通常団信の加入を断られてしまったら、まずは引受基準が緩和された「ワイド団信」を検討するのが良いでしょう。それでも加入が難しい場合は、団信加入が任意の「フラット35」でローンを組むことを検討しましょう。
フラット35は団信に加入しなくてもローンを組めるメリットがある一方、万が一の保障がない点には注意が必要です。
民間の死亡保険、特に収入保障保険等を活用して別途保障を準備しておくことが大切です。
収入保障保険は団信の代替手段となりますが、加入に際しては団信と同様健康状態に関する告知が必要です。
うつ病の場合は通常の収入保障保険に加入できない可能性が高いため、緩和型の商品を検討すると良いでしょう。
ワイド団信はローン残高に対する保障ですが、収入保障保険では受け取ったお金をどのように使っても自由です。
また、保険期間もローン期間と同一にする必要はないため、長めに保障を用意しておきたい人には収入保障保険などの民間保険がおすすめです。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2025年12月1日―2025年12月31日)
うつ病で休職し住宅ローンが返せないときの対応方法
住宅ローンの返済中にうつ病を発症し、休職などで収入が減少した場合、返済に不安を感じるのも当然です。
ここからは、ローン返済中のお悩みに対処する方法をご紹介します。
「うつ病」は一般的な団信の保障対象(高度障害)にはなりにくい
住宅ローン返済中にうつ病になって働けなくなったら、「団信でローンが免除されるのでは?」と考える人もいるかもしれません。
しかし、一般的な団信の保障対象となる「高度障害状態」に、うつ病などの精神疾患が該当することは非常に稀です。
団信の約款で定められている高度障害状態とは、手足指の欠損や失明、食事・入浴・衣服の着脱・歩行などが自力ではできず、常に他人の介護を要する状態など、身体的な機能が著しく制限された場合を指します。
うつ病によって働けなくなったとしても、この定義に当てはまるケースはほとんどありません。
関連記事
絶対にやってはいけないこと、今すぐやるべきこと
住宅ローンの返済が困難になった場合、まずは落ちついて冷静に対応することが大切です。
絶対にやってはいけないこと
- 金融機関に連絡せず、無断で返済を滞納すること
1~2カ月程度の滞納でも遅延損害金が発生し、信用機関に記録が残る可能性があります。
- カードローンでの穴埋めをする
カードローンは借金です。借金で借金を返済する自転車操業に陥ると生活を立て直すことが難しくなってしまいます。
今すぐやるべきこと
- 返済が遅れる前に金融機関へ相談する
事情を正直に話し、返済継続の意思を示すことが大切です。返済計画の見直し(リスケジュール)など、柔軟な対応を検討してくれる可能性があります。
- 利用できる公的制度を確認する
うつ病が原因で働けなくなった場合、会社員や公務員であれば傷病手当金を受給できます。
その他、生活が困窮した際のセーフティーネットとして自治体が実施している支援策も利用できる可能性があります。
ステップ1:返済が苦しくなる前に「銀行」に相談
住宅ローンの返済が難しくなる可能性が出てきたら、まずはローンを借り入れている銀行に相談しましょう。
返済が遅れる前に事情を話すことで、返済期間の見直し(リスケジュール)が検討できるかもしれません。
例えば、残りの返済期間を延長することで毎月の返済額を減らしたり、元金を据え置いて一定期間利息のみを支払うよう変更する、ボーナス払いを中止するなどの柔軟な対応をしてくれる可能性があります。
ただし、リスケジュールは一時的な負担軽減には有効ですが、多くの場合総返済額が増加することになります。
自身の状況や今後の回復見込みをふまえ、どの方法が最適かを担当者と慎重に話し合うと良いでしょう。
ステップ2:利用できる「公的制度」を総チェック
金融機関への相談と並行して、利用できる公的制度がないか確認しましょう。
当面の収入を確保し、生活を立て直すことができるかもしれません。
うつ病で働けなくなった際に利用できる可能性がある制度
- 傷病手当金:会社員や公務員が対象。通算1年6カ月間、収入の約3分の2が支給される。
- 労災保険:仕事が原因でうつ病を発症したと認められた場合、給与の約8割が保障される。保障期間は治癒するまで。
- 自立支援医療制度:うつ病などの精神疾患で通院を続ける場合に、医療費の自己負担額を軽減できる制度。通常3割負担が1割負担になる。
- 障害年金:障害状態が重く認定を受けた場合、受給できる可能性がある。
上記の制度は、利用するために申請が必要です。自身が対象となる制度があるか、会社の担当部署や市区町村の相談窓口、ハローワークなどで確認しましょう。
関連記事
Q.働けないリスクに備える保険とは?
A.「就業不能保険」や「所得補償保険」とよばれる民間の保険で、あらかじめ働けないリスクに備えておくことが可能です。
就業不能保険は民間の生命保険会社が取り扱う生命保険で、病気やケガで一定期間以上働けなくなったときに毎月の給付金を受け取れる商品です。
精神疾患が保障対象になるかは商品によって異なっており、保障対象となる商品でも基本的には「入院時」のみが支払対象となるため注意が必要です。
所得補償保険は民間の損害保険会社が販売している損害保険で、保険期間が1年など短期間である点が特徴です。
就業不能保険と同様、精神疾患が補償されるかどうかは商品によって異なり、特約の付加が別途必要なケースもあります。
いずれの保険も、申込む前に必ず保障内容と保障範囲について確認しておくことが大切です。
関連記事
うつ病への保障を手厚くする方法
一般的な団信ではうつ病による就業不能状態は保障の対象外となることがほとんどです。
住宅ローン返済中の「働けなくなるリスク」に備えるためには、団信以外の保険を組み合わせて保障を手厚くする必要があります。
ここからは、うつ病による収入減少に備えるための方法を、プロが詳しく解説します。
方法①就業不能保険で働けない間の収入減に備える
就業不能保険
就業不能保険とは、病気やケガで長期間働けなくなった場合に、毎月の収入を補う形で給付金を受け取れる保険のこと
団信が住宅ローンの返済に特化しているのに対し、就業不能保険の給付金は住宅ローン返済だけでなく、生活費や医療費など使い道が自由なのが特徴です。
ただし、精神疾患の保障範囲については注意が必要です。
多くの場合、うつ病などの精神疾患に対して、「入院時のみ」保障対象とする制限を設けている商品がほとんどです。
うつ病で在宅療養を続けている状態では給付金が受け取れないため、注意しましょう。
中には、精神疾患で入院後、退院して在宅療養をしている期間も保障対象とする商品もあります。
それぞれ細かい比較にはなりますが、いざというときに慌てないよう、加入前に保障内容を確認しましょう。
保険料 見積シミュレーション
人気の商品をカンタン比較

方法②収入保障保険で万が一の際の家族の生活費に備える
収入保障保険は、被保険者が死亡または所定の高度障害状態になった場合に、のこされた家族が毎月お給料のように年金形式で保険金を受け取れる保険です。
団信は「住宅ローン残高」を保障し、家の返済負担をなくすことを目的としている一方、収入保障保険は「のこされた家族の生活費」を保障することを目的としています。
特に、健康上の理由で団信に加入せずフラット35を利用する場合、万が一の際に住宅ローンがそのまま残ってしまいます。
緩和型の収入保障保険を利用するなどして、家族への保障を確保しておくことが大切です。
関連記事
方法③「ほけん必要度診断」で自分に必要な保障をチェック
ローンの返済に困る原因は、うつ病だけではありません。
その他の病気やケガで長期間働けなくなったり、医療費の負担が大きくなり家計のバランスが崩れる可能性もあるでしょう。
最低限の備えを保険で準備しておくことは大切です。
とはいえ、自分や家族にとって、どのような保障が、どのくらい必要なのかを判断するのは簡単ではありません。
専門家が監修した「ほけん必要度診断」では、家族構成や収入などの簡単な質問に答えるだけで、リスクの大きさから優先して検討すべき保険がなにかを診断できます。
無料で利用できるので、保険選びに迷っている人はぜひ一度活用してみてください。

最適な保険選びは、将来の安心に繋がります。
あなたに必要な保障を『ほけん必要度診断』で診断してみましょう。
まとめ
うつ病の既往歴や治療経験があっても、住宅ローンを組むことは可能です。
大切なのは、自身の状況を正確に把握したうえで、どんな選択肢があるかを知ることです。
これからローンを組む場合、ワイド団信や、団信加入が任意のフラット35を利用するなどの選択肢があります。
また、治療終了から3年以上経過していれば、通常の団信に加入できる可能性も高まります。
現在ローンを返済している場合、無断で滞納せずまずは銀行に返済計画について相談することが大切です。
公的支援制度を利用しながら、まずは生活を立て直す方法を考えていきましょう。
ほけんのコスパでは、持病がある方向けの死亡保険を複数掲載しています。
団信代わりの死亡保険を探している人は、ぜひ一度参考にしてください。
保険料 見積シミュレーション
人気の商品をカンタン比較


















.png&w=3840&q=75)






