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がん保険

80代のがん保険の選び方

がん保険とは文字通り、がんに備える保険です。現在のがん治療の実態を踏まえ、がん保険は必要なのかどうかを一緒に考えていきます。

執筆者:

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橋本 優理

監修者:

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橋本 優理

目次

  1. 1.80代にがん保険は必要?罹患率から見る必要性

    1. 1-1.80代のがん罹患率

    2. 1-2.80代でも乳がん罹患率は高い水準

  2. 2.医療保険とがん保険の違い|どちらかだけで良い?

    1. 2-1.医療保険とがん保険の保障範囲の違い

    2. 2-2.医療保険だけではがん治療に対応しきれないリスク

    3. 2-3.「三大疾病」もカバーする保険とどちらが良い?

  3. 3.80代のがん保険の選び方

    1. 3-1.メインは「診断一時金」がおすすめ

    2. 3-2.抗がん剤やホルモン剤治療を検討する場合は「治療給付保障」

    3. 3-3.80代で新規加入の場合は終身型で検討を

  4. 4.80代のがん保険の保障額の決め方

    1. 4-1.後期高齢者制度・高額療養費制度をもとに決める

    2. 4-2.入院が長引くリスクも見据えて保障を決めよう

    3. 4-3.【計算例】診断一時金と治療給付金の保障額の決め方

  5. 5.持病があってもがん保険には加入できる?

    1. 5-1.高血圧や脂質異常症など生活習慣病の場合

    2. 5-2.心疾患・脳血管疾患の罹患歴がある場合

    3. 5-3.がん検診で指摘を受けている場合

    4. 5-4.認知症疑いなどの指摘を受けている場合

  6. 6.がん保険の特約はどう選ぶ?

    1. 6-1.「先進医療特約」はつけておく|ただし医療保険との重複に注意

    2. 6-2.最新治療に備える「自由診療特約」は必要?

    3. 6-3. 緩和療養を保障する特約も検討しましょう

  7. 7.80代のがん保険料の相場はいくら?

    1. 7-1.80代男性・女性の平均的な保険料

    2. 7-2.保険料を抑えるためのコツ

  8. 8.がん保険特有のルール「90日間の免責期間」 に注意

  9. 9.若いころに加入したがん保険は「見直し」が必要?

    1. 9-1.昔のがん保険は現代の治療に合わない可能性

    2. 9-2.見直し・乗り換え時の注意点

  10. 10.まとめ

80代にがん保険は必要?罹患率から見る必要性

80代を迎えると「今からがん保険に入るべきか」「保障を続けるべきか」と悩む人も多いのではないでしょうか。

高齢の両親のがん保険をどうしたらよいか迷っている人もいるでしょう。

がんは高齢になるほど罹患リスクが高くなるため、80代でも最低限備えておくことが大切です。

若い世代と高齢者ではがんの治療方針が異なる場合も多いため、自身の希望と近年の治療傾向に合わせた保障選びが大切です。

まずは、80代のがん罹患率など統計データから、がん保険の必要性について考えていきましょう。

80代のがん罹患率

国立がん研究センターの統計によると、がんの罹患率は年齢が上がるにつれて上昇し、男女ともに80代でピークに近い高水準となります。

高齢になると免疫力の低下などから、がんに罹るリスクは若い世代よりも大幅に高くなります。

「もう高齢だからがんにはならないだろう」と安易に考えるのは危険です。

これまで健康だったとしても、今後のリスクに目を向けておく必要があるでしょう。

関連記事:80代にがん保険はいらない?不要な理由と親の保険を見直す判断基準をプロが解説

(参考:がん種別統計情報 全がん|国立がん研究センター)

80代でも乳がん罹患率は高い水準

女性特有のがんである「乳がん」は、40代〜50代の若い世代に多いイメージがあるかもしれません。

しかし実際には、80代の女性であっても乳がんの罹患率は高い水準であることがわかります。

高齢になってからの乳がんは進行が穏やかなケースもありますが、外科手術やその後のホルモン療法など、長期にわたる治療が必要になることも少なくありません。

「高齢だから女性特有のがんは心配ない」と思い込まず、万が一の備えを考えておくことが大切です。

関連記事:乳がんで保険に入っていないとどうなる?数字で見る保険の必要性と保険の選び方を解説

(参考:がん種別統計情報 乳房|国立がん研究センター)

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医療保険とがん保険の違い|どちらかだけで良い?

「すでに医療保険に入っているから、がん保険は不要では?」と思う人もいるでしょう。

しかし、この2つの保険は役割が異なっており、医療保険があるからがん治療の際も大丈夫と思い込むのは危険です。

それぞれの違いと特徴について解説します。

医療保険とがん保険の保障範囲の違い

医療保険とがん保険の最大の違いは、「保障の対象となる病気」と「給付金の支払われ方」です。

医療保険がん保険
保障対象すべての病気とケガがんのみ
支払条件入院または手術(主契約)がんと診断された時
がんによる治療を受けた時など
※入院の有無を問わないケースが多い

医療保険: 病気やケガ全般を広くカバーします。主に「入院1日につき5000円」「手術1回につき10万円」のような形で給付金が支払われるものが一般的です。

がん保険: 「がん(悪性新生物・上皮内新生物)」の治療に特化しています。がんと診断された段階でまとまったお金が受け取れる「診断一時金」や、通院治療・抗がん剤治療に特化した保障が手厚いことが特徴です。

医療保険でもがんの入院や手術は保障されますが、退院後の通院治療はカバーできません。

長引くがん治療に備えたい場合は、医療保険にがん特約を付加しておくか、がん保険を別途契約しておく必要があります。

関連記事:医療保険とがん保険の違いが図でわかる!自分はどっち?年代別の選び方と併用するときの注意点

医療保険だけではがん治療に対応しきれないリスク

現代のがん治療は、医療の進歩により「短期入院+長期の通院(外来治療)」へとシフトしています。

医療保険は主に入院日数をベースに給付金が計算されます。

そのため、「一週間で退院し、その後は毎月通院して高額な抗がん剤治療を続ける」といったケースでは、医療保険だけでは通院や薬剤費の自己負担分をカバーしきれないリスクがあります。

がんは一度罹患するとすぐに完治させることが難しく、治療が長引くケースも珍しくありません。

入院時の保障だけでなく、通院治療にも備えておくことが大切です。

関連記事:がんの治療費の平均はいくら?自己負担額の計算方法や払えない時の対処法をプロが解説

(参考:令和5年(2023)患者調査の概況|厚生労働省)

「三大疾病」もカバーする保険とどちらが良い?

がんだけでなく、心疾患や脳血管疾患も含めた「三大疾病保険(特定疾病保険)」という選択肢もあります。

ただし、80代から新規加入を検討する場合、三大疾病保険はがん保険より保障範囲が広いため保険料が高くなる傾向にあります。

予算に余裕があり幅広い保障を求める場合は三大疾病保険が適していますが、がんに効率よく備えたい場合はがん保険を検討するのがおすすめです。

関連記事:三大疾病保険とがん保険の違いは?どっちがおすすめ?選び方のポイントを保険のプロが解説

80代のがん保険の選び方

80代からがん保険を選ぶ、あるいは見直す場合、若い頃とは異なる「高齢期ならではの視点」が必要です。

ここからは、80代のがん保険選びのポイントを紹介します。

メインは「診断一時金」がおすすめ

80代のがん保険選びでは、入院日数に連動する保障や薬剤治療をカバーする保障よりも、がんと診断されたら一括で受け取れる「診断一時金」を主軸に選ぶのがおすすめです。

まとまった現金が手元に入ることで、先進医療の費用、通院のためのタクシー代、健康食品の購入など、さまざまな費用をカバーできます。

また高齢者の場合、進行が比較的緩やかなため、積極的に抗がん剤治療をしないケースもあります。

そのため、抗がん剤治療などの薬剤治療が支払条件になっている保険では、場合によっては給付を受けられない可能性があります。

まずは、使い勝手の良い診断一時金をベースに保険選びをしましょう。

関連記事:がん保険は一時金のみで良い?保障額の決め方や保険選びのポイントをプロが解説

診断一時金の支払回数と条件に注意

保険会社によって、診断一時金の支払いが「一回限り」のものと「複数回(年に1回など)」受け取れるものがあります。

80代の場合、がんが再発・転移した際にも再度受け取れる「複数回支払型」が安心ですが、その分保険料が高くなる可能性があります。

複数の保険会社で保険料シミュレーションをしながら、予算と相談して保険選びを進めましょう。

一時金を複数回受け取れる対応の場合、2回目以降の条件にも注意が必要です。

初回は「がんと診断されたとき」に保障されるものが一般的ですが、2回目以降は「がん治療のために入院したとき」や「薬剤治療を受けたとき」など保険会社によって異なります。

加入前に、必ず支払条件を確認しましょう。

関連記事:がん保険の一時金「複数回」タイプのデメリットとは?再発・転移のリスクと賢い選び方

上皮内がんの保障内容を確認

「上皮内がん(上皮内新生物)」とは、がん細胞が臓器の表面(上皮)にとどまっており、転移の可能性が極めて低い初期のがんです。

保険商品によっては、上皮内がんの場合に一時金が「通常の50%に減額」されたり「保障対象外」となったりすることがあります。

80代でも上皮内がんは多く発見されるため、できれば「悪性新生物と同額保障」のものを選ぶのが理想です。

関連記事:【FPが解説】上皮内新生物はがん保険で保障される?知っておくべき給付金と保険選びのポイント

抗がん剤やホルモン剤治療を検討する場合は「治療給付保障」

点滴や服用など、長期にわたる抗がん剤治療やホルモン剤治療に備えたい場合は、治療を受けた月ごとに毎月定額(月10万円など)が支払われる「治療給付金保障」を検討するのも良いでしょう。

ただし、高齢者は比較的がんの進行が緩やかで、体力や回復力と天秤にかけて積極的な治療をしないケースもあります。

診断一時金で備えておくほうが保障を受けやすいのは事実ですが、一時金はまとまったお金を受け取ることができるため保険料が高くなりがちです。

「予算的に診断金は難しい」「万が一抗癌剤治療が必要になったときのために備えたい」という人は、治療給付保障がおすすめです。

保険会社や選択するプランによって対象になる治療は異なるため、加入前に必ず保障範囲を確認しておきましょう。

主な保障対象治療

  • 抗がん剤
  • ホルモン剤
  • 放射線治療

幅広い保障のプランで対象になる場合がある治療

  • 手術
  • 疼痛緩和治療

関連記事:抗がん剤治療の費用は月いくら?高額療養費制度を使ったリアルな自己負担額と保険の必要性
関連記事:ホルモン療法はがん保険でおりる?通院治療の給付条件と古い保険の注意点を保険のプロが解説

80代で新規加入の場合は終身型で検討を

がん保険には、5年や10年で保険期間が終了する「定期型」と、一生涯保障が続く「終身型」があります。

80代で新たに加入、または乗り換える場合は、「終身型」を選ぶのが基本です。

定期型を選んでしまうと、数年後に更新を迎えた際に保険料が跳ね上がったり、あるいは年齢制限で更新ができなくなったりして、保障確保することが難しくなる可能性があります。

関連記事:がん保険は「終身型」と「定期型」どっちが正解?年齢別・目的別の選び方と損得シミュレーション

80代のがん保険の保障額の決め方

「保障額はいくらが適正?」「一時金はいくらあれば安心?」と悩む人も多いでしょう。

ここからは、高齢者が利用できる公的医療保険制度をふまえ、保障の適正額について考えていきます。

後期高齢者制度・高額療養費制度をもとに決める

75歳以上の高齢者は「後期高齢者医療制度」に加入しており、医療機関での窓口負担は原則1割(現役並み所得者は2割または3割)に抑えられています。

さらに、1カ月の医療費の自己負担に上限を設ける「高額療養費制度」があるため、一般的な所得の人の場合、月々の自己負担額は外来と入院を合わせても5万7600円です。

仮に1年間毎月治療を受けたとすると、5万7600円×12カ月=69万1200円が実質負担額です。

がん保険の診断一時金で50~70万円程度の額を設定しておけば、1年間の治療費はまかなえる計算になります。

関連記事:がん保険の一時金、いくらが正解?平均と選び方を保険のプロが解説

多数回該当制度とは

過去12カ月以内に高額療養費制度の限度額に4回以上達した場合、4回目以降はさらに上限額が引き下げられる「多数回該当」という仕組みがあります。

75歳以上の後期高齢者で一般的な所得であれば、4回目以降は4万4000円が最大の自己負担額となります。

ただし、入院時の個室利用に必要な差額ベッド代や、食費、交通費など、高額療養費制度の対象にならない費用も多くあります。

治療費以外の出費にも備えておきたい場合は、一時金の保障額を少し手厚くしておくと安心です。

入院が長引くリスクも見据えて保障を決めよう

公的制度があるため、治療費そのものは何百万円もかかるわけではありません。

しかし、高齢者の場合は体の回復力が低下しており、入院が長期に及ぶことも考えられます。

入院が長引くとその分医療費の負担も大きくなります。

差額ベッド代や食事代もかさみ、想定以上に家計への影響が大きくなるかもしれません。

また、がん治療をきっかけに体力が低下し、退院後にリハビリ病院や介護施設への一時入所が必要になるケースもあります。

医療費以外にかかる費用もふまえ、貯蓄でどこまでカバーするか、保険でいくら受け取ることができれば安心かを考えてみましょう。

【計算例】診断一時金と治療給付金の保障額の決め方

一般的な80代(後期高齢者・一般所得)の標準的ながん治療を想定した、必要保障額のシミュレーション例です。

想定される費用・リスク おすすめの保障額設定 
初期費用・周辺費用医療費、差額ベッド代、身の回り品の購入費用診断一時金:50万円 〜 70万円 
毎月の通院治療費抗がん剤治療やホルモン療法の自己負担分治療給付金:月額5万円

80代であれば、何百万円もの過剰な保障は不要です。

「診断一時金50万円+治療給付金月5万円」程度の内容にするだけでも、公的制度と合わせれば十分に自己負担をカバーでき、保険料とのバランスも良くなります。

持病があってもがん保険には加入できる?

「持病があるから、今さら保険なんて入れない」と諦める必要はありません。

がん保険は、一般的な医療保険に比べて引受基準が緩やかな傾向にあります。

ここからは、80代に多い病気ごとに、がん保険の加入目安を解説します。

関連記事:持病があってもがん保険に入れる?診査基準や持病がある人におすすめの保険をプロが解説

高血圧や脂質異常症など生活習慣病の場合

高血圧や脂質異常症(高コレステロール血症)などで薬を服用している場合でも、数値が安定していれば、通常のがん保険にそのまま加入できるケースがほとんどです。

がん保険の診査では、がんに直接関係のある病気や症状が重視されることが一般的です。

高血圧などの生活習慣病は、がんの発症に大きく影響していないため、問題なく加入できることが多いでしょう。

関連記事:高血圧でも入れるがん保険はある?加入審査の基準や、高血圧でも入りやすい保険をプロが解説
関連記事:糖尿病でもがん保険に入れる?加入審査の基準やおすすめの保険をプロが解説

心疾患・脳血管疾患の罹患歴がある場合

狭心症や急性心筋梗塞などの心疾患、脳卒中やクモ膜下出血など脳血管疾患の罹患歴がある場合はどうでしょうか。

心疾患の場合、比較的がん保険には加入しやすい傾向です。

心疾患はがんの発症との因果関係が見られないため、過去に入院・手術歴があっても問題なく加入できる可能性が高いでしょう。

一方、脳血管疾患の罹患歴はがん保険において厳しく見られます。

一部のケースでは脳血管疾患とがんを併発することがあり、手術歴があると加入を断られることがあります。

治療後一定期間経過していれば問題なく加入できる保険会社もあるため、症状が落ち着いてから保険加入を検討しましょう。

がん検診で指摘を受けている場合

直近のがん検診や人間ドックで「要精密検査」「要再検査」などの指摘を受け、まだ検査を受けていない(または結果が出ていない)場合は、通常のがん保険への加入は難しくなります。

まずはしっかりと再検査を受け、結果を明らかにすることが大切です。

再検査の結果異常がないことがわかれば、診断書等を提出することでがん保険に加入できるケースもあります。

認知症疑いなどの指摘を受けている場合

認知症の診断を受けている、あるいは疑いの指摘がある場合、保険の加入手続き(契約内容の理解と自署)が法的に難しくなる場合があります。

認知症とがんに直接的な関係はありませんが、保険は金融商品になるため、認知機能に問題がないことが求められます。

がん保険の特約はどう選ぶ?

がん保険にはさまざまな「特約(オプション)」をつけられますが、何でもつけると保険料が高くなってしまいます。

80代に必要な特約を見極めましょう。

「先進医療特約」はつけておく|ただし医療保険との重複に注意

「先進医療特約」は、厚生労働省が認める全額自己負担の先進医療の技術料を保障してくれる特約です。

月々の保険料は100円〜200円程度とお手頃なため、優先的に検討しましょう。

ただし、 先進医療特約は1人が複数の保険で重複して契約しても、実際の技術料分しか支払われないことが一般的です。

すでに加入している医療保険に先進医療特約が付いていれば、がん保険に付加する必要はありません。

保障の重複が起こらないよう、加入している保険の証券と照らし合わせてプランを決定しましょう。

最新治療に備える「自由診療特約」は必要?

日本で未承認の抗がん剤治療など、公的保険が一切きかない「自由診療」の費用を保障できるのが自由診療特約です。

魅力的に見えますが、80代の場合、身体への負担が大きい未承認薬を使ったハードな治療を選択するケースはそれほど多くありません。

特約料も高めになるため、80代における優先度は比較的低いと考えて良いでしょう。

関連記事:自由診療に備えるがん保険は必要?自由診療にかかる費用や保険選びのポイントをプロが解説

緩和療養を保障する特約も検討しましょう

がんに伴う心体の苦痛を和らげる「緩和ケア(ホスピスなど)」を受けた際に給付金が支払われる特約です。

80代のがん治療では、積極的な抗がん剤治療を行わず、痛みを抑えて穏やかに過ごす「緩和治療」を選択するケースも増えます。

高齢期の選択肢を広げるという意味で、検討の価値がある特約です。

80代のがん保険料の相場はいくら?

80代でがん保険に加入する場合、最も気になるのが「毎月の保険料」です。

では、保険料の目安を男女別に見ていきましょう。

80代男性・女性の平均的な保険料

80代はがんの罹患リスクが高いため、若い世代に比べて新規加入時の保険料は高くなります。

一時金50万円・治療給付5万円の場合の保険料目安
男性:8000円~1万円前後
女性:3000円~5000円前後

※保険会社によって異なります

高齢期の場合、女性よりも男性の罹患率が高い傾向にあるため、保険料も割高になりがちです。

ただし、治療給付を付加しないプランを選んだり、一時金の額を少なくすることで保険料をできるだけ抑えることは可能です。

毎月継続できる範囲で、かついざというときに困らない最低限の保障を選ぶことがポイントです。

関連記事:がん保険の保険料は毎月いくら払っている?がん保険の加入率や必要な保障をプロが解説

保険料を抑えるためのコツ

80代でがん保険に新規加入しようとすると、保険料が高額になることもあります。

保険料を抑えて最低限の保障を確保するためのポイントは次の2点です。

  • 「診断一時金」に絞る

特約を複数つけず、使い勝手の良い一時金のみのシンプルなプランにする。

  • 一時金の額を下げる

高額療養費制度や多数回該当を加味し、最低限の額に設定する。

特約を複数付加すると、その分保険料も高くなります。

80代のがん保険選びでは、できる限りシンプルなプランで継続可能な保険料に収めることが大切です。

また、一時金の額も慎重に設定しましょう。

公的医療保険制度を加味し、不足する分だけ最低限確保しておくことがポイントです。

がん保険特有のルール「90日間の免責期間」 に注意

がん保険には、加入後の90日間(または3カ月間)は保障されない「免責ルール」が設けられていることが一般的です。

契約(責任開始日)から90日間の間にがんと診断された場合、給付金は支払われず、契約自体が無効になることがほとんどです。

これは、体に不調を感じた人が駆け込みで加入することを防ぎ、加入者間の公平性を保つための大切なルールです。

「来月手術だから今月入る」ということは通用しないため、健康なうちに早めに検討を進める必要があります。

関連記事:責任開始日とは?いつから保障が始まるのか契約日との違いをプロがわかりやすく解説

若いころに加入したがん保険は「見直し」が必要?

「20〜30年前に加入したがん保険を今も続けている」という80代も多いでしょう。

しかし、実際にがんと診断されたとき、せっかく続けてきた保険が役に立たない事態に陥る可能性があります。

昔のがん保険は現代の治療に合わない可能性

昔(平成初期など)のがん保険は、「がんは長期入院して治すもの」という前提で作られていました。

そのため、「入院20日目から保障」「通院は入院前後の数日だけ」といった条件になっていることが珍しくありません。

入院保障と死亡保障がセットになっており、通院治療には対応していないこともあります。

しかし、現代のがん治療は「短期入院+長期の通院」が主流です。

「せっかく何十年も保険料を払ってきたのに、いざがんになったら、入院日数が足りずに1円ももらえなかった」という事態になりかねません。

まずは、加入しているがん保険の保障内容を確認し、現在の通院治療に対応できる内容かチェックしましょう。

見直し・乗り換え時の注意点

現在の治療実態に合った保険へ見直す(乗り換える)際は、次の注意点を守りましょう。

  • 新しい保険の「90日間」が過ぎるまで、古い保険を解約しない

新しい保険に申し込んでも、90日間の免責期間中は無保険状態になってしまいます。

もし新しい保険が成立した時点で古いがん保険を解約してしまっていると、90日の間にがんと診断された場合、どちらの保険からも保障を受けることができません。

保険料は3カ月分重複してしまいますが、新しい保険の保障がスタートしてから、古い保険を解約するのが最も安全です。

  • 健康状態によっては乗り換えられないリスクを知っておく

健康状態によっては、新しい保険に加入できない可能性があります。

保険の手続きが終わったからといって安心して古い保険を解約すると、無保険状態になってしまう恐れがあります。

必ず「新しい保険の加入審査に通ったこと」を確認してから、保障開始日をふまえて古い保険の解約手続きを行いましょう。

関連記事:がん保険は見直しするべき?知らないと損する乗り換えのメリット・デメリット

まとめ

80代はがんの罹患リスクが最も高くなる年齢です。

公的医療保険制度を利用して治療にかかる費用は抑えることができますが、それだけですべてをカバーすることは困難です。

最低限のがん保険を準備しておくことで、万が一の事態に備えましょう。

がん保険を選ぶ際のポイントは、「入院保障よりも診断一時金をメインにすること」「保障額は公的制度(高額療養費など)を前提に50万円程度に抑えること」です。

まずは現在加入中の保険内容を確認し、現代のがん治療に適しているかチェックすることから始めてみましょう。

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執筆・監修者 保険ライター/2級FP技能士

橋本 優理

大学卒業後、ほけんの窓口グループ株式会社へ入社。約300組のライフプランニングを行い、保険販売業務に従事。その後、異業種にて法人営業を経験し、株式会社エイチームフィナジーで保険EC事業の立ち上げに参画。インターネット上で保険の無料相談ができるサービスの責任者として、自身も多くの世帯のライフプランニングを行う。2023年に株式会社モニクルフィナンシャル入社。経済メディア「LIMO」で300記事以上を執筆。現在は、より多くの人に、より気軽に、自分に合った保険の選び方を知ってほしいとの思いでコンテンツ制作や執筆作業に従事。 2級ファイナンシャル・プランニング技能士(FP2級)、生命保険募集人資格、損害保険募集人資格保有。

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