共働きが一般的になった今、夫婦のどちらかにもしものことがあったら、生活はどうなるだろうと不安を抱えている人も少なくないでしょう。
順調な時は安定している共働き世帯の家計ですが、一度バランスが崩れると「共倒れ」という深刻な事態に陥るリスクをはらんでいます。
本記事では、共働き夫婦特有のリスクと、保険で効率的に備える方法をご紹介します。
「どんな保険に加入したらよいか分からない」「公的保障があれば十分?」と迷っている人はぜひ参考にしてください。
この記事を読んでわかること
病気やケガでどちらかの収入が減少するリスクに注意
ペアローンの場合、団信保障の内容を確認しておくことが大切
まずは働けない状態に備える「就業不能保険」がおすすめ。医療費負担に備えて医療保険やがん保険も別途検討しましょう
目次
7.まとめ
共働き夫婦が直面する「共倒れ」の原因とは?
共働き夫婦の家計は、夫婦双方の収入があることを前提に成り立っているケースが多いでしょう。
そのため、夫婦のどちらかが病気やケガで働けなくなると、家計のバランスが一気に崩れる恐れがあります。
また、家事や育児など日々の生活を維持していくのにも、大きな負担がかかります。
まずは、共働き夫婦が「共倒れ」してしまう原因について見ていきましょう。
①収入の減少:片方の収入が途絶えても固定費(ローン等)は減らない
夫婦のどちらかが長期的に働けなくなると、世帯収入は大幅に減少します。
しかし、住宅ローンや子どもの教育費、水道光熱費といった毎月の固定費は、収入が減っても変わらずにかかり続けます。
特に住宅ローンは、契約者が亡くなることがあれば免除されますが、ペアローンの場合団信の保障内容によってはもう一方の借入額は免除にならないこともあります。
また、病気やケガで働けなくなった場合、収入が減少する中、生活費はこれまで通り必要になります。
ローン返済も基本的に免除になりません。
生活水準を維持するのが困難になり、教育費や老後のための貯蓄が思うようにできなくなるリスクもあるでしょう。
共働きの収入を前提に家計を回している家庭の場合、もしものときへの備えを検討しておくことが大切です。
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②支出の増加:家事・育児を外注せざるを得ない費用
収入が減少する一方で、支出はむしろ増加する可能性があります。
これまで夫婦で分担していた家事や育児、親の介護などを、働きながら一人で担うのは現実的ではありません。
その結果、家事代行サービスやベビーシッター、介護サービスの利用が必要になり、新たな費用が発生します。
近くに頼れる親族がいればある程度の支援を受けられるかもしれませんが、両親が高齢の場合や介護が必要な場合、民間のサービスを利用しながら生活を維持していく必要性が出てくるでしょう。
収入の減少だけでなく、支出の増加という面からも、共働き夫婦のどちらかにもしものことがあったときのリスクは高いといえます。

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「公的保障があるから大丈夫」の落とし穴
「働けなくなっても、国からの公的保障があるから大丈夫」と考える方もいるかもしれません。
確かに、傷病手当金や遺族年金といった制度は、万が一の際の重要なセーフティーネットです。
しかし、公的保障だけで共働き世帯の生活水準を維持するのは難しい場合が多いのが現実です。
公的保障の落とし穴について見ていきましょう。
会社員の傷病手当金は「月給の約3分の2」かつ「通算1年6カ月」
会社員が病気やケガで働けなくなった場合、健康保険から「傷病手当金」が支給されます。
支給額は給与のおよそ3分の2で、仕事復帰するまで通算1年6カ月保障されます。
働けなくなった時の重要な収入源になる傷病手当金ですが、注意点もあります。
1つ目は、収入が約67%に減少する点です。
例えば月収40万円の人の場合、傷病手当金で受け取れるのは約26万7000円です。
1カ月あたり約13万円の収入減となり、社会保険料や住民税の支払いも免除されません。
また、年3回以下のボーナスは傷病手当金の計算に含まれないため、年収ベースではさらに減少する恐れがあります。
2つ目の注意点は、支給期間に上限がある点です。
通算1年6カ月を超えて療養が長引いた場合、傷病手当金の支給は終了してしまいます。
障害の程度によっては傷害年金を受給できる可能性もありますが、必ず受け取れる保障があるわけではありません。
長期の療養が必要になった場合、傷病手当金だけでは家計を支えきれないリスクがあることを理解しておく必要があるでしょう。
(参考:高額療養費制度を利用される皆さまへ|厚生労働省)
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共働き世帯の遺族年金は、実は手薄になるケースも
一家の大黒柱が亡くなった際に遺された家族の生活を支える公的制度が「遺族年金」です。
遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があります。
「遺族基礎年金」は、18歳未満の子どもがいる場合に支給されますが、子どもがいない夫婦の場合は支給されません。
会社員の夫が亡くなった場合、妻は「遺族厚生年金」を受け取れますが、妻自身の年収が850万円以上あると支給が停止される場合があります。
また、妻が亡くなった場合の遺族厚生年金の受け取りには夫の年齢制限があるため、より支給条件が厳しくなっています。
共働き世帯の働き方や家族構成によっては、遺族年金の保障が想定より手薄になる可能性があるため、注意が必要です。
(参考:遺族年金|日本年金機構)
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共倒れリスクを回避するために優先すべき3つの保障
公的保障だけではカバーしきれないリスクに備えるためには、民間の保険を検討する必要があります。
とはいえ、やみくもに保険に加入すると保険料が家計を圧迫してしまいます。
共働き夫婦が共倒れリスクを回避するために、家計への影響が大きい順に保障の優先順位をつけることが重要です。
共働き夫婦が備えておきたい3つのリスクをご紹介します。
【最優先】働けなくなったときの生活を支える「就業不能保険」
共倒れリスクへの備えとして、最も優先しておきたいのが「就業不能保険」です。
死亡するリスクよりも、病気やケガで「生きていて働けない」状態が続く方が、長期間にわたり家計を圧迫し続ける恐れがあります。
特に共働き世帯の場合、片方が働きながら家事育児、看病すべてを担うのは負担が非常に大きくなってしまいます。
就業不能保険は、所定の働けない状態が一定期間続いた際、毎月給付金を受け取ることができる保険です。
働けない状態が継続している限り、保険期間が満了するまで保障を受けられるものが一般的です。
傷病手当金だけでは不足する毎月の生活費や、傷病手当金が終了した後の長期療養にも備えることができるメリットがあります。
公的保障が手薄な自営業やフリーランスで働く人はもちろん、会社員にとっても、長期療養中の生活費を確保するための重要な備えといえます。
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【固定費対策】万が一の際も住まいを守る「団信」の再確認
家計における最大の固定費である、住宅ローンへの備えも不可欠です。
住宅ローンを組む際に加入する「団体信用生命保険(団信)」は、契約者が死亡または高度障害状態になった場合に、ローンの残債が保険金で完済される仕組みの保険です。
ペアローンの場合、団信の保障内容によっては片方が亡くなった際の残債に注意する必要があります。
「夫婦連生団信」ではない場合、残された人のローン残債は弁済されないため、返済が続くことになります。
いま一度、団信の保障内容について確認をしておくようにしましょう。
また、死亡・高度障害のみ保障される団信なのか、がんや三大疾病特約付きの団信なのかによっても、どの程度民間の保険で備えておく必要性があるかは異なります。
加入している団信の保障範囲を改めて確認し、必要であれば保障を手厚くすることも検討しましょう。
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【予備費対策】治療費と家事代行費をカバーする「医療・がん保険」
入院や手術で医療費が高額になった場合、公的制度の「高額療養費制度」を利用することで、1カ月の負担額は一定まで抑えることができます。
ただし、健康保険が適用されない先進医療の技術料や、差額ベッド代、入院中の食事代などは高額療養費制度の対象外です。
想定以上に支出が増えることもあるため、医療保険やがん保険で最低限の備えを準備しておくことが必要です。
また、治療中や療養中に家事代行サービスなどを利用することもあるかもしれません。
医療費の負担に加え、生活を維持するための「外注費」も重なることで、家計のバランスが崩れる恐れがあります。
特にがんなどの治療が長引く病気に罹患すると、経済的な負担も大きくなります。
貯蓄を取り崩さないためにも、民間保険の活用を検討しましょう。
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賢い夫婦が実践する「無駄のない保険加入」のポイント
共倒れリスクに備える必要性はあっても、保険料の支払いで今の生活が苦しくなっては意味がありません。
家計を圧迫することなく、合理的にリスクに備えるためのポイントをご紹介します。
夫婦それぞれの保障を「個別」に持つべき理由
保険商品の中には、夫婦の一人を主契約者とし、もう一人を特約で保障する「夫婦型」の保険があります。
一見、管理が楽で保険料も割安に感じられるかもしれませんが、共働き夫婦にはあまりおすすめできません。
夫婦型の保険は、主契約者が亡くなったり、保険を解約したりすると、配偶者の特約部分の保障も同時に消滅してしまうリスクがあります。
また、離婚する際に保障を分けることが難しいデメリットも知っておく必要があります。
共働き夫婦は、それぞれが独立した働き手として、リスクに備えておくことが大切です。保険も夫婦それぞれが自分名義で「個別」に契約すると良いでしょう。
収入バランスに合わせた「保障額の傾斜」をつける
夫婦で必要な保障額は、それぞれの収入や家計への貢献度によって異なります。
例えば、夫の収入が世帯収入の7割、妻が3割を占めている場合、同じ保障額を準備する必要はありません。
家計への影響が大きい夫の保障を手厚くし、妻の保障は少し抑えるといったように、収入バランスに合わせて保障額に傾斜をつけるのが合理的です。
夫婦それぞれの万が一の際に、家計にどの程度の影響が出るかをシミュレーションし、不足分を補う形で保障額を設定することで保険料を最適化しましょう。
今の備えで足りる?共倒れリスクを判定するチェックリスト
自身の家庭が共倒れリスクにどの程度備えられているか、確認してみましょう。
次の項目にいくつ当てはまるか、夫婦で一緒にチェックしてみてください。
・すべてYES→リスク低:現状は問題ありません。収入や家族構成が変わるタイミングで保険の見直しをしましょう
・NOの数が1~3個→リスク中:すぐに共倒れになる可能性は少ないが、もしものときに生活の質を下げるなどの必要が出て来る可能性があります。保険の内容を見直してみましょう。
・NOの数が4個以上→リスク高:もしもの時に家計のバランスが大きく崩れてしまうリスクがあります。必要な保障を見直しましょう。

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「夫婦の共倒れ」に関するよくある質問(FAQ)
ここからは、共働き夫婦が抱えているリスクについてのよくある質問に、プロが分かりやすく回答します。
Q. 共働きの場合、夫が亡くなっても遺族年金はもらえないって本当?
A.必ずしももらえないわけではありませんが、注意が必要です。
まず18歳未満の子どもがいない場合、「遺族基礎年金」は支給されません。
また、妻自身の年収が850万円以上ある場合、夫が亡くなっても「遺族厚生年金」は支給されない可能性があります。
自身の家庭が遺族年金支給の対象になるか、年金事務所などで確認しておくのがおすすめです。
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Q. 住宅ローンの「ペアローン」を組んでいますが、片方が倒れたらローンはどうなる?
A.「夫婦連生団信」でない場合、それぞれの契約者が自身の持ち分に対してのみ適用されます。
例えば、夫が亡くなった場合、夫のローン残債は団信で完済されますが、妻のローン残債はそのまま残ります。
片方の収入がなくなる中で、残された側が自身のローンを払い続ける必要があるため、別途生命保険で備えるなどの対策が必要です。
ただし、夫婦連生団信に加入している場合は、片方に万が一のことがあった場合ローンの全額が完済されます。
改めて、団信の保障内容について確認しておくのが良いでしょう。
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Q. 医療保険と就業不能保険、どちらを優先すべき?
A.一概にはいえませんが、家計への影響の大きさで考えると「就業不能保険」の優先度が高い可能性があります。
医療保険は短期的な出費に備えるものですが、日本の公的医療保険制度は充実しており、貯蓄でもある程度対応できるケースもあります。
一方、就業不能保険は長期的な収入減少をカバーするもので、確率は低くてもいざ直面すると経済的な負担が大きいリスクに備えておくことができます。
ある程度貯蓄が確保できており、多少の入院費であれば自費で賄えるのであれば、就業不能保険を優先して検討すると良いでしょう。
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Q. 夫婦で1つの「夫婦型保険」に入るのは、バラバラに入るよりいいの?
A.共働き夫婦にはあまりお勧めできません。
夫婦型保険は、主契約者が亡くなると配偶者の保障(特約)も消滅してしまうリスクがあります。
また、離婚時に保障を分けにくいというデメリットもあります。
夫婦型保険のほうが保険料が抑えられるのでは?と疑問に思う人もいるかもしれません。
しかし近年では、複数社で保険料比較をして保険料が安い商品同士を組み合わせることで、コストを抑えて保障を準備することも可能です。
それぞれが独立してリスクを管理できるよう、保険は個別で加入する方が合理的です。
Q. 精神疾患(うつ病など)で働けなくなった場合も保険でカバーできる?
A.商品によっては精神疾患による入院は保障されますが、在宅療養の時点では保障されないことが一般的です。
就業不能保険は一般的に、病気やケガによって働けなくなった際に保障される保険です。
在宅療養を続けている状態でも給付金は受け取れますが、精神疾患は例外として扱われることがほとんどです。
精神疾患を保障対象としている就業不能保険の場合でも、入院時のみ保障など厳しい条件が付いています。
加入する際は、必ず保障範囲の確認をしましょう。
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まとめ
共働き夫婦の家計は、夫婦どちらか一方の収入が途絶えることで一気にバランスが崩れる可能性があります。
傷病手当金や遺族年金などの公的保障は大切な支えになりますが、それだけで生活水準を維持するのは難しいのが現状です。
共働き夫婦の共倒れを防ぐために、まずは長期療養による収入減に備えられる「就業不能保険」を優先的に検討しましょう。
その他、家計のバランスなども考慮しながら医療保険やがん保険などの医療保障も検討しておくことがおすすめです。
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保険選びに迷っている人はぜひ参考にしてください。
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