適応障害だと保険加入・住宅ローン契約は無理?解決策と告知のポイントをプロが解説

適応障害だと保険加入・住宅ローン契約は無理?解決策と告知のポイントをプロが解説

(最終更新日:

執筆者:

橋本 優理

監修者:

高橋 明香

適応障害と診断されたら、もう保険に入ったり住宅ローンを組んだりできない?」と悩んでいませんか?

近年、仕事のストレスなどから適応障害と診断されるケースは増えていますが、精神科の通院歴があると保険や住宅ローンに影響が出る場合があります。

ただし、全く保険に加入できなかったりローンを組めないわけではありません。

本記事では、適応障害を抱えている人のお金の不安を解決します。

この記事を読んでわかること

  • 適応障害を抱えていても加入できる保険や住宅ローンはある

  • 治療中の場合、「引受基準緩和型保険」の検討がおすすめ

  • 住宅ローンは「ワイド団信」の加入を検討するか、団信加入が任意の「フラット35」がおすすめ

適応障害でも保険加入やローン契約は「可能」です

適応障害と診断されても、保険加入や住宅ローン契約を諦める必要はありません。

症状の経過期間や現在の状態を正しく伝え、自身の状況に合った保険商品やローンを選ぶことで、契約できる可能性は十分にあります。

確かに、心療内科や精神科への通院歴があると、一般的な保険やローンの審査は慎重に行われる傾向があります。

しかし、引受基準緩和型保険」のように加入条件が緩やかな保険や、団体信用生命保険への加入が必須ではない「フラット35」のような住宅ローンも存在します。

また、診断後一定期間経過していれば、通常の保険に加入できたり、ワイド団信でローンを組めるケースもあります。

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大切なのは、自身の状況を正しく把握し、どんな選択肢があるかを知ることです。

なぜ心療内科に通うと審査が厳しくなる?

保険は、多くの人が保険料を出し合い、万が一のことがあった人へ保険金を支払う「相互扶助」の仕組みで成り立っています。

そのため、加入者間の公平性を保つために、加入希望者の健康状態に応じてリスクを判断します。

適応障害を含む精神疾患は、治療が長期化したり、再発したりする可能性があります。

一度入院が必要になると長期間退院できないことも多く、保険会社としてはリスクが高いと判断することが一般的です。

また、病状が悪化することによる自殺リスクが考慮されることもあり、保険加入へのハードルが高くなります。

女性コンシェルジュ

これは差別ではなく、あくまで保険制度の公平性を維持するための仕組みです。

適応障害でも保険に加入できるケース

適応障害の治療歴は保険加入に影響しますが、すべての保険に絶対加入できないわけではありません。

まずは、比較的保険に加入しやすいケースについて見ていきましょう。

診断から2~5年以上経過している

適応障害は、特定のストレスが原因で起こるとされている病気です。

そのため、環境を変えれば症状が軽減されることも珍しくありません。

保険会社の診査上、診断から2~5年以上経過しており、現在の病態が安定していれば、通常のタイプの保健に加入できるケースも稀にあります。

特に、診断から5年以上経過し、治療自体も終了している場合は診査が有利に進むこともあります。

ただし、診査の基準は保険会社によって異なります。

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複数の保険会社で検討後、加入が難しい場合は、引受基準緩和型保険など持病がある方向けの保険を検討することがおすすめです。

精神疾患での入院歴がない

適応障害の治療において、入院歴がないことも審査における重要なポイントです。

入院治療が必要なケースは、症状が比較的重いと判断される傾向があります。

一方、通院治療のみで症状がコントロールできている場合は、状態が安定的であると評価されやすく、保険に加入できる可能性があります。

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健康状態を告知する際は、入院の有無を正確に申告しましょう。

完治後5年以上経過している

医師から完治(または症状が安定し治療が不要な状態である寛解)と診断され、最後の通院から5年以上が経過している場合、一般的な保険に加入できる可能性があります。

多くの保険商品の告知義務では、過去5年以内の病歴を問われることが多いため、この期間中に通院歴がなければそもそも告知の必要がないケースもあります。

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すでに治療が終了している人は、最終の通院がいつだったかを確認してみましょう。

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適応障害でローンは組める?

適応障害と診断されても、住宅ローンを組むこと自体は可能です。

ローンの審査では、主に年収や勤務先、勤続年数といった返済能力が問われます。

しかし、多くの金融機関では住宅ローンの契約時に「団体信用生命保険(団信)」への加入を必須条件としており、この団信の審査が障壁となることがあります。

詳しく見ていきましょう。

通常の団体信用生命保険では難しい可能性が高い

団体信用生命保険(団信)は、住宅ローンの返済中に契約者が死亡または所定の高度障害状態になった場合に、保険金でローン残高が完済される仕組みの保険です。

金融機関にとって貸し倒れリスクを避けるための重要な保障であり、加入には生命保険と同様の健康状態の診査があります。

適応障害を含む精神疾患の治療歴は告知事項に該当するため、通常の団信の審査では加入が認められない可能性が高いのが現状です。

適応障害でもローンを組む方法

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通常の団信に加入できなくても、住宅ローンを組む方法はあります。主な選択肢は「ワイド団信」と「フラット35」の2つです。

ワイド団信は、正式には「引受基準緩和型団体信用生命保険」といい、健康上の理由で通常の団信に加入できない方向けに、加入条件を緩和したものです。

高血圧や糖尿病、うつ病や適応障害などの治療歴がある場合でも、治療歴によっては加入できる可能性があります。

ただし、金利が年0.2%〜0.3%程度上乗せされるのが一般的です。

フラット35は、住宅金融支援機構と民間の金融機関が提携して提供する長期固定金利の住宅ローンです。

フラット35では、団信への加入が任意となっているため、健康上の理由で団信に加入できない人の最終的な選択肢になりえます。

団信に加入しない場合、ローン金利が年0.2%引き下げられます。

ただし、万が一の際にローンが残るリスクがあるため、別途民間の生命保険で備えるなどの対策を検討する必要があります。

当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年5月1日―2026年5月31日)

適応障害で告知書を書く時のポイント

保険や団信の申し込みで提出する告知書は、健康状態について申告する大切な書類です。

告知書は、事実をありのままに、かつ正確に記入する必要があります。

ここからは、適応障害で告知書を書くときにポイントとなる点をご紹介します。

診断時期を明確にする

まずは、適応障害と最初に診断された年と月を、正確に把握しておくことが大切です。

告知では、「いつからその病気の治療をしているのか」が大切なポイントになります。

一般的な告知書では、何年何月ごろから治療をしているか尋ねられるため、事前に初診日を確認しておきましょう。

記憶が曖昧な場合は、診察券や診療明細書、お薬手帳などで確認すると良いでしょう。

治療歴、投薬内容を時系列順に記入する

治療や投薬の内容を、時系列順にできるだけわかりやすく記入することも大切です。

記入しておくと良いこと

  • 通院期間:「〇年〇月~〇年〇月まで」のように具体的に申告します。現在も通院中であればその旨を記入しましょう。
  • 通院頻度:「月1回」「2週間に1回」など、通院のペースを記入します。
  • 投薬内容:処方された薬の名前、量、服用期間を正確に記入します。お薬手帳を参考にすると間違いがありません。
  • 入院の有無:入院歴がなければ無し、ある場合は入院期間を記入します。
  • 現在の状況:完治/治療中/経過観察中など、現在の状況を記入します。

治療によって症状が改善し、通院頻度や薬の量が減っている経過を示すことができれば、診査が有利な方向に進む可能性もあるかもしれません。

できるだけ、時系列順にどのような治療を行ってきたかを詳細に申告しましょう。

現在の就業状況を申告する

現在の仕事の状況も、診査における重要な判断材料です。

適応障害の症状がありながらも、休職せずに通常通り勤務できている、あるいは復職して安定して就労を継続している場合、症状がコントロールできているとみなされる場合があります。

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通常の保険に加入できなかった場合の選択肢

一般的な生命保険の診査に通らなかったとしても、保険加入を諦める必要はありません。

ここからは、適応障害が原因で保険に加入できなかった場合の選択肢をご紹介します。

引受基準緩和型保険

引受基準緩和型保険とは、持病や既往症がある方でも加入しやすいように、健康状態に関する告知項目が緩和されている保険です。

限定告知型保険」とも呼ばれます。

医療保険や死亡保険などで、緩和型の商品を販売している保険会社が複数あります。

通常の保険に比べて診査のハードルは低くなっていますが、その分、毎月の保険料は割高に設定されているのが一般的です。

加入時は、保障と保険料のバランスに注意しましょう。

保険料に納得の行く商品が見つかれば、緩和型の保険は適応障害の人にとって有効な選択肢となります。

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持病の悪化も保障対象となる点や、通常の保険と同様の特約などを付加できる商品も増えている点など、メリットも複数あります。

参考)引受基準緩和型保険の告知項目

引受基準緩和型保険の告知項目は保険会社によって異なりますが、一般的な項目は次のとおりです。

すべての質問に「いいえ」であれば、申込みが可能です。

適応障害の治療だけであれば質問に直接該当しないケースが多いため、加入を検討できるでしょう。

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ただし、直近で入院歴がある場合はほとんどの緩和型保険で加入が難しくなります。最低でも退院から1年以上経って保険を検討すると良いでしょう。

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がん保険

がん保険は、保障内容が「がん」に特定されているため、精神疾患の病歴が診査に影響しにくい保険のひとつです。

告知項目に精神疾患に関する質問が含まれていないことも多く、適応障害の治療歴があっても比較的加入しやすい傾向にあります

がんの治療は長引くことも多く、治療費が家計の負担になる可能性があります。

問題なく加入できるうちに、備えを検討しておくと良いでしょう。

無選択型保険

無選択型保険とは、健康状態に関する告知や医師の診査が一切不要で、原則として誰でも加入できる保険です。

引受基準緩和型保険の診査にも通らなかった場合の、最終的な選択肢となります。

ただし、加入のハードルが最も低い分、デメリットも大きくなります。

保険料は緩和型よりも高く設定されており、加入後一定期間は保障が開始されない商品も多くあります。

保障内容と保険料のバランスを慎重に検討する必要があるでしょう。

状況別:あなたが入れる保険の選択肢チェックリスト

自身の現在の状況によって、検討すべき保険の種類は異なります。

ここでは、3つのパターンに分けて、おすすめの選択肢を整理していきます。

診断から間もなくまだ通院中の場合

適応障害と診断されて間もなく、現在も治療を続けている段階では、残念ながら一般的な医療保険や死亡保険への加入は難しいのが現状です。

まずは、引受基準緩和型保険を検討してみましょう。

知項目が少なく、現在の通院・投薬状況が直接問われないことが多いため、加入できる可能性があります。

また、がんへの備えとしてがん保険を検討しておくのもおすすめです。

精神疾患の治療歴が問われないため、比較的加入しやすい保険です。

診断から2年以上経過している場合

診断から2年以上が経過し、症状が安定して通常の社会生活を送れている場合は、選択肢が広がります。

まずは、一般的な保険に申し込んでみる価値はあります。

ただし、保険会社によっては特別な条件が付いたり、診査に通らない可能性も念頭に置いておく必要があります。

もし一般的な保険への加入が難しかった場合、引受基準緩和型保険を検討しましょう。

一般の保険よりも保険料は多少割高になりますが、保障を確保できる可能性があります。

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通院終了から5年以上経過している場合

治療が終了し、最後の通院から5年以上が経過している場合は、一般的な保険に加入できる可能性が高くなります

多くの保険会社では、告知義務の対象期間が「過去5年以内」となっているため、この期間中に通院歴がない場合はそもそも告知する必要がない場合もあります。

適応障害以外に健康上の不安がないのであれば、まずは一般的なタイプの医療保険死亡保険を検討しましょう。

女性コンシェルジュ

複数の保険会社の商品を比較検討し、自身にとって最も保障内容と保険料のバランスが良いものを選ぶと、後悔のない保険選びになります。

オススメ医療保障30秒診断イメージ

Q1

入院時の費用は?

参考:

Q.適応障害でも共済には加入できる?

A.告知項目に該当する場合、加入できない可能性があります

県民共済等の共済保険は、告知項目に該当した時点で加入できなくなる「ノックアウト方式」を採用していることが多くなっています。

そのため、適応障害で治療中だったり、直近で通院歴がある場合は、加入できない可能性が高いでしょう。

ただし、共済組合によっては持病がある方向けの商品を取り扱っていることもあります。

まずは、検討中の共済組合に詳細を問い合わせてみることがおすすめです。

自分を守るための公的制度

適応障害と診断された場合、治療費や今後の収入について不安になるでしょう。

すべてを民間の保険に頼る必要はありません。

ここからは、適応障害と診断されてから利用できる公的制度をご紹介します。

自立支援医療

自立支援医療(精神通院医療)とは、適応障害を含む精神疾患の治療のために継続的に通院が必要な場合に、医療費の自己負担を軽減する制度です。

通常3割負担の医療費が、自立支援制度を利用することで原則1割負担に軽減されます。

さらに、世帯の所得に応じて1か月あたりの自己負担額に上限が設けられるため、経済的な負担を大きく減らすことができます。

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申請は、お住いの市区町村の担当窓口で可能です。

労災認定

職場の過重労働やパワーハラスメントなどが原因で適応障害を発症したと認められる場合、労働者災害補償保険(労災保険)の対象となる可能性があります。

労災と認定されると、治療費が全額支給されるほか、休業中は休業(補償)給付として給与の約8割が支給されるなど、手厚い補償が受けられます。

ただし、認定を受けるには「業務と発症との間に明確な因果関係があること」を証明する必要があり、ある程度のハードルがあります。

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申請を検討する場合は、労働基準監督署や専門家への相談を検討しましょう。

傷病手当金

傷病手当金とは、会社の健康保険に加入している人が、病気やケガで働くことができず会社を休んだ場合に、生活を保障するために支給される手当金です。

適応障害により医師から「労務不能」と診断され、連続して3日間休んだ後、4日目以降の休んだ日に対して支給されます。

支給額はおおよそ給与の3分の2で、通算で1年6カ月保障を受けることができます。

傷病手当金は「業務外」の病気やケガが保障される制度です。

女性コンシェルジュ

適応障害の原因が仕事にある場合は「労災認定」を、そうでない場合は「傷病手当金」を受給することになります。

まとめ

適応障害と診断されたからといって、保険への加入や住宅ローンの契約を諦める必要はありません。

大切なのは、自身の健康状態を整理したうえで、どんな選択肢があるかを理解しておくことです。

診断から間もなく現在も治療中の場合、保険は「引受基準緩和型保険」を、住宅ローンは「ワイド団信」や「フラット35」でのローン契約を検討しましょう。

反対に、現在すでに完治していて治療から一定期間経過している場合は、選択肢が広がる可能性があります。

女性コンシェルジュ

諦めずに、自分に合った商品を検討することが大切です。

ほけんのコスパでは、持病がある方向けの医療保険を複数掲載しています。

年齢と性別で保険料の見積もりも可能です。ぜひ保険選びの参考にしてください。

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監修者 ファイナンシャルアドバイザー/CFP®認定者

高橋 明香

みずほ証券(入社は和光証券)では、20年以上にわたり国内外株、債券、投資信託、保険の販売を通じ、個人・法人顧客向けの資産運用コンサルティング業務に従事。2021年に株式会社モニクルフィナンシャル(旧:株式会社OneMile Partners)に入社し、現在は資産運用に役立つコンテンツの発信に注力。1級ファイナンシャル・プランニング技能士、一種外務員資格(証券外務員一種)保有。

執筆者 保険ライター/2級FP技能士

橋本 優理

大学卒業後、ほけんの窓口グループ株式会社へ入社。約300組のライフプランニングを行い、保険販売業務に従事。その後、異業種にて法人営業を経験し、株式会社エイチームフィナジーで保険EC事業の立ち上げに参画。インターネット上で保険の無料相談ができるサービスの責任者として、自身も多くの世帯のライフプランニングを行う。2023年に株式会社モニクルフィナンシャル入社。経済メディア「LIMO」で300記事以上を執筆。現在は、より多くの人に、より気軽に、自分に合った保険の選び方を知ってほしいとの思いでコンテンツ制作や執筆作業に従事。 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、生命保険募集人資格、損害保険募集人資格保有。

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