人生の折り返し地点を迎え、健康や将来への漠然とした不安を感じ始める50代の人も多いのではないでしょうか。
一方で、子どもの教育費や住宅ローンなど、家計への負担も大きい時期です。
もしものときに備えて保険を検討しているけれど、「今から保険に入るのは遅い?」「どんな保険が必要?」と悩む人もいるかもしれません。
50代の保険加入状況のデータを元に、50代に必要とされる保障の種類や選び方のポイントをプロの視点から詳しく解説します。
この記事を読んでわかること
50代の保険加入率は男性で86.9%、女性で87.8%
1人あたり平均医療費は50~54歳で17万7600円、55~59歳で22万7300円
50代の主な死因は、悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患が上位を占める
目次
50代で保険に入っていない人の割合【データから見る】
50代で保険に入っていない人はどのくらいいるのでしょうか。
まずは、実際のデータからその割合を見ていきましょう。
50代で保険未加入の人は意外と少ない?
生命保険文化センターの調査によると、50代の保険加入率は男性で86.9%、女性で87.8%となっており、全年代で最も加入率の高い年齢層となっています。
50代で保険未加入の人は15%に満たないといえます。
50代は子育て中の世帯も少なくありません。
子どもがいる世帯では万が一に備える死亡保険の必要性が高まります。
また、若いころに比べれば健康に関する不安も高まる年齢です。
リスクの高さが保険に入っておく動機につながっているのかもしれません。
(参考:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター)
当サイト経由での契約件数および各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出(2025年10月1日―2025年10月31日))
50代の平均払込保険料
50代の保険加入者は、毎年いくらくらいの保険料を負担しているのでしょうか。
生命保険文化センターの調査では、50代の平均払込保険料は男性で年25.5万円、女性で年19.0万円。
1カ月に換算すると男性は2万1250円、女性は1万5833円となります。
全年代の中で、最も平均払込保険料が高額なのが50代です。
責任の大きい世代であることや、健康リスクに関する不安が高まることに加え、加入時点での保険料が高いことも理由として考えられそうです。
(参考:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター)
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50代の平均医療費
年齢が高くなると医療機関を受診する機会が増え、年間に支払う医療費の総額も上がってくることが知られています。
厚生労働省の統計によると、1人あたり平均医療費は50~54歳で17万7600円、55~59歳で22万7300円となっています。
20代と比べると2倍以上の医療費を支払っていることになります。
統計上はその後も医療費負担が増えていきます。
公的健康保険によって自己負担額は抑えられるとはいえ、自分でも備えを持っておきたいと考える人もいるでしょう。
(参考:令和4(2022)年度 国民医療費の概況|厚生労働省)
あなたの年齢で医療保険の保険料はいくら?
50代に多い死因
50代の死因は、悪性新生物(がん)、心疾患、脳血管疾患が上位を占めます。
厚生労働省の「人口動態統計」によると、50代では特にがんの発症率が上昇し始める傾向にあります。
がんの部位別では、男女ともに肺がんや大腸がん、胃がんなどが多く見られます。
また、食生活や生活習慣が影響しやすい心疾患や脳血管疾患も、50代からリスクが高まるため注意が必要です。
働き盛りのこの年代でこれらの病気にかかると、長期の治療が必要になったり、働き方を見直したりするケースがあり、本人だけでなく家族の生活にも経済的な大きな影響を及ぼす可能性があります。
(参考:死亡数・死亡率(人口10万対),性・年齢(5歳階級)・死因順位別|厚生労働省)
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なぜ50代で保険が必要なのか?今、直面する3つの大きなリスク
保険の加入率が50代でピークを迎えるのは、この年齢層の人には特有のリスクが意識されるからと考えられます。
50代で保険が必要とされる理由を、3つのリスクから考えてみましょう。
リスク①:病気やケガによる高額な医療費
50代は生活習慣病が顕在化する年代です。
統計上、がんや脳卒中、急性心筋梗塞などの発症リスクが高まることが知られています。
三大疾病は在宅での治療が長期におよび、医療費が高額になることがあります。
公的健康保険で医療費の自己負担割合は3割になり、高額療養費制度を活用すれば、さらに自己負担額は抑えられます。
しかし、万単位の医療費支出が何カ月も続くとすれば、どうでしょう。
家計の大きな負担になってしまうのではないでしょうか。
ただでさえ子どもの教育費がピークに達し、やりくりの厳しい家庭も少なくありません。
公的保障だけでは十分とはいえないでしょう。
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リスク②:老後の生活費への影響(病気・介護・収入減)
50代は職場でも責任のある立場を任される年代です。
NISAやiDeCoを活用しながら老後の資産形成に取り組む人が増えています。
何十年も時間をかけて取り組む積立投資の前提は、日々働いて安定的に収入を得ていくことです。
その土台が心身の健康であることはいうまでもありません。
50代はセカンドライフの経済基盤を作り上げるうえでも大切な年代です。
将来の自分のためにも収入を得られなくなったときの保障の必要性が増してきます。
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リスク③:万が一の際にのこされる家族への経済的負担
50代で家庭を持っている人は、万一のときに家族が負う経済的な負担ついても思いを巡らせる必要があります。
配偶者や子どもは、自分の存在なしにその後の生活を安心して送ることができるでしょうか。
遺族年金など公的制度による支えはありますが、亡くなった人が家族にもたらしていた収入のすべてを代替できるほどの金額にはなりません。
50代は子どもの教育費が本格的にかかる年代でもあります。
のこされる家族の経済的負担も考慮して、保障の優先順位を検討しましょう。
50代からでも間に合う!今すぐ検討すべき「最低限入っておくべき保険」
50代から保険加入する場合、どんな保険から検討すればよいのでしょう。
優先順位の高い「最低限入っておくべき保険」について考えてみましょう。
まずは医療保険から備える
50代から保険加入を検討する場合、まずは入院や手術の保障を得られる医療保険から検討すると良いでしょう。
生命保険文化センターの調査では病気やケガによる医療費支出に対する備えとして、保険を活用している人は68.8%に上ります。
40~60代で特にその割合は高く、70%を超えます。
特に50~60代の女性は77%に達しています。
加齢による体の衰えにより病院を利用する機会が増えるため、病気やケガの種類を問わず、幅広いリスクに備えられる医療保険の特徴が、年配の人の安心感につながっているようです。
近年は入院期間が短くなっているため、入院日額を抑えて一時金を厚くするプランが一般的となっています。
(参考:2022(令和4)年度 生活保障に関する調査|生命保険文化センター)
あなたの年齢で医療保険の保険料はいくら?
がん保険や三大疾病保険で大きなリスクに手厚く備える
がんや、脳血管疾患、心疾患を含む三大疾病に限定して、罹患したときに給付金を受け取ることができる保険もあります。
三大疾病は治療期間が長期に及んだり、場合によっては働き方の見直しが必要になったりするケースがあり、入院時のみを保障する医療保険では、安心して療養できるだけの十分な給付金を受け取ることができない事態が考えられます。
そのため、三大疾病のいずれかに罹患したときにまとまった一時金を受け取れる「三大疾病保険」を取り扱う保険会社が増えています。
心配な場合は医療保険の上乗せとして、検討すると良いでしょう。
医療保険と別契約にすることで、加入後のメンテナンスを容易にすることもできます。
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家族がいる場合は、死亡保険も必要性が高い
家族がいる場合は、万が一の死亡にも備えておく方がよいケースもあります。
例えば学齢期の子どもがいて、まだこれから大学費用の支出がある場合などです。
備えがない状態で万が一の事態が起こると、子どもの進路が大きく変わってしまう可能性もあります。
教育費の支出は金額が大きい一方で、子どもが卒業すれば必要になることはありません。
そのため、掛け捨てタイプの保険で、一定期間に限って大きな保障を持つことができる定期保険を活用することが理にかなっています。
一方で葬儀代など、将来必ず発生するものの金額が大きいわけではない支出に対する備えには、終身保険の活用が有効です。
万一の際に必要な資金を分類して、かかる資金に応じた保険を組み合わせることが大切です。
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50代からの生命保険の選び方
50代から生命保険に加入するには、毎月の保険料支払いや健康状態の告知など、クリアすべきポイントがいくつかあります。
自分にあった保険を選ぶにはどうすればよいのでしょうか。
保険料を抑えたい場合
保険は年齢と性別によって保険料が決まっており、基本的に加入時点の年齢が高いほど保険料が上がります。
50代から保険に入ろうとすると、思っていた以上に保険料が高額になってしまうケースが多く出てくるでしょう。
更新型の保険で50代を迎えてしまい、更新後の保険料に驚く人も少なくありません。
そのため、なるべく早く保険料が上がらない終身タイプの保険を検討すると良いでしょう。
できるだけ保険料を抑えるためには、複数商品の見積もりを比較することがおすすめです。
あなたの年齢で医療保険の保険料を比較する
健康に不安がある場合
50代からの保険加入でもう一つネックになるのが健康状態です。
保険加入にあたっては原則、健康状態を保険会社に告知する必要がありますが、50代ともなると持病があったり、持病といわないまでも健康診断で何かしらの指摘を受けているケースが多々あります。
保険料支払いには問題がなくても、健康状態が悪くて保険に加入できないケースが起こり得ます。
そんなときは、引受基準緩和型(限定告知型)の医療保険を検討すると良いでしょう。
引受基準緩和型は保険会社に告知する項目が少ないため、通常の医療保険に加入できない人でも保障を引き受けてもらえる可能性が高くなっている商品です。
通常より保険料は割高で、保障内容も限定されますが、さらに持病が悪化したときに保障がない事態を避けることができます。
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50代の保険選びで見るべき3つのポイント
数ある保険商品の中から、自分に合ったものを選ぶのは簡単ではありません。
失敗しない50代の保険選びのために、特に注目すべき3つのポイントをご紹介します。
ポイント①:保障内容の優先順位を明確にする
50代からの保険選びでは、まずは備えたいリスクの優先順位を明確にすることが大切です。
保険で備えるべきリスクは、ライフステージや家族構成、預貯金額など資産の状況によって大きく異なります。「一般的」な50代の保険加入例にただ合わせるのではなく、自分の現在の状況に合わせて必要な保険を取捨選択することを心がけましょう。
的を絞ってメリハリの利いた保障を準備することが安心につながりますし、結果的に余計な保険に加入することなく、保険料負担を抑えることにもつながります。
最適な保険選びは、将来の安心に繋がります。
あなたに必要な保障を『ほけん必要度診断』で診断してみましょう。
ポイント②:保険期間と保険料のバランス
子どもの独立や老親の死などにより、長く一緒に暮らしてきた家族の形が変わっていくことが多いことが50代の特徴です。
また、加入時点の年齢によって保険料が決まる保険の仕組みのため、同じ保障を準備するのでも、保険料負担が重くなるのが50代の特徴です。
保険加入にあたってはリスクや必要資金額を見極めて、ライフプランに落とし込むことが大切です。
リスクの中には一生涯の備えが必要なものもあれば、子どもの教育費の備えなど、限られた期間にだけ必要な備えがあります。
短期間の備えであれば、保険料も大きくなりません。
保険料を抑えて必要な保障を確保することができるでしょう。
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ポイント③:複数の保険会社を比較検討する
備えたいリスクや保険にかけられる予算の見当が付いたら、複数の保険商品を比較することが大切です。
医療保険であれば、一般的に「病気やケガによる入院・手術に備える保険」と説明されますが、商品やプランごとに保障される入院日数が違ったり、同じ手術でも受け取れる手術給付金に差があったりします。
また、保険会社によっては特色のある特約を販売していたりします。
加入者の目線ではどれも同じに見える保険でも、よく調べると異なる点があることが形のない金融商品の特性のひとつといえるでしょう。
保険料の抑制と自分にあった保障内容で契約するためにも、複数の保険商品の比較は必要不可欠です。
【ケース別】こんな50代はどんな保険が必要?
50代と一口に言っても、独身の方、夫婦のみの方、子育て中の方など、状況はさまざまです。
ここでは、ライフスタイル別の必要な保険について具体的に見ていきましょう。
独身の50代
独身の場合は、医療保険やがん保険、働けなくなったときに受け取れる就業不能保険を優先的に検討しましょう。
病気やケガで多額の医療費がかかったり、収入が下がったりした場合に「自分がお金を受け取れる保険」に加入することがポイントです。
死亡保険の優先順位は相対的に低いと考えられますが、中には親と同居したり、仕送りしたりして、親の生活を経済的に支えているケースもあります。
親の生活を支えているケースでは親の年齢を考えながら、一定期間の死亡保障を確保することも検討しても良いかもしれません。
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夫婦のみの50代(子なし夫婦)
共働きの夫婦のみの世帯では、死亡保障の必要性は低いといえるでしょう。
三大疾病保険や働けなくなったときの就業不能保険などで、家計のバランスを大きく崩しかねない大病や大ケガに優先的に備えることが合理的です。
資産形成が十分に進んでいるご夫婦の場合は、幅広く病気やケガに対応する医療保険の必要性が低くなっているケースがあります。
他方、夫婦2人だけの世帯では、将来的な老老介護が問題となるケースがあります。
退職までの資産形成のペースを確認しながら、適宜、要介護状態になったときに保険金を受け取れる保険を組み合わせておくことで、備えを万全にすることができるでしょう。
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子どもがまだ独立していない50代
子どもが独立前の50代世帯では、死亡保障の必要性も引き続き高いといえるでしょう。
とはいえ子育ての終わりが見えていれば、長期の保障は必要ありません。
教育費として必要な金額を見積もり、卒業までの限られた期間だけ備えておけば十分です。
三大疾病保険や就業不能保険の必要性が高いこともいうまでもありません。
子どもがまだ独立していない世帯では子どもの独立後、自分たちのセカンドライフに向けて資産形成に集中できる期間が短くなる可能性が高いため、メリハリの利いた家計運用が必要になります。
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健康に不安がある50代
保険未加入だけど健康に不安がある。
今からでも保険に加入できるか心配な人には、引受基準緩和型の保険がおすすめです。
健康状態によっては通常の保険に加入できるケースもありますが、健康診断の結果が基準値を大幅に超えていたり、入院や手術歴があると保険会社の判断は厳しくなります。
通常の保険に加入できなかった場合は、引受基準緩和型の保険を検討しましょう。
持病が悪化すれば医療費がかさみますし、保険加入もより一層難しくなります。
保障内容と保険料のバランスがポイントとなるため、複数の保険会社の商品を比較することが大切です。
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50代の保険加入・見直しでよくある質問
50代の保険加入・見直しでよくある質問に保険のプロが解説します。
Q. 今の保険が必要ないと感じたらどうすればいい?
A.保障内容を理解したうえで、本当に必要ないかを再確認しましょう。
保険は一度解約するともとに戻すことはできません。
安易に解約してしまい、病気になってから後悔する事態は避けなければなりません。
まずは、保障内容を再確認するところから始めましょう。
その保障がなくても将来困ることはないか、もしものときに他の保険や貯蓄で対応できそうかを冷静に判断しましょう。
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Q.50代の医療保険加入率は?
生命保険文化センターの調査によると、50代の医療保険・医療特約の加入率は90%以上にのぼります。
50代前半は93.0%、50代後半で94.8%の加入率です。
50代は、病気や入院のリスクが他の年代に比べて高まるため、多くの人が医療費への備えとして医療保険に加入していることがわかります。
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まとめ
50代は、健康面や経済面で変化が大きくなる年代です。
だからこそ、万が一に備える保険の重要性が高まります。
自身のライフプランや家族構成、健康状態に合わせて、本当に必要な保障を見極めることが大切です。
「自分に必要な保険を知りたい」「医療保険を複数比較したい」など検討している人は、ほけんのコスパを利用してみてはいかがでしょうか。
ほけんのコスパでは年齢に合わせて適切な保険料で保険の比較ができます。
無駄のない保険料で自分に必要な保険に加入しましょう。
あなたの年齢で医療保険の保険料はいくら?





















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