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8.まとめ
「20代でがんになるなんて想像できない」という人がほとんどかもしれません。
確かに20代のがん罹患率は高くありませんが、決して「ゼロ」ではありません。
また、将来のリスクに備えて若いうちからがん保険を検討するメリットも複数あります。
まずは、データに基づいて20代のがんリスクについて考えてみましょう。
国立がん研究センターの統計によると、20代のがん罹患率は、人口10万人あたり32.3人となっています。
つまり、0.032%の極めて低い割合であることがわかります。
しかし、20代でがんと診断される人は「ゼロ」ではありません。
中には、健康診断で異常が見つかり初期のがんと診断されるケースもあります。
また、がん保険は「今」のリスクに備えるだけでなく、「将来」のリスクに備える意味合いもあります。
「まだ若いから大丈夫」と先送りにするのではなく、健康なうちに将来も見据えて対策を打っておくこと大切です。
関連記事:20代でまさかのがん 罹患して感じたがん保険のありがたさとこれからの不安
関連記事:20代にがん保険はいらない?がんに必要な備えや最低限入っておくべき保険をプロが解説
(参考:がん種別統計情報 全がん|国立がん研究センター)
(参考:小児・AYA世代のがん罹患|国立がん研究センター)
男女別に見ると、20代後半から30代にかけては女性の方ががんの罹患率が高くなります。
これには、「子宮頸がん」や「乳がん」が比較的若い女性にも罹患者が多いことが関係しています。
とくに子宮頸がんは20代から定期的な検診が推奨されており、女性にとっては決して「まだ先の話」ではありません。
また、乳がんも、30代後半から除々に罹患率が高くなっていきます。
検査で異変を感じてからでは、がん保険の加入を断られる可能性が高くなるため、健康なうちに最低限の備えを検討しておくことが大切です。
関連記事:20代女性にがん保険は必要?若いうちに加入するメリットや20代の加入率をプロが解説
(参考:がん種別統計情報 乳房|国立がん研究センター)
(参考:がん種別統計情報 子宮頸部|国立がん研究センター)
20代のうちにがん保険に加入しておくことには、「今」のリスクに備える以外にも、複数のメリットがあります。
がん保険は加入時の年齢が上がるにつれて保険料が高くなります。
20代で「終身型」に加入すれば、お手頃な保険料のまま一生涯の保障をキープできるメリットがあります。
20代は比較的健康状態が良く、健康診断で指摘を受けていない人も少なくありません。
がん保険加入時には健康状態の診査があるため、若く健康なうちに加入しておくことは有利です。
将来、別の病気にかかったり健康診断でひっかかったりすると、がん保険に入れなくなる可能性があります。
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「普通の医療保険に入っていれば、がん保険はいらないのでは?」と考える人も少なくありません。
しかし、医療保険とがん保険は保障範囲や給付金の支払条件に違いがあります。
がん治療に備えておきたいのであれば、医療保険だけでは不十分な可能性が高いでしょう。
詳しく解説します。
医療保険とがん保険の最大の違いは、「対象となる病気の範囲」と「給付金の受け取り方」です。
| 医療保険 | がん保険 | |
|---|---|---|
| 保障対象 | すべての病気とケガ | がんのみ |
| 支払条件 | 入院または手術(主契約) | がんと診断された時 がんによる治療を受けた時など ※入院の有無を問わないケースが多い |
医療保険は、病気やケガによる入院・手術を保障する保険です。
一方がん保険は、がんと診断された時点や、がん治療を受けた際に保障されるものが一般的です。
たとえば、がんの入院や手術は医療保険でも保障されますが、その後の放射線や抗がん剤治療のための通院は医療保険ではカバーできません。
現代では、がんは短期入院と通院治療の組み合わせが主流になっています。
がん治療に備えておきたいのであれば、医療保険とは別にがん保険に加入するか、がん特約が付加された医療保険に加入する必要があるでしょう。
関連記事:医療保険とがん保険の違いが図でわかる!自分はどっち?年代別の選び方と併用するときの注意点
医療保険は「入院1日につき◯円」という保障がメインですが、近年のがん治療は通院治療(抗がん剤や放射線治療)が主流になっています。
がんの入院日数は比較的短く、2023年の調査では平均14.4日となっています。
従来の医療保険だけでは受け取れる給付金が少なく、長引く通院治療の費用や、その間の収入減少をカバーしきれないリスクがあります。
また、がんの自由診療や先進医療など、公的医療保険適用外の治療を受けると、自己負担が数百万円以上にのぼるケースも珍しくありません。
自身が受けたい治療にあわせて、がん保険の保障を組んでおくことが大切です。
関連記事:がんの治療費の平均はいくら?自己負担額の計算方法や払えない時の対処法をプロが解説
がんだけでなく、「がん・心疾患・脳血管疾患」をまとめてカバーする三大疾病保険という選択肢もあります。
ただし、保障範囲が広い分、保険料はがん保険と比べて割高になります。
20代はまだ三大疾病のリスクが低いため、保険料も高齢者と比べるとお手頃になりますが、毎月の予算とカバーしておきたい病気の優先順位を付けて決めることが大切です。
がん保険と三大疾病保険の保険料を比べてみて、将来のリスクに備えて幅広いほうが安心と感じるのであれば、三大疾病保険を選ぶのもおすすめです。
ここからは、20代でがん保険を選ぶ際に押さえておきたいポイントをご紹介します。
保障の選び方に迷っている人は、ぜひ参考にしてください。
新しいがん保険では、がんと診断されたタイミングで、まとまったお金(50万円〜100万円など)が受け取れる「診断一時金」が増えています。
診断時にすぐ現金を確保できるため、治療費はもちろん、生活費や交通費、ウィッグの購入費などに充てることも可能です。
まとまったお金が支払われる保障のため保険料は割高になる傾向にありますが、20代の場合は前提の保険料設定が比較的低いため、お手頃な保険料で加入できるのがメリットです。
関連記事:がん保険は一時金のみで良い?保障額の決め方や保険選びのポイントをプロが解説
商品によって、診断一時金を「1回のみ」しか受け取れないものと、「1年に1回」や「2年に1回」など複数回受け取れるものがあります。
がんの再発リスクを考えると、複数回受け取れるタイプが安心ですが、2回目以降の受取条件は必ず確認しておくようにしましょう。
2回目以降はがん入院時のみ、2回目以降はがんによる通院を受けた際、など保険会社によって定める条件が異なります。
より受け取りやすいものを求めるのであれば、通院治療だけで2回目以降も一時金が支払われるタイプが良いでしょう。
関連記事:がん保険の一時金「複数回」タイプのデメリットとは?再発・転移のリスクと賢い選び方
昨今、検査技術の向上により、比較的早期の段階である「上皮内がん」で発見されるケースも増えています。
がん保険の診断一時金には、上皮内がんでも満額保障を受けられるものと、通常のがんの50%や10%など減額されるものがあります。
特に女性特有の子宮頸がんなどは上皮内がんで見つかるケースも多いため、上皮内がんでも同額保障されるタイプを選ぶと安心です。
関連記事:【FPが解説】上皮内新生物はがん保険で保障される?知っておくべき給付金と保険選びのポイント
診断一時金に加えて、「抗がん剤治療を受けた月に10万円」のように治療の都度給付される「治療給付金」を組み合わせるのがおすすめです。
通院治療が長引いた場合でも、治療を受けた月に給付金を受け取ることができるため、治療費をカバーしやすいことがメリットです。
保障対象になる治療や薬剤の種類は、選択するプランや保険会社によって異なります。
加入前に必ず確認しましょう。
主な保障対象治療
幅広い保障のプランで対象になる場合がある治療
関連記事:抗がん剤治療の費用は月いくら?高額療養費制度を使ったリアルな自己負担額と保険の必要性
がん保険には、保障が一生涯続く「終身型」と、5年や10年ごとに更新される「定期型」があります。
保障が一定期間のみの定期型のほうが加入時の保険料は抑えられる傾向にありますが、更新時には保険料が再計算され更新の都度保険料が高くなります。
20代であれば、終身型でも比較的保険料を抑えて加入を検討できるため、まずは終身型で保障の基礎を固めておくことがおすすめです。
将来健康状態が悪化したりがん検診で指摘を受けるなどして、がん保険の見直しができなくなった場合にも、終身型のがん保険であれば安心です。
関連記事:がん保険は「終身型」と「定期型」どっちが正解?年齢別・目的別の選び方と損得シミュレーション
「今はとにかく保険料をワンコインに抑えたい」という場合は定期型も選択肢になります。
また、子どもが小さい間だけがん保障を手厚くする目的で、終身型に組み合わせて定型に加入する人もいます。
ただし、年齢が上がるごとに保険料が高くなるため注意が必要です。
意外と多いのが、子どもの頃に親が共済や保険に加入してくれていて、そのまま継続しているケースです。
新たに自身でがん保険の加入を検討する前に、まずは親御さんに「自分の名義で入っている保険はないか」を確認しましょう。
保障内容が古くなっていたり、自身で保険料を負担するには高すぎる場合、親御さんと相談して保険の見直しをすすめるのがおすすめです。
「診断一時金はいくらあればいいの?」「そもそもがん治療にはいくらかかる?」と疑問に思う人も多いでしょう。
ここからは、公的医療保険制度をもとに無駄のない保障額を決めるためのポイントを紹介します。
日本の公的医療保険制度には、1カ月の医療費負担に上限を設ける「高額療養費制度」があります。
例えば、高額な抗がん剤やがん手術を受けて医療費が100万円かかったとしても、3割負担では30万円になりますが、高額療養費制度を利用すれば負担をそれ以下に抑えることができる可能性があります。
上限額は年齢や所得によって異なりますが、20代の場合は次のとおりです。
仮に1カ月の総医療費が100万円だったとしても、年収約330~770万円の世帯であれば、実質負担は約9万円程度に収まる計算になります。
がん治療を毎月受けたと仮定しても、がん診断一時金で100万円確保できていれば、初年度の治療費はおおむねまかなえることになります。
関連記事:がん保険の一時金、いくらが正解?平均と選び方を保険のプロが解説
直近の12カ月間で、高額療養費の上限に達した月が3回以上あった場合、4回目からは「多数回該当」となり、自己負担の上限がさらに引き下げられます。
同じ年収約330~770万円の世帯であれば、4カ月目からの上限額は4万4000円です。
多数回該当も加味すると、1年間の医療費負担は次のとおりになります。
1カ月目~3カ月目:約9万円✕3カ月=約27万円
4カ月目~12カ月目:4万4000円✕9カ月=39万6000円
合計:約66万6000円
つまり、がん診断一時金で70万円前後確保できていれば、最低限1年間の治療費はまかなえる計算です。
ただし、入院時の差額ベッド代や食事代、通院にかかる交通費、医療用ウィッグの購入費などがん治療には何かと医療費以外のお金がかかります。
一時金はゆとりを持って準備しておくことがおすすめです。
高額療養費制度があるため、青天井で治療費がかかるわけではありませんが、治療中の収入減少には注意する必要があります。
会社員の場合、有給休暇や傷病手当金の制度を利用することで、収入がすぐに途絶えることは防げます。
しかし、傷病手当金は給与の約3分の2の支給額で、通算1年6カ月という制限もあります。
がんに罹患することで収入が減少するリスクについて、考えておく必要があるでしょう。
自営業やフリーランスで働く人はさらに注意が必要です。
国民健康保険には原則として傷病手当金制度はありません。
働けなくなるとすぐに収入が途絶えるリスクがあるため注意が必要です。
がん保険の保障額を設定する際は、医療費だけでなく、生活費の補填もふまえておくことが大切です。
治療にかかる費用や生活費の補填もふまえた保障額の目安は次のとおりです。
一時金で当面の生活費や自己負担外の費用(差額ベッド代や交通費など)をカバーし、治療給付金で毎月の高額療養費の自己負担上限額(約8万〜9万円)を相殺する設計が合理的です。
収入が多く高額療養費制度の自己負担額が高額になる人は、保障額も柔軟に調整する必要があるでしょう。
がん保険には、保障を手厚くする特約(オプション)を付加できます。
ここからは、20代におすすめの特約を紹介します。
先進医療とは、厚生労働省が認めた最先端の治療で、治療にかかる技術料には公的医療保険が適用されません。
がん治療に用いられる「陽子線治療」や「重粒子線治療」は、1クールの治療で200~300万円の自己負担が発生するとされています。
がん保険に先進医療特約を付加しておけば、先進医療を受けた際の技術料相当分が保険で保障されます。
毎月の保険料も数十円~100円程度とお手頃なため、優先的に付加を検討しましょう。
ただし、すでに医療保険で先進医療特約をつけている場合は重複して受け取れないことが多いため、どちらか一方についていれば問題ありません。
既存の保険と重複しないように注意しましょう。
未承認の抗がん剤治療など、全額自己負担となる「自由診療」の費用を実費でカバーする特約です。
若くしてがんに罹患すると、「できるだけ最善の治療をしたい」「少しでも治癒する可能性に欠けたい」と積極的な治療を希望する人も少なくありません。
自由診療の治療費は非常に大きくなる可能性があり、数百万円から一千万円以上かかるケースもあります。
自由診療特約は、若いうちであれば比較的お手頃な保険料で検討できることも多いため、治療に対する考え方によっては付加しておくことをおすすめします。
関連記事:自由診療に備えるがん保険は必要?自由診療にかかる費用や保険選びのポイントをプロが解説
がんと診断された後、それ以降の保険料の支払いが免除される特約です。
保障は一生涯続いたまま、保険料の支払いがなくなるので非常に安心ですが、特約をつけることで毎月の保険料は数百円上がります。
20代はもともとの保険料が比較的低廉なため、「わざわざ特約をつけなくても払える」と考えるか、 「その後の保険料がすべて免除になる経済的効果は大きい」と考えるかは人それぞれです。
乳がんや子宮頸がん、卵巣がんなど、女性特有のがんの手術を受けた際、給付金を受け取ることができる特約です。
中には、乳房再建術で一時金を受け取れるものもあります。
女性は20代以降にがんのリスクが高くなるため、手厚く備えたい場合は付加を検討しましょう。
では、20代でがん保険に新規加入する際の保険料は、いくらくらいが目安になるのでしょうか。
男女別に見ていきましょう。
20代の一般的な保険料の目安は次のとおりです。
例)診断一時金100万円・治療給付金10万円
男性:2000円~3000円
女性:2500円~3500円
※特約の有無や、保険会社、上皮内新生物の保障範囲などによって異なります。
20代では女性のほうが男性よりもがん罹患率が高いため、保険料も若干高くなる傾向にあります。
選択するプランや保障額によって保険料は大きく異なるため、まずはWEBの保険料シミュレーションツールを使って複数社の見積もりを取ってみましょう。
関連記事:がん保険の保険料は毎月いくら払っている?がん保険の加入率や必要な保障をプロが解説
一生涯保障が続く終身型のがん保険の場合、保険料を払い続ける「終身払」と、一定年齢で保険料を払い終え、その後は保険料負担なしで契約を継続できる「有期払」を選択できます。
「終身払(一生涯払い続ける)」にすれば毎月の保険料は最も安くなりますが、「60歳払済」や「65歳払済」といった有期払を選択することで、定年退職を迎える頃には保険料の支払いが終わり、老後は保険料負担ゼロで一生涯の保障を持てるメリットがあります。
また、長生きした場合の総払込保険料は終身払のほうが高くなる傾向にあります。
長い目で見たときの保険料負担を抑えたい場合は、有期払がおすすめです。
最後に、がん保険を契約する上で絶対に知っておくべき注意点が、90日間の免責期間です。
がん保険には、加入(責任開始日)から90日間(または3カ月間)の免責期間が設定されています。
この期間中にがんが見つかったとしても、給付金は一切支払われず、契約自体も無効となることが一般的です。
「健康診断の再検査になったから慌てて入る」ということができない仕組みになっているため、健康なうちに早めに検討することが重要です。
20代でのがん保険選びのポイントは、健康で保険料が抑えられるうちに将来のリスクに備えられるよう、長い目で見て自分に合った商品を選ぶことです。
高額療養費制度を正しく理解し、必要な保障額を見極め、いざというときに安心して治療に臨める要準備しておきましょう。
執筆・監修者 保険ライター/2級FP技能士
橋本 優理
大学卒業後、ほけんの窓口グループ株式会社へ入社。約300組のライフプランニングを行い、保険販売業務に従事。その後、異業種にて法人営業を経験し、株式会社エイチームフィナジーで保険EC事業の立ち上げに参画。インターネット上で保険の無料相談ができるサービスの責任者として、自身も多くの世帯のライフプランニングを行う。2023年に株式会社モニクルフィナンシャル入社。経済メディア「LIMO」で300記事以上を執筆。現在は、より多くの人に、より気軽に、自分に合った保険の選び方を知ってほしいとの思いでコンテンツ制作や執筆作業に従事。 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、生命保険募集人資格、損害保険募集人資格保有。
※記載している保険料および保障内容などは2025年3月1日現在のものです。 ※表示された保険料は保険プランの一例です。年齢・性別・選択する条件等によって保険料は変わります。商品を選択される際には、保険料だけでなく、保障の内容等他の要素も含め総合的に比較・検討をしていただくようお願いいたします。 ※当サイトにおける表示順は各保険商品の優劣を意味するものではありません。特定の試算条件において保険料が安い順もしくは高い順、「人気ランキング」については2026年6月1日―2026年6月30日『ほけんのコスパ』サイト経由での契約件数およびサイトから各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出したものです。
