物価の上昇が続く中、「年金だけで生活できる?」「いざというときの医療費はどうまかなったら良い?」と不安に感じていませんか。
限られた年金収入だけで老後の生活費をまかなうのは難しい、と感じる人も多いかもしれません。
65歳以上の平均医療費や、民間保険の必要性について詳しく解説します。
この記事を読んでわかること
年齢を重ねるごとに医療費は高くなる傾向にある
後期高齢者制度や高額療養費制度で自己負担は軽減できるが、ゼロになるわけではない
貯蓄が十分でない人は民間医療保険を検討した方が良い
目次
5-1.介護にはいくらかかる?
8.まとめ
まずは現実を知る! 年金生活者の「医療費平均」と「生活費」のリアル
まずは、65歳以上の年金生活世帯の平均医療費や、生活費の実態を見ていきましょう。
65歳以上の1人あたり医療費
年間で発生する医療費は、年齢とともに増加する傾向にあります。
厚生労働省保険局の「医療給付実態調査」によると、65歳以上の1人あたりの平均医療費は次のとおりです。
- 65歳~69歳:48.1万円
- 70歳~74歳:61.6万円
- 75歳~79歳:77.3万円
- 80歳~84歳:92.2万円
- 85歳~89歳:107.1万円
- 90歳~94歳:117.9万円
- 95歳~99歳:125.8万円
- 100歳~ :123.2万円
年金生活が始まると収入は減少する一方で、年齢とともに医療費の負担は増加していきます。
さらに、入院や手術などによって一時的に医療費の負担が増す確率は現役時代よりも高くなっています。
若いうちから、貯蓄や保険などを活用して、万が一に備えておく必要があるといえるでしょう。
(参考:医療給付実態調査|厚生労働省保険局)
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【重要】「平均」の罠: 平均値は「健康な人」が下げている可能性
1人あたりの医療費は、年齢によって平均値が大きく異なります。
しかし、平均値は「健康な人」によって押し下げられている可能性がある点には注意が必要です。
例えば、健康な人であれば月数千円程度の薬代で済む一方、持病があり定期的に検査を受けている人は、月1万円以上の負担が発生することもあります。
さらに、入退院を繰り返す場合には、月5万円以上かかるケースもあります。
平均値は一部の極端な数字に引っ張られてしまう可能性があり、実態を正しく反映しない場合があります。
平均値だけでは判断せずに、万が一のリスクに備えて事前に準備しておきましょう。
独自調査で発覚|シニアの約52%が「医療費や通院時の費用が負担になっている」と回答
物価上昇が続くなか、シニア世代の間では「医療費の負担」に対する不安が広がっています。
ほけんのコスパ編集部では、70代男女500名を対象に「高齢者の医療費負担と資産防衛に関する意識調査」を実施しました。
その結果、シニア世代の約52%が「医療費や通院時の費用が負担になっている」と回答しました。
シニア世代のおよそ2人に1人が、医療費や通院費を経済的な負担と感じており、世帯によっては厳しい経済状況であることが伺えます。
一方で、「健康維持のための必要経費なので、特に負担とは感じない」と回答した人は40%、「ほとんど通院していない」と回答した人は約8%と、医療費が日常生活に大きな影響を与えていない層も一定数存在します。
物価上昇が長期間にわたって続いた場合、医療費などを負担に感じる人の割合は、今後さらに増加していくことが想定されます。
(参考:「医療費負担増」を感じるシニアの52%が生活費を切り詰めている?インフレ時代の老後のリスク|ほけんのコスパ)
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【シミュレーション】「もしも」のとき、最大いくらかかる?
年齢を重ねるごとに、病気やケガのリスクは高くなっていきます。
では、もしものことがあった場合、どれくらいの費用がかかるのかをシミュレーションしてみましょう。
高額療養費制度とは
高額療養費制度は、病院の窓口や調剤薬局で支払った1カ月の医療費の自己負担額が一定の金額を超えた場合に、後日、公的医療保険から払い戻しを受けられる制度のことです。
医療費の自己負担限度額は年齢や所得水準によって異なりますが、現役並みの所得水準(年収約370~約770万円)の場合は、1カ月あたりおおよそ8万円から9万円が目安となります。
また70歳以上で一般的な収入(課税所得が145万円未満等の条件に該当する人)の場合、1カ月の負担額は5万7600円までに抑えられます。
また、同じ世帯で過去12カ月以内に3回以上制度を利用した場合、4回目以降は自己負担額がさらに軽減され、医療費の負担をより抑えることができます。
なお、差額ベッド代や入院中の食事代、先進医療費・自由診療費など、保険適用外の費用は高額療養費制度の対象外となります。
自己負担限度額が8万円から9万円程度であっても、その他費用などを含めると、実際には10万円〜15万円以上の出費となる可能性があることを想定しておきましょう。
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参考)70歳以上の一般所得者の場合
70歳以上の医療費の自己負担割合は、所得に応じて負担割合が異なり、一般所得者(〜年収370万円)の場合は2割負担となります。
例えば、100万円の医療費がかかった場合、2割負担であれば、自己負担額は20万円となりますが、高額療養費制度を利用することで、月ごとの上限額は5万7600円となります。
ただし、高額療養費制度を利用する際には、注意点もあります。
医療費の自己負担額は月ごとに計算される仕組みのため、入院が月をまたいだ場合、各月で上限額を支払う可能性があります。
入院期間が2カ月に及ぶ場合は、「5万7600円×2カ月分」に加え「差額ベッド代や入院中の食事代などの費用」もかかるため、想定以上の負担となる可能性があります。
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医療費の「立替払い」を避ける方法|「限度額適用認定証」「マイナ保険証」
医療費の自己負担限度額は、年齢や所得に応じて定められています。
限度額を超えた分は、後日、公的医療保険により払い戻される仕組みとなっています。
通常、払い戻しには3カ月程度かかりますが、入院時に「限度額適用認定証」や「マイナ保険証」を提示することで、窓口での支払いをあらかじめ限度額までに抑えることができます。
例えば、病気やケガにより入院・手術を受け、医療費が100万円かかった場合、3割負担であれば窓口で30万円を支払う必要があります。
しかし、認定証などを提示することで、所得に応じた自己負担限度額(例:約8〜9万円)までの支払いで済み、高額な医療費の負担を軽減することができます。
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公的制度だけで足りる?年金生活に「民間の医療保険」が必要な人の特徴
日本の公的医療保険制度は世界的に見ても充実していますが、すべての費用を保険でまかなえるわけではありません。
貯蓄が十分でない人にとっては、民間の医療保険が必要になることもあります。
ここからは、民間保険が必要な人とそうでない人の特徴を解説します。
必要な人:貯蓄が十分でない人
民間の医療保険が必要な人の特徴として、「貯蓄が十分でない人」が挙げられます。
日本には高額療養費制度や傷病手当金といった公的制度があり、医療費負担を一定額に抑えることができますが、手出しの費用がゼロになるわけではありません。
一度の入院費用(約10万円〜20万円)を捻出できない場合には、民間の医療保険に加入して、不測の出費に備える必要があります。
また、貯蓄が十分にある場合でも、老後のために貯めたお金を取り崩したくないと考える人も多いでしょう。
医療保険に加入していれば、貯蓄を切り崩さずに医療費を給付金でまかなうことができます。
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不要な人:ある程度まとまった預貯金がある人
反対に民間の医療保険が不要な人の特徴として、「ある程度まとまった預貯金がある人」が挙げられます。
一般的に、生活費の3カ月〜6カ月分の預貯金を確保した上で、長期間の入院や治療費をまかなうことができる預貯金を別で準備できていれば、医療保険の必要性は低くなります。
おおまかな金額の目安として、自由に使える預貯金が数百万円以上あれば、医療保険の加入は不要といえます。
とはいえ、病気やケガを理由に預貯金が減るリスクを避けたい場合は、医療保険への加入をおすすめします。
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参考)医療保険の損益分岐点シミュレーション
医療保険の必要性を考える際には、損益分岐点を試算することで見え方が大きく変わります。
例えば、毎月の保険料が5000円の場合、10年間で60万円、30年間では180万円を支払うことになります。
30年間で180万円以上の給付金を受け取れば、保険への加入は経済的にプラスといえます。
しかし、保険に加入せず、浮いたお金を確実に貯金できるとは限りません。
先進医療や自由診療など、数百万円の費用がかかる治療を受けた場合、保険の有無が家計に大きな影響を与えます。
さらに、保険は精神的な安心感を得られるだけではなく、高額療養費制度の対象外である「入院中の食事代」や「日用品費」をカバーする役割も担っています。
将来の医療費に少しでも不安がある場合は、最低限の保障として保険への加入を検討すると良いでしょう。
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Q1
性別をお伺いします
知らないと損! 医療費控除で「お金を取り戻す」条件
年間で支払った医療費が一定を超えた場合、医療費控除でお金を取り戻すことができるかもしれません。
ここからは、医療費控除の仕組みや上手な活用方法を紹介します。
医療費控除の仕組み
医療費控除は、1年間(1月1日〜12月31日)に支払った医療費が一定額を超えた際に、確定申告を行うことで所得税や住民税の負担を軽くできる制度のことです。
自分自身が負担する医療費だけではなく、生計を一とする配偶者や親族の医療費も控除対象となります。
原則10万円(または総所得200万円未満は総所得の5%)を超えた場合に、医療費控除を適用することができ、病院での診療費や入院費、薬代などが控除の対象となります。
ただし、健康診断や美容整形といった見た目改善の費用は控除対象外となるため注意が必要です。また、年末調整では医療費控除の手続きを行うことができないため、必ず確定申告を通じて医療費控除の手続きを行いましょう。
家族合算を上手に活用
医療費控除は、自分自身の医療費以外にも、家族の医療費を合算することができます。
離れて暮らしている親や子どもも対象となりますが、生活費を共有していることが条件となります。
実際に医療費を支払った人が申告する決まりですが、所得が高い人がまとめて申告すると節税効果が大きくなる場合があるため、家族間で事前に申告者を決めておきましょう。
「非課税世帯」は対象外? 年金収入が少ないと戻ってこないカラクリ
医療費控除は、支払った所得税や住民税の一部を国から還付してもらう制度です。
非課税世帯は所得税や住民税の支払いが免除される優遇措置を受けられるため、医療費控除を申請しても国から還付金を受けることはできません。
自治体によって非課税世帯の該当条件は異なり、条件を満たすことで非課税世帯として認められます。
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年3月1日―2026年3月31日)
医療費より怖い?介護リスクへの備え方
高齢者にとって、医療費よりもリスクが高いのが「介護費用」です。
一度介護が必要な状態になると、その後の回復は難しく、介護費用が何年も必要になるケースも珍しく有りません。
ここからは、年金生活者が抱える介護リスクについて解説します。
介護にはいくらかかる?
生命保険文化センターのデータによると、住宅改造や介護ベッドの購入など、介護にかかる一時的な費用の平均は47.2万円、月々の費用は平均9万円となっています。
また、介護期間の平均は4年7カ月と長期にわたり、介護を行う場所によっても費用は大きく異なります。
在宅介護が平均5.3万円であるのに対し、専門のスタッフによる24時間体制のケアを受けられる施設介護は平均13.8万円と、両者には約8万円の差があります。
介護のリスクは加齢とともに高まり、いつ介護状態になるかを予測することはできません。
要介護度によって、介護費用や生活スタイルは大きく変わるため、万が一の事態に備え、今のうちから計画的に介護費用を準備しておきましょう。
(参考:介護にはどれくらいの費用・期間がかかる?|生命保険文化センター)
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どうしても生活費が足りないときは?利用できる公的制度
医療費や介護費用の負担が大きく、生活に影響が出る場合もあるでしょう。
生活費に困窮したときに利用できる公的制度について、見ていきましょう。
無料低額診療事業
無料低額診療事業は、経済的に困窮している人を対象に、医療費を無料または低額(1割負担)で受けられる制度です。
生活に余裕がなく、必要な医療を受けることが難しい人でも、安心して受診できるようになっています。
対象者は低所得者や失業者など幅広く設定されており、一定の収入基準を満たすことで利用することができます。
ただし、すべての医療機関で利用できるわけではなく、世帯収入の基準も医療機関ごとに異なるため、事前の確認が必要です。
生活保護
生活保護受給者は、医療費を公費でまかなう仕組みとなっています。
生活保護の要件を満たすことで、保険診療範囲内であれば自己負担なく医療を受けることができます。
診察や検査、手術など幅広い医療サービスが対象となります。
ただし、美容目的など医学的に必要性が乏しいものは対象外となります。
また、差額ベッド代など治療を行う上で直接的に関係ない費用は、自己負担となる場合があります。
生活保護を受給するためにはいくつかの条件がありますが、生活に困窮して相談できる家族もいない場合は、まず自治体の担当窓口で話をしてみるのが良いでしょう。
あなたの老後を守る「医療費・備えのチェックリスト」
- 自分の「自己負担上限額」を知る
- 医療保険を見直し、浮いた分を「医療・介護貯金」に回す
- 領収書は捨てずに保管し、医療費控除を活用する
- 健康こそ最大の節約、予防医療を心がける
老後生活の安心を守るには、日々の備え・準備がとても重要です。
まずは、医療費の自己負担上限額を把握し、万が一に備えて必要な費用を事前に見積もっておきましょう。
高額療養費制度で定められている医療費の自己負担上限額は、年齢と所得によって異なり、誰でも簡単に確認することができます。
次に、医療保険を見直し、現在の状況や治療実態に適した最適な保障内容になっているかを確認しましょう。
見直しを行うことで、無駄な保障を整理でき、浮いた分のお金を貯蓄に回すことができます。
最後に、医療費控除の申請に備え、医療費や薬代などの領収書は保管しておきましょう。
家族分を合算できる可能性があるため、捨ててしまうと家族合算ができなくなる可能性があります。
まとめ
今回は、年金生活世帯の医療費について詳しく見てきました。
年齢を重ねると、病気やケガ、介護のリスクが高くなっていきます。
貯金が十分でない人や将来の生活に不安がある人は、健康なうちから民間の医療保険で備えておくことが大切です。
ほけんのコスパでは、高齢者でもWEBから加入できる医療保険を複数掲載しています。
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ぜひ保険選びの参考にしてください。
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