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1-1.70代のがん罹患率
7-1.70代男性・女性の平均的な保険料
7-2.保険料を抑えるためのコツ
10.まとめ
人生100年時代と言われる現代、70代はまだまだこれからの年代ですが、健康リスク、特に「がん」に対する備えはこれまで以上に重要です。
「もう高齢だから保険は不要では?」と考える人もいるかも知れませんが、統計を見ると70代以降のがん罹患リスクは比較的高いことがわかります。
まずは、データから70代にとってのがん保険の必要性について考えてみましょう。
国立がん研究センターの統計によると、がんの罹患率(新たにかかる割合)は男女ともに50代から増加し始め、60代から70代、80代にかけてピークを迎えます。
特に男性は、胃がん、大腸がん、前立腺がんなどのリスクが70代で急激に高まる傾向があります。
90代後半まで罹患リスクは高い状態が続くため注意が必要です。
また、女性は70代でも乳がんなどの女性特有のがんのリスクが高い傾向にあります。
「これまで健康だったから大丈夫」と考えるのではなく、がん治療の実態を知ったうえで適切な備えを検討しましょう。
関連記事:【図でわかる】70代にがん保険は必要か?「解約」か「継続」か迷ったときの判断フローチャート
女性特有のがんである「乳がん」は、40代〜50代でピークを迎えるイメージが強いかもしれません。
しかし、近年のデータでは60代後半から70代にかけて再び罹患率が高くなり、そのまま高止まりする傾向が見られます。
高齢になっても乳がんリスクは決して低くならないため、女性は注意が必要です。
関連記事:乳がんで保険に入っていないとどうなる?数字で見る保険の必要性と保険の選び方を解説
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保険の見直しをする際、「医療保険に入っているから、がん保険はいらないのでは?」と迷う人も多いかもしれません。
しかし、医療保険とがん保険は保障範囲が大きく異なるため、ニーズに合わせて適切に保険を組み合わせることが大切です。
それぞれの違いについて詳しく解説します。
医療保険とがん保険の保障範囲の違いは、次のとおりです。
| 医療保険 | がん保険 | |
|---|---|---|
| 保障対象 | すべての病気とケガ | がんのみ |
| 支払条件 | 入院または手術(主契約) | がんと診断された時 がんによる治療を受けた時など ※入院の有無を問わないケースが多い |
医療保険は、病気やケガによる入院・手術全般を、幅広く保障する保険です。
高齢者は入院日数が長引くリスクが高いため、医療保険で備えておくことも大切です。
一方がん保険は、がんと診断されたときや治療を受けたときに保障される保険です。
がん以外の病気やケガは保障されませんが、入院の有無にかかわらず給付金を受け取れるものが多いため、通院治療にも対応することができます。
関連記事:医療保険とがん保険の違いが図でわかる!自分はどっち?年代別の選び方と併用するときの注意点
現代のがん治療は、医療技術の進歩により「長期の入院」から「短い入院と長期の通院(抗がん剤や放射線治療など)」へとシフトしています。
一般的な医療保険は「入院日数」に応じて給付金が支払われる仕組みが多いため、通院がメインとなる現代のがん治療では、十分な給付金を受け取れない可能性があります。
実際、70歳以上のがんによる入院日数の平均は、16.2日と2週間前後になっています。
若い世代に比べると若干入院日数は長くなりますが、それでも比較的短期入院で済むケースが多いのが現状です。
退院後の通院治療は、医療保険の主契約では保障されないため、別途備えを検討しておく必要があるでしょう。
関連記事:がんの治療費の平均はいくら?自己負担額の計算方法や払えない時の対処法をプロが解説
がんだけでなく、心疾患、脳血管疾患を含めた「三大疾病」をカバーする保険もあります。
高齢になると三大疾病の罹患リスクは高くなりますが、その分保障範囲が広い保険を選べば毎月の保険料も高くなります。
がん保険がおすすめな人: 最も罹患リスクが高く、治療が長期化しやすい「がん」に的を絞り、手厚い通院保障や一時金を手頃な保険料で準備したい人
三大疾病保険がおすすめな人: がんだけでなく、突然倒れて要介護状態になるリスクがある心疾患・脳血管疾患にも、まとまった一時金で幅広く備えたい人
まずは、がん保険と三大疾病保険の保険料をシミュレーションし、保障範囲をどこまで広げるかを決めましょう。
70代で新しくがん保険に加入、または見直しをする場合、どんなポイントに気を付ければよいでしょうか。
ここからは、70代ががん保険を選ぶ際のポイントと注意点を紹介します。
70代のがん保険選びで最も重視したいのが「診断一時金」です。
診断一時金は、がんと診断された時点でまとまった一時金(例:50万円~100万円が目安)を受け取れる保障です。
使い道が自由なため、当面の治療費はもちろん、通院のためのタクシー代や、差額ベッド代、健康食品の購入など、さまざまな出費にすぐに対応できることがメリットです。
また、治療方法を問わないため、「体力的に抗がん剤治療が難しい」「進行が遅いので積極的に治療しない」場合でも、給付金を受け取ることができます。
ただし、保障額を大きくしすぎると毎月の保険料が高くなってしまうため、治療給付や入院級と組み合わせてプランを組むのがポイントです。
関連記事:がん保険は一時金のみで良い?保障額の決め方や保険選びのポイントをプロが解説
診断一時金を選ぶ際は、「1回きりの受け取り」なのか「複数回受け取れる」のかを確認しましょう。
がんは再発や転移のリスクがある病気です。
そのため、複数回一時金を受け取れるタイプのがん保険を選んでおくのがおすすめです。
商品によって、「1年に1回限度」「2年に1回限度」などの支払条件が定められているので、必ず加入前に確認しましょう。
また、2回目以降の受け取り条件にも注意が必要です。
1回目は「がんと診断された時」と定められていることがほとんどですが、2回目以降は「がん治療のために入院した時」「通院治療を受けた時」など保険会社によってさまざまです。
関連記事:がん保険の一時金「複数回」タイプのデメリットとは?再発・転移のリスクと賢い選び方
初期のがんである「上皮内がん(臓器の表面にとどまっているがん)」の場合、商品によっては給付金が50%や10%に減額されることがあります。
70代でも、がん検診等で早期発見されるケースは珍しくないため、上皮内がんでも「同額(100%)」が支払われるタイプを選んでおくとより安心です。
特に上皮内がんの保障は近年重視される傾向にありますが、古いがん保険では保障対象外となっているケースが多いため、過去に加入した保険をそのままにしている人は注意しましょう。
関連記事:【FPが解説】上皮内新生物はがん保険で保障される?知っておくべき給付金と保険選びのポイント
近年、通院で抗がん剤やホルモン剤治療をするケースが増えています。
70代に多い「前立腺がん」や「乳がん」はホルモン剤治療が長引く傾向にある病気です。
治療給付保障を付加しておけば、通院治療を受けた月ごとに給付金を受け取ることができます。
主な保障対象治療
幅広い保障のプランで対象になる場合がある治療
一方、年を重ねるにつれてがんの治療を積極的に行わない人も増えてきます。
体力の問題で抗がん剤治療を受けられないケースもあるでしょう。
治療方法にかかわらず保障を受けたい場合は、一時金を優先するのがおすすめです。
関連記事:抗がん剤治療の費用は月いくら?高額療養費制度を使ったリアルな自己負担額と保険の必要性
関連記事:ホルモン療法はがん保険でおりる?通院治療の給付条件と古い保険の注意点を保険のプロが解説
がん保険には、一生涯保障が続く「終身型」と、一定期間で更新が必要になる「定期型」があります。
70代から新しくがん保険を検討する場合は、基本的に一生涯の保障を確保できる終身型がおすすめです。
定期型は更新のたびに保険料が跳ね上がり、80歳などで更新できなくなる(保障が終わる)リスクがあるため注意しましょう。
「一時金はいくらにすればいい?」「給付金はどれくらい必要?」と迷う人も多いでしょう。
保障額は、公的医療保険制度をベースに決めるのが鉄則です。
では、日本の公的制度について詳しく見ていきましょう。
日本には、1カ月の医療費の自己負担額に上限を設ける「高額療養費制度」があります。
70歳以上の場合、現役世代に比べてこの自己負担上限額が低く設定されているケースが一般的です(現役並み所得者を除く)。
たとえば、一般的な所得の方であれば、月の自己負担上限額は約5万7000円です。
1年間毎月治療を受けたと仮定すると、68万4000円になります。
診断一時金を50~70万円に設定しておけば、1年間の治療費はまかなえる計算です。
関連記事:がん保険の一時金、いくらが正解?平均と選び方を保険のプロが解説
さらに、直近の12カ月間で高額療養費制度の上限額に達した月が3回以上あると、4回目からは「多数回該当」となり、上限額がさらに下がります。
一般所得者の場合、4万4000円まで減額される事になります。
日本の公的保険は非常に手厚いため、むやみに保障を大きくする必要はありません。
生活費の補填や交通費、健康食品などを購入する費用を含めても、1年間で100万円前後に収まることが多いでしょう。
がんの入院は短期化しているとはいえ、70代は体力的な回復に時間がかかったり、合併症を起こしたりして、若年層より入院が長引くリスクがあります。
公的制度ではカバーされない「差額ベッド代」や「食事代」「家族の付き添い費用」などを想定し、余裕を持った保障にしておくことも大切です。
医療保険に加入している場合は、がんで入院した際は医療保険から給付金を受け取ることができます。
加入している保険の保障内容をすべて確認しておきましょう。
では、実際に治療に必要な額をカバーするプランの組み方をシミュレーションしてみましょう。
前提の自己負担予測
例)
診断一時金:50万円
治療給付保障:月額5万円
公的制度を最大限に活用し、足りない部分を保険で補うバランスが、70代の賢い保険選びのポイントです。
がんに罹患した際積極的に薬剤治療をしたくないという人は、治療給付保障を付加せず診断一時金を手厚くしておくと良いでしょう。
70代になると、何らかの持病で投薬治療をしていたり、過去に入院歴がある人も珍しくありません。
「持病があるとがん保険の診査に落ちるのでは?」と不安に思う人もいるでしょう。
ここからは、70代に多い病気を例に、がん保険の加入目安を紹介します。
関連記事:持病があってもがん保険に入れる?診査基準や持病がある人におすすめの保険をプロが解説
高血圧や脂質異常症で投薬治療を受けていても、がん保険への加入には影響しないことがほとんどです。
がん保険の加入診査では、がんと直接関連のある病気や症状について重要視されます。
高血圧や脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病はがんと関連性がほとんどないため、治療歴があっても診査には通りやすくなっています。
関連記事:高血圧でも入れるがん保険はある?加入審査の基準や、高血圧でも入りやすい保険をプロが解説
関連記事:糖尿病でもがん保険に入れる?加入審査の基準やおすすめの保険をプロが解説
心疾患(狭心症や急性心筋梗塞など)や脳血管疾患(脳卒中やクモ膜下出血など)の罹患歴があると、保険加入に影響があるのではと心配になるかもしれません。
心疾患は比較的加入しやすい傾向にありますが、脳血管疾患はがんと併発することもあるため厳しい判断になる可能性があります。
治療後一定期間経過していれば問題なく加入できる保険会社もあるため、症状が落ち着いてから保険加入を検討するのがおすすめです。
健康診断やがん検診で「要精密検査」や「ポリープの疑い」などを指摘され、まだ検査を受けていない、あるいは経過観察中の場合は注意が必要です。
がんの可能性が否定できない状態とみなされ、再検査結果が出るまでは加入を断られることが一般的です。
また、ポリープについては、手術をせず経過観察している状態のほうが厳しく見られる傾向にあります。
手術でポリープを摘出し、良性と診断されている場合、がん保険に問題なく加入できる可能性が高くなります。
認知症疑いなどの指摘を受けている場合
認知症やその疑いがある場合、がんの罹患リスクとは無関係ですが、「保険契約の意味を理解し、適切に手続きができるか」「自覚症状を正しく伝えられるか」という観点から、契約が難しくなる(加入を謝絶される)ケースが多いです。
保険加入は、認知機能に問題なく、自身で契約内容を理解して署名できることが前提です。
がん保険にはさまざまな特約(オプション)を付加できます。
70代にとって優先的に検討したい特約を紹介します。
先進医療とは厚生労働省が認めた最新の治療法で、公的医療保険精度が適用されないため技術量が全額自己負担となります。
がん治療で用いられる「重粒子線治療」「陽子線治療」は、1クールの治療で300万円以上の費用になるとされています。
がん保険に「先進医療特約」を付加しておけば、先進医療にかかった技術料が全額保障されます。
毎月の保険料も100円前後とお手軽なため、優先的に検討したい特約です。
ただし、すでに加入している「医療保険」に先進医療特約がついている場合は、保障が重複してしまいます。
現在加入している保険の保障内容を確認しながら、がん保険で付加する特約を決めましょう。
国内で未承認の最新の抗がん剤治療など、公的保険が適用されない「自由診療」を受けた際に実費で補填する特約です。
がんに罹患したときに積極的に治療したい人や最新の治療を試したい人にはおすすめですが、高齢で加入する場合は特約保険料が高額になることが多いため注意が必要です。
公的制度の範囲で治療を検討している人や、高齢になったら積極的に治療したくないという人は、付加する必要性は低いでしょう。
関連記事:自由診療に備えるがん保険は必要?自由診療にかかる費用や保険選びのポイントをプロが解説
70代のがん治療において、痛みや苦痛を和らげる「緩和ケア」は非常に重要です。
近年では、がんの痛みを和らげるための緩和療養を受けた際に給付金が支払われる特約が増えています。
保険料も比較的お手頃なケースが多いため、QOL(生活の質)を保ちながら過ごすための備えとして検討してみてください。
70代からがん保険に加入しようと思うと、保険料が高いのではと不安に思う人も多いでしょう。
では、男女別に保険料の目安を見てみましょう。
一時金50万円・治療給付5万円の場合の保険料目安
男性:6000円~8000円前後
女性:3000円~5000円前後
※保険会社によって異なります
男性の方が高齢期のがん罹患リスクが急激に高くなるため、保険料も女性と比較して割高に設定される傾向にあります。
一時金額を増額すると保険料は高くなります。
保険会社の申し込みページなどで、保障額と保険料のバランスを見ながらプランの調整を行いましょう。
関連記事:がん保険の保険料は毎月いくら払っている?がん保険の加入率や必要な保障をプロが解説
特約を複数つけず、使い勝手の良い一時金のみのシンプルなプランにする。
100万円ではなく50万円に設定し、残りは貯蓄でカバーする。
70代からの保険選びでは、保障を厳選して最低限必要な金額をカバーできるよう意識することが大切です。
特約を複数付加すると、その分保険料も高くなります。
使い勝手の良い診断一時金に絞って、シンプルなプランにするのがおすすめです。
また診断一時金もむやみに大きな額で設定すると、毎月の負担が大きくなります。
今ある貯蓄も加味して、どこまで保険でカバーしておきたいかを考えましょう。
がん保険に加入する際に絶対に知っておくべき最大の注意点が「免責期間(待ち期間)」です。
通常のがん保険は、契約が成立してもすぐに保障はスタートしません。
加入から「90日間(または3カ月間)」は保障されない期間として設定されています。
もしこの90日間の間にがんと診断されても、給付金は一切支払われず、契約自体が無効になることが一般的です。
「がんかもしれない」と自覚症状がある人が駆け込みで加入するのを防ぐために設けられたルールです。
がん保険の検討は、できるだけ健康なうちに済ませておくことが大切です。
「若い頃に入ったがん保険があるから大丈夫」と安心している人は要注意です。
数十年前の保険と現代の医療事情には、大きなズレが生じている可能性があります。
20年以上前に主流だったがん保険は「長期の入院」を前提に作られています。
20日以上連続して入院しないと一時金が出ない、通院保障が付いていない、など今のがん治療には適していない保障のままになっている可能性があります。
場合によっては、がんになったのに給付金が一切出ないこともあり得ます。
必ず保険証券を確認し、給付金の支払条件を細かい部分までチェックしましょう。
古い保険から新しい保険へ乗り換える際は、次の2点に注意しましょう。
70代になって持病がある場合、新たな保険の診査に通らない可能性があります。必ず「新しい保険の契約が成立してから」古い保険を解約してください。
新しいがん保険には90日間の免責期間があります。
新しい保険に加入してすぐに古い保険を解約すると、90日間は「どちらの保険からも保障されない空白期間」が生まれます。
保険料は2重払いになりますが、新しい保険の保障がスタート(91日目)してから、古い保険を解約するのが安全です。
70代はがんの罹患リスクがピークを迎える年代であり、がん保険の必要性が高いと言えます。
一方で、高額療養費制度などの公的サポートも手厚くなるため、過剰に手厚い保険に加入する必要はありません。
「診断一時金」や「治療給付保障」を中心に、自身の貯蓄状況や健康状態と照らし合わせながら無理なく続けられる保険を選びましょう。
執筆・監修者 保険ライター/2級FP技能士
橋本 優理
大学卒業後、ほけんの窓口グループ株式会社へ入社。約300組のライフプランニングを行い、保険販売業務に従事。その後、異業種にて法人営業を経験し、株式会社エイチームフィナジーで保険EC事業の立ち上げに参画。インターネット上で保険の無料相談ができるサービスの責任者として、自身も多くの世帯のライフプランニングを行う。2023年に株式会社モニクルフィナンシャル入社。経済メディア「LIMO」で300記事以上を執筆。現在は、より多くの人に、より気軽に、自分に合った保険の選び方を知ってほしいとの思いでコンテンツ制作や執筆作業に従事。 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、生命保険募集人資格、損害保険募集人資格保有。
※記載している保険料および保障内容などは2025年3月1日現在のものです。 ※表示された保険料は保険プランの一例です。年齢・性別・選択する条件等によって保険料は変わります。商品を選択される際には、保険料だけでなく、保障の内容等他の要素も含め総合的に比較・検討をしていただくようお願いいたします。 ※当サイトにおける表示順は各保険商品の優劣を意味するものではありません。特定の試算条件において保険料が安い順もしくは高い順、「人気ランキング」については2026年6月1日―2026年6月30日『ほけんのコスパ』サイト経由での契約件数およびサイトから各保険会社サイトへの遷移数をもとに算出したものです。
