配偶者や小さな子どもがいる家庭に比べ、独身者は保険の必要性を感じにくいかもしれません。
毎月引き落とされる保険料を見て、「独身なら保険を解約して貯金や投資に回したほうが良いのではないか」と悩む人も多いのではないでしょうか。
一方、大きな病気に罹患した際の医療費や生活費についてイメージできないため、保険を解約して本当に大丈夫か不安になる気持ちもあるでしょう。
独身者にとっての保険の必要性と、貯金がいくらあれば保険に入らなくても良いかの判断基準を紹介します。
この記事を読んでわかること
独身に高額な死亡保障は基本的に不要
自由に使える貯蓄が150万円以上あることが保険不要の目安
近くに頼れる親族がいない場合や貯蓄が不十分な場合は最低限の保険に加入しておくべき
目次
6.まとめ
「独身に保険はいらない」といわれる3つの理由
養う家族がいない独身者には、保険は不要と考える人も少なくありません。
まずは、独身に保険はいらないといわれる理由について考えていきましょう。
理由1:養うべき家族(遺族)がいないから
独身者に保険が不要と言われる主な理由として、万一の際に生活費をのこす必要のある家族がいないことが挙げられます。
既婚者で幼い子どもがいる世帯では、世帯主が亡くなった後にのこされた家族の生活費や教育費を確保するために、高額な死亡保険が必要です。
一方、独身者の場合は、自身の葬儀代や死後の整理資金程度を準備しておけば十分なケースがほとんどです。
最低限、葬儀費用として100万円〜200万円程度を見込んでおけば対応できるでしょう。
過度な死亡保障に加入して毎月の保険料を支払うよりも、貯蓄や投資に資金を回して自身の将来に備えるほうが、独身者にとっては合理的な選択と言えます。
自身の資産状況と必要な整理資金を算出し、過剰な死亡保険に加入していないか確認してみましょう。
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理由2:公的医療保険(高額療養費制度など)が充実しているから
日本の公的医療保険制度は、諸外国と比べても充実しており、高額な医療費負担によって治療が受けられなくなることはほとんどありません。
医療費負担は1~3割と定められており、さらに1カ月の医療費負担には「高額療養費制度」で上限額が設けられています。
医療費が青天井になることはないため、ある程度貯蓄があれば想定外の入院や手術にも対応できる可能性があります。
また会社員や公務員の場合、業務外の病気やケガで長期間働けなくなった際には、傷病手当金として給与の約3分の2が通算1年6カ月保障されます。
医療費の自己負担を抑えられる制度に加え、収入が突然途絶えないようなセーフティーネットがあるため、過剰な民間保険は不要と考える人も多いようです。
公的医療保険の保障内容を正しく理解し、公的保障でまかなえない部分のみを民間の保険で補うという考え方を意識しましょう。
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理由3:いざというときは両親に頼ることができるから
独身者の場合、万一の病気やケガで一時的に収入が途絶えたり、高額な医療費が必要になったりした際に、両親など親族の金銭的支援を受けやすい環境にあることも、保険の必要性を感じにくい要因のひとつです。
親族と同居している場合や、近くに頼れる家族がいる場合、緊急時の資金援助を頼むこともできるでしょう。
特に20~30代の独身者であれば、不測の事態には実家を頼ることを想定している人も多いかもしれません。
とはいえ、親族の経済状況や関係性により頼れる度合いは異なるため、親族の支援を前提とする場合はあらかじめもしもの時にどの程度資金援助を受けられるか確認しておくことが大切です。
また40代以降の独身者の場合、両親が年金生活に入ったり、介護が必要になったりすることで、いざというときに頼れなくなるリスクもあるため注意しましょう。
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独身で保険がいらない「貯金額」の目安はいくら?
自由に使える貯蓄が一定以上あれば、突発的な医療費負担にも対応でき、民間の保険に頼らなくても良い可能性があります。
ここからは、もしものときにかかる費用や公的保障から、どれだけ貯蓄があれば良いかを考えていきます。
入院・手術にかかる医療費の自己負担目安
病気やケガで入院・手術をした場合、公的医療保険を利用しても自己負担となる費用が発生します。
高額療養費制度を利用すれば、一般的な収入の人で1カ月8~9万円程度の負担にとどまりますが、入院が2カ月以上になるとその分自己負担は大きくなります。
また、個室療養の際にかかる差額ベッド代や、入院時の食事代、日用品のレンタル費用などは高額療養費制度の対象外です。
生命保険文化センターの調査によると、1回の入院の自己負担費用は平均18.7万円となっています。
公的保障を最大限活用しても、一時的にまとまった資金が必要となることを理解しておくことが大切です。
(参考:2025(令和7)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター)
参考)高額療養費制度とは
高額療養費制度とは、1カ月の医療費の自己負担額が年齢や所得に応じた上限額を超えた場合、超過分が払い戻される公的医療保険の制度です。
現役世代の場合、上限額は次のとおりです。
年収約370~約770万円の人の場合、医療費の総額が100万円かかったとしても、「8万100円+(100万円-26万7000円)×1%=8万7430円」となり、9万円以内に収まる計算です。
ただし、差額ベッド代や食費はこの制度の対象外です。また、先進医療や自由診療といった公的保障対象外の治療を受けた場合も、全額自己負担が必要になります。
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働けなくなったときの生活費の目安
病気やケガで休職した場合、治療費だけでなく生活費の確保も必要です。
会社員や公務員であれば傷病手当金を受け取ることができますが、収入はこれまでの約3分の2に減少します。
一方で、家賃や水道光熱費などの固定費は休職中も継続して発生します。
医療費の負担も重なる中、一時的に家計が苦しくなるリスクを考慮しておきましょう。
また、傷病手当金は自営業・フリーランスで働く人は受け取ることができません。
働くことができなくなると途端に収入が途絶える恐れがあるため、注意が必要です。
総務省の家計調査によると、単身の勤労者世帯の消費支出は、1カ月あたり約19万1500円となっています。
働けなくなる事態に備え、最低でも半年分の生活費をまかなえるだけの貯蓄を確保しておくのが良いでしょう。
(参考:家計調査(2025年)|総務省)
参考)傷病手当金とは
傷病手当金は、会社員や公務員が加入している健康保険組合から支払われる所得補償のための給付金です。
業務外の病気やケガで連続して3日間休業し、4日目以降も働けず給与が支払われない場合に支払われます。
支給額は標準報酬日額の3分の2に相当する金額で、働けない状態が続く限り、支給開始日から通算1年6カ月保障されます。
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自由に使える貯蓄が150万円以上あれば保険が不要なケースも
医療費の自己負担額と休職時の生活費不足分を考慮すると、独身者の場合は自由に使える貯蓄が150万円程度あれば、民間の医療保険や就業不能保険は不要と考えることもできます。
入院費用の平均約20万円と、生活費の不足分(毎月約5万円〜10万円の不足が半年〜1年続いた場合として30万円〜120万円)を合算すると、最大で150万円程度が必要になります。
自由に引き出せる現金や普通預金で150万円以上の資産を保有していれば、不測の事態にも自己資産で対応できるでしょう。
自営業やフリーランスで働く人は傷病手当金を受給できないため、生活費の不足分が大きくなる可能性があります。
現在の家計の状況に合わせて、いくら貯蓄があれば安心かをシミュレーションしてみましょう。

Q1
入院時の費用は?
注意点:老後のための資金や用途が決まっているお金は取り崩さない
貯蓄額を計算する際は、結婚資金や車の購入費用、老後資金など、明確な用途が決まっている資金を含めないよう注意が必要です。
医療費や生活費の補填として用途が決まっているお金を取り崩してしまうと、ライフプランが崩れる原因になります。
また、iDeCo(個人型確定拠出年金)やNISAで運用中の老後資金は、原則として途中引き出しを想定していない資産です。
不測の事態に備える資金は、生活防衛資金としていつでも引き出せる流動性の高い預貯金で確保することが鉄則です。
総資産額ではなく、緊急時に自由に使える現金の額で、民間の保険の必要性を判断することが大切です。
【種類別】独身にとって「必要性の低い保険」と「検討しておくべき保険」の仕分け方
保険を選ぶ際は、貯蓄額とリスクの大きさに応じて優先順位をつけることが大切です。
ここからは、独身者にとって必要性の低い保険と、検討しておくべき保険について解説します。
【必要性が低い】高額な死亡保険
死亡保険は本来、のこされた家族の生活を支える目的で加入するものです。
養うべき家族がいない独身者の場合、自身の葬儀費用や遺品整理にかかる費用のみ準備できていれば基本的には問題ありません。
葬儀費用等の目安は100万円〜200万円程度で、預貯金でまかなえる場合は死亡保険自体不要とみなすこともできます。
預貯金が少ない場合でも、少額の死亡保障で十分対応可能です。
高額な死亡保障のある生命保険に加入している人は、保障額を最小限に減額するか、解約して保険料を貯蓄に回す見直しを優先して行いましょう。
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【貯金額次第】医療保険・がん保険
医療保険やがん保険の必要性は、現在の貯蓄額によって大きく異なります。
公的医療保険の高額療養費制度があるため、医療費の自己負担が青天井になることはありません。
自由に使える貯蓄が150万円以上ある場合は、医療費や一時的な減収を自身の資産でカバーできるため、医療保険の必要性は低くなるでしょう。
ただし、がんは退院後も通院治療が長引くリスクが高い病気です。
貯蓄が十分にあったとしても、長期の通院治療やがんによる収入減少に備えられるよう、最低限のがん保険に加入しておくことをおすすめします。
また自由に使える貯蓄が150万円未満の人や、突発的な医療費負担に対応できない可能性がある人は、医療保険とがん保険への加入を検討しておくと良いでしょう。
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【検討しておきたい】就業不能保険(働けなくなるリスクへの備え)
独身者にとって最も経済的ダメージが大きいのは、病気やケガで長期間働けなくなり収入が途絶えるリスクです。
会社員には傷病手当金がありますが、支給期間は通算1年6カ月に限定されており、支給額も元の給与の約3分の2に減少します。
重篤な病気で数年単位の休職を余儀なくされた場合、徐々に家計へのダメージが大きくなっていく可能性があります。
民間の就業不能保険に加入していれば、所定の就業不能状態が続く限り、毎月定額の給付金を受け取ることができます。
ある程度資産を保有している独身者ほど、長期間の就業不能など大きなリスクにだけ効率的に備えておくのと良いでしょう。
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独身でも保険で備えておいたほうが良いケース
個人個人が置かれている状況によって、民間の保険で備えておいたほうが良い場合もあります。
ここからは、独身でも保険加入を検討しておくべきケースをご紹介します。
結婚の予定がある場合
近い将来に結婚を予定している場合は、結婚後のリスクに備えて早めに保険へ加入しておくのも選択肢のひとつです。
結婚して配偶者や子どもを持つことになれば、死亡保険や医療保険の必要性が高くなります。
年齢が若いうちに保険に加入しておけば、毎月の保険料を安く抑えられるメリットがあります。
また、生命保険に加入する際は健康状態の診査を受ける必要があります。
保険に加入する時期を後回しにして、健康状態が悪くなってしまうと、新たな保険に加入できなくなることも考えられます。
具体的に結婚の予定がある場合は、健康なうちに保険の検討を済ませておくのも合理的です。
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もしものとき両親や兄弟に負担をかけたくない・頼れる家族が近くにいない場合
実家が遠方にある人や、親族に経済的・肉体的な負担をかけたくない人は、保険での備えが重要になります。
病気やケガで入院した場合、頼れる家族が近くにいないと、身の回りの世話や医療費等の出費をすべて自分で負担しなければなりません。
ペットを飼っている場合はペットホテルやペットシッターの料金がかかることもあるでしょう。
費用を節約するために、個室での療養を諦めざるをえなくなるかもしれません。
医療保険に加入していれば、入院費用以外の雑費や、差額ベッド代も給付金でまかなえる可能性があります。
また、万一亡くなった際の葬儀費用や遺品整理の費用を親族に負担させたくない場合、最低限の死亡保険に加入しておくのが良いでしょう。
葬儀費用や整理資金として、200万円前後の保障を確保しておけば安心です。
女性特有の病気に手厚く備えたい場合
女性の場合、乳がんや子宮頸がん、子宮筋腫などの女性特有の病気のリスクを強く感じている人も多いでしょう。
女性特有の病気は20代〜30代の若年層でも発症率が高く、入院や手術だけでなく、退院後の通院治療が長期化する可能性があります。
医療保険に女性疾病特約を付加するか、女性専用の医療保険に加入することで、女性特有の病気で入院・手術をした際の上乗せ給付を受け取ることができます。
女性疾病に罹患したときの精神的なストレスは、非常に大きなものです。
貯蓄状況にかかわらず、安心料として女性疾病に特化した保障を確保しておくのも選択肢のひとつです。
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年齢が上がり、病気のリスクが高まってきた場合(40代以降)
40代以降になると、がんや脳卒中、心疾患などの三大疾病をはじめとする生活習慣病のリスクが高くなっていきます。
健康診断で指摘事項が増えてくると、保険に入りづらくなるケースもあります。
健康状態に少しでも不安を感じる人は、最低限の医療保障を確保しておくと安心です。
病気になってから「保険に入ろうとしたけど入れなかった」という事態を防ぐためにも、加入審査に通るうちに保険に入っておくことはとても大切です。
特に40代以降は、自身の健康状態と貯蓄額をあらためて見直し、老後のリスクもふまえて「終身タイプ」の医療保険やがん保険への加入を検討することをおすすめします。
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貯蓄が少なくいざというときの医療費負担に不安がある場合
就職して間もない新入社員や、十分に貯蓄ができていない人は、公的保障だけでは医療費をまかなえない恐れがあります。
手元に自由に使える預貯金が150万円未満の場合、高額療養費制度を利用しても、一時的な支払いや生活費の補填に対応できない恐れがあります。
目標を決めて貯めているお金や、老後のために続けているNISAを取り崩す事態はできるだけ避けたいものです。
貯蓄が目標額に達するまでは、もしもの事態に備えて民間の保険に加入しておくのが良いでしょう。
代HS-25-529-430(2026.2)
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当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2026年5月1日―2026年5月31日)
貯金が少ない独身者が最低限の備えをするためのポイント
独身で十分に資産形成ができていない人が保険を選ぶ際は、毎月の負担を抑えつつ必要な保障を確保するための工夫が必要です。
ここからは、効率的な保険選びのポイントをご紹介します。
貯金が目標額に達するまでの「つなぎ」として保険を活用する
貯蓄が少ない期間のリスク管理として、民間の保険を一時的に利用するのも考え方のひとつです。
保険は必ずしも一生涯加入し続けなければならないものではありません。
たとえば、自由に使える貯蓄が150万円に達するまでといった明確な目標を設定し、目標達成までの期間だけ定期型の掛け捨て医療保険に加入する方法もあります。
十分な貯蓄ができたら医療保険を解約し、もしものときは自己資金で対応すると決めるのも良いでしょう。
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複数の保険を比較して無駄のない保障を選ぶ
保険を選ぶ際は、1つの保険会社に絞らず、複数の保険商品で比較検討をしましょう。
保険会社ごとに保険料の設定や保障内容は大きく異なり、同じ保障額でも毎月の支払額が異なる場合があります。
また、不要な特約を外して基本保障のみのシンプルなプランを選ぶことで、保険料を大幅に削減することも可能です。
複数社の商品をひとつずつ調べるのが難しい場合は、インターネットの比較サイトを利用するのもおすすめです。
年齢と性別を入力するだけで、一括見積もりが取れる機能を上手に活用してみましょう。
まとめ
独身であっても、貯蓄額によっては民間の医療保険に加入しておくべきケースもあります。
公的保障の内容を把握したうえで、必要最低限の保障を確保できるよう工夫することが大切です。
保険選びの際、複数の商品から自分に最適なプランを見つけるのが難しいと感じる人も少なくありません。
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まずは、年齢と性別で保険料の目安を調べることから始めてみましょう。
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