既往症とは?持病・既往歴との違いや生命保険加入時の告知義務について解説

既往症とは?持病・既往歴との違いや生命保険加入時の告知義務について解説

(最終更新日:

執筆者:

橋本 優理

監修者:

高橋 明香

保険に申し込む際、「既往症」の文字を見て過去の病気や手術をどこまで書くべきか迷っていませんか。

正直に申告したら保険には入れないのでは?と不安になる人もいるでしょう。

本記事では、既往症の正しい意味や告知義務の範囲既往症があっても入りやすい保険について詳しく解説します。

特に、過去5年以内に通院や入院歴がある人は、ぜひ保険加入前に確認しましょう。

この記事を読んでわかること

  • 既往歴とは「現在は完治している病気やケガ」のこと

  • 過去5年以内に通院歴があれば完治していても告知が必要な可能性がある

  • 既往歴が原因で保険加入を断られた場合は、引受基準緩和型保険がおすすめ

既往症の正しい意味と似た用語との違い

まずは、既往症の意味と、混同しやすい「持病」や「既往歴」などの専門用語との違いをわかりやすく解説します。

既往症(きおうしょう)とは「過去にかかって完治した病気やケガ」

既往症(きおうしょう)

既往症とは、過去に治療を受けたものの、現在は既に完治している病気やケガを指します。

生命保険の加入時には、現在の健康状態だけでなく過去の健康状態も重視されるため、既往症の有無を確認されます。

一般的には5年以内の治療歴を問われるため、「完治したから問題ないだろう」と安易に判断してはいけません。

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過去の病歴や最終通院日を整理した上で、告知項目に該当するかを判断することが大切です。

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「持病(現症)」との違い

持病とは、現在も治療や投薬を続けている病気、あるいは完治が難しく症状と付き合っている状態の病気を指します

医療用語では現症とも呼ばれます。

既往症が既に完治している状態であるのに対し、持病は現在も症状がある、または治療中の状態である点が明確な違いです。

定期的に通院して薬を飲んでいる高血圧糖尿病などは持病に該当します

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保険加入時は、完治しているか現在進行形かによって審査の基準が異なるため、医師の診断に基づいて現在の状況を正しく申告することが大切です。

「既往歴」「現病歴」との違い

既往歴は、患者が過去にかかったすべての病気やケガ、手術などの履歴全体を指す医療用語であり、意味合いは既往症とほぼ同じです。

一方、現病歴は、現在治療中の病気がいつ発症し、どのような経過をたどっているかを示す記録を指します。

現病歴には、最初の症状が出た時期や病院を受診したタイミング、現在の治療状況も含まれます。

女性コンシェルジュ

保険の告知書を記入する際は、過去の出来事である既往歴と、現在進行中の現病歴を混同しないよう、時系列で健康状態を整理しておきましょう。

生命保険・医療保険の加入時に既往症の申告(告知)は必要?

保険加入時には、健康状態を正しく申告する義務があります。

告知の必要性や、申告が必要な期間の目安について解説します。

保険契約における「告知義務」とは

医療保険や死亡保険などの生命保険に加入する際は、健康状態や過去の病歴について正しく告知する義務が発生します。

生命保険は、加入者同士が保険料を出し合い、万一の際に助け合う相互扶助の仕組みで成り立っています。

健康な人と病気のリスクが高い人が同じ条件で加入すると不公平が生じるため、公平性を保つ目的で健康状態の確認が必要です。

したがって、「告知義務」に違反すると、いざというときに給付金が支払われなかったり、保険契約を解除されてしまう可能性があります。

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保険に申し込む際は、告知義務について理解した上で正しく健康状態を申告することが大切です。

どこまで申告する?告知が必要な期間や内容の目安

告知が必要な期間や内容は保険会社によって異なりますが、一般的には過去5年以内の通院歴と、2年以内の健康診断結果が問われます。

がん(悪性新生物)に関しては、期限を定めず「これまでにがんに罹患したことがありますか」と質問されることがあります

では、正確な告知を行うためにも、具体的な告知項目を確認しておきましょう。

参考)一般的な生命保険の告知項目

一般的な生命保険では、次のような項目が問われます。

 がん以外については、最長5年間の通院歴や入院歴を問われます。

最終通院から年数が経っている場合は、告知に該当するか正確に日付を確認することが大切です。

女性コンシェルジュ

お薬手帳病院の領収書過去のスケジュール帳などを参考にしてみましょう。

当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年5月1日―2026年5月31日)

【注意】健康診断の「要経過観察」「要再検査」の扱いは?

ほとんどの保険会社では、「要再検査」「要精密検査」「要治療」の指摘について問われ、「要経過観察」であれば告知対象外になる可能性があります

健康診断受診後に再検査を受けた場合は、再検査結果もあわせて記入することが大切です。

女性コンシェルジュ

告知書の質問事項をよく読み、該当する項目があるか確認した上で申告しましょう。

既往症を隠すのはNG!告知義務違反のリスク

保険に加入したいからといって、既往症や持病を隠したり虚偽の申告をしたりすることは告知義務違反となります。

告知義務違反が発覚した場合、保険金を受け取れないだけでなく、契約自体が解除されるなど、大きなトラブルにつながる恐れがあります。

詳しく見ていきましょう。

保険金・給付金が受け取れなくなる

告知義務違反が発覚すると、いざ病気やケガで入院・手術をした際でも、保険金や給付金を受け取ることができない可能性があります。

「病歴を隠してもバレないのでは?」と考える人もいますが、保険会社は給付金請求があった際に、告知内容が正しかったかどうかを調査することがあります。

請求時の提出書類や、医療機関への事実確認などにより、虚偽の告知が発覚した場合、給付金等が支払われない恐れがあります

もしものときのために加入した保険で給付金が受け取れなければ本末転倒です。

女性コンシェルジュ

安易に告知義務違反をしないよう、注意しましょう。

保険契約が解除される

悪質な告知義務違反と認められた場合、保険金や給付金が支払われないだけでなく、契約自体を解除されてしまうケースもあります。

契約解除となった場合、払い込んだ保険料は原則として返還されません

さらに、別の保険に入り直そうとしても、年齢の上昇や健康状態の悪化により加入が難しくなる恐れもあります。

女性コンシェルジュ

突如として無保険になってしまわないよう、告知は正しく行うことが必要です。

既往症や持病があっても入りやすい生命保険の種類

正直に健康状態を告知した結果、保険の審査に落ちてしまうこともあるでしょう。

ここからは、過去の病歴や現在の健康状態に不安がある人でも検討しやすい保険をご紹介します。

特別条件付き契約の保険

特別条件付き契約とは、健康な人と同等の条件での加入は難しいものの、一定の条件を付加することで引き受けが可能となる保険です。

保険会社が行う健康状態の確認(診査)の結果、特定の部位の病気は一定期間保障しない「特定部位不担保」や、保険料を割増する「保険料割増」などの条件が提示されることがあります。

例えば過去に胃の病気を患った場合、一定期間は胃に関する病気のみ保障対象外になることが考えられます。

条件に納得できる場合は、同意書にサインすれば保険契約が成立します。

部位不担保の場合、持病の悪化は一定期間保障されませんが、健康な人と同じ保険料で加入できる点がメリットです。

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一方、「持病の悪化を保障したい」「条件の期間が長すぎて承諾できない」といった場合は、この後ご紹介する引受基準緩和型保険を検討しましょう。

引受基準緩和型保険

引受基準緩和型保険は、通常の保険よりも告知項目が少なく、持病や既往症がある人でも加入しやすいように設計された保険です。

告知項目に該当しなければ申込が可能で、持病の悪化も基本的に保障される点がメリットです。

ただし、加入しやすい分、毎月の保険料は一般的な保険よりも割高に設定されています。

女性コンシェルジュ

検討する際は、保障と保険料のバランスに注意しましょう。

参考)一般的な緩和型保険の告知項目

保険会社によって告知項目は異なりますが、一般的な内容は次のとおりです。

 すべての項目に「いいえ」と回答できれば、申込が可能です。

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中には、過去5年以内の健康状態を問わないものもあるため、複数の商品で比較しながら自身が申込できる商品があるか探してみるのがおすすめです。

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無選択型保険

無選択型保険は、健康状態の告知や医師の診査が一切不要で、誰でも加入しやすい保険です。

既往症や持病があって引受基準緩和型保険にも加入できない人にとって、最終的な選択肢になります。

ただし、保険料は緩和型よりもさらに割高に設定されており、加入後一定期間は保障額が削減されるなどの制限もあります。

女性コンシェルジュ

まずは通常の保険や引受基準緩和型保険を検討し、加入が難しい場合に、最終手段として検討することがおすすめです。

よくある既往症と保険加入の目安

病気の種類によって、保険加入の難易度や診査時のポイントは異なります。

代表的な既往症ごとに、保険加入の目安を解説します。

うつ病や睡眠障害などの精神疾患

うつ病や睡眠障害といった精神疾患は、再発のリスクや治療期間の長期化が懸念されます。

そのため、すでに完治していたとしても、通常の保険への加入を断られる可能性があります。

完治から5年以上が経過していれば告知の対象外となり、通常の保険でも加入できるようになりますが、完治して間もない場合やまだ通院を続けている場合は引受基準緩和型保険を優先的に検討するのが良いでしょう。

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ただし、精神疾患の中でも統合失調症はさらに診査基準が厳しく、5年以内に通院歴があると加入できない緩和型の商品が多いため注意が必要です。

狭心症や心筋梗塞などの心疾患

狭心症や心筋梗塞などの心疾患は、再発のリスクが高いため、診査基準は厳しくなります

継続的な治療や投薬が必要なケースも多く、完治の診断が難しいことも珍しくありません。

5年以内に治療歴がある場合は基本的に緩和型保険を検討するのがおすすめです。

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また心疾患の罹患歴があると、緩和型の基本保障は検討できても、三大疾病特約を付加できない可能性があるため注意が必要です。

がん(悪性新生物)

がんは再発や転移のリスクがある病気です。

そのため治療を終了していたとしても、過去に罹患歴があると通常の保険には加入できないケースがほとんどです。

最後の通院から5年経過していれば、緩和型の保険で検討を開始できるようになります。

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また緩和型の中でもより告知が緩く、5年以内の治療歴を問わないものであれば、がんで定期的に通院していても申込できる商品があるため、複数社で告知項目を比較してみるのがおすすめです。

過去の妊娠・出産時の異常(帝王切開など)

帝王切開や妊娠高血圧症候群など、過去の妊娠や出産時に異常があった場合でも、生命保険や医療保険への加入自体は可能なケースが一般的です。

ただし加入後一定期間は、次回の異常分娩などが保障の対象外となる「特定部位不担保」の条件が付く可能性があります

女性コンシェルジュ

第2子を検討している場合や女性疾病に備えておきたい場合は、部位不担保の条件が付くことを見越して、早めに保険の検討を済ませておくのが良いでしょう。

風邪やコロナウイルス、インフルエンザ

風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症などの一時的な感染症は、完治して後遺症が残っていなければ、通常の保険加入において不利になることはほとんどありません

完治していれば告知自体不要とする保険会社も多く、合併症等がない限りは基本的に問題ないでしょう。

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ただし、新型コロナウイルス感染症の後遺症で現在も通院を続けている場合などは、現在の健康状態として告知が必要になるため注意しましょう。

既往症がある人向け!自分に合った保険の選び方 

ここからは、既往症がある状態で最適な保険を選ぶための具体的な手順を解説します。

必要な保障を洗い出し、リスクに対して適切に備えておきましょう。

自身の状況に合わせて必要な保障を見極める

保険選びの第一歩は、自身のライフステージや家族構成に合わせて、どのような保障が必要かを見極めることです。

のこされた家族のための死亡保障が必要なのか、入院や手術に備える医療保障が必要なのか、がんなどの特定疾病に手厚く備えたいのかを明確にし、優先順位を付けましょう

目的に応じて、商品を絞り込みながらプランを組むことで、効率よくリスクに備えておくことができます。

女性コンシェルジュ

必要な保障額と負担できる保険料のバランスを考慮し、無理なく継続できるプランを設計することが大切です。

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Q1

入院時の費用は?

参考:

過去5年以内の健康状態を整理する

保険に申し込む前に、過去2年以内の健康診断結果や5年以内の通院履歴、お薬手帳などを用意し、健康状態を時系列で整理しておくことが大切です。

いつ、どのような症状で病院を受診し、どのような治療や投薬を受けたのか、完治した時期はいつかを正確に把握しましょう。

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あらかじめ情報を整理しておくことで、告知書の記入漏れや、意図せぬ告知義務違反を防ぐことができます。

複数の保険会社を比較する

健康状態に関する診査基準は保険会社によって異なるため、1社で加入を断られても別の会社では加入できるケースがあります。

引受基準緩和型保険の場合でも、保険料や保障内容は会社ごとに異なります。

初めから1社に絞り込まず、複数の保険会社の商品を比較検討することが、納得できる保険選びのポイントです。

女性コンシェルジュ

ひとつひとつ比較するのが難しい場合は、複数社の商品を同時に比較できる保険の比較サイトを活用するのがおすすめです。

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まとめ

既往症とは、過去にかかって現在は完治している病気やケガのことです。

生命保険の加入時には、過去の健康状態を正確に申告する告知義務があり、虚偽の申告は契約解除などの重いペナルティにつながります。

「完治しているから問題ない」と安易に考えず、告知項目に該当するかどうか慎重に判断しましょう。

既往症や持病がある人でも、特別条件付き契約引受基準緩和型保険など、条件次第で加入できる保険は多数存在します。

まずは、年齢と性別から保険料の目安をシミュレーションすることから始めてみましょう。

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監修者 ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

高橋 明香

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

執筆者 保険ライター/2級FP技能士

橋本 優理

大学卒業後、ほけんの窓口グループ株式会社へ入社。約300組のライフプランニングを行い、保険販売業務に従事。その後、異業種にて法人営業を経験し、株式会社エイチームフィナジーで保険EC事業の立ち上げに参画。インターネット上で保険の無料相談ができるサービスの責任者として、自身も多くの世帯のライフプランニングを行う。2023年に株式会社モニクルフィナンシャル入社。経済メディア「LIMO」で300記事以上を執筆。現在は、より多くの人に、より気軽に、自分に合った保険の選び方を知ってほしいとの思いでコンテンツ制作や執筆作業に従事。 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、生命保険募集人資格、損害保険募集人資格保有。

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